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[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

わんにゃん支援活動

2019年07月12日

「神戸ノラネコTNR実行委員会」さまの活動レポート(2018年度)

フェリシモ猫グッズの販売額の一部である「フェリシモの猫基金」、フェリシモメリーポイントの「動物たちの保護と飼い主探し支援」、 毎月ひと口100円「フェリシモわんにゃん基金」等でみにゃさまからご支援をいただいている団体さまの活動レポートです。

実施場所:神戸を中心に三木、明石、加古川、高砂、姫路、たつのなど周辺市町

私たち「神戸ノラネコTNR実行委員会」は、2015年4月に結成した市民ボランティア有志の会です。神戸を中心に、三木、明石、加古川、姫路、たつのなど周辺都市で、地域猫活動や猫の救済活動に取り組む40代以上の女性たちが中心となって活動しています。

【相次ぐ多頭飼養崩壊の救済】
発足4年目を迎えた2018年は、神戸市内で連続して発生した多頭飼養崩壊家庭の猫たちの救済活動から始まりました。

殺処分前提で、神戸市動物管理センターに持ち込まれた70匹の元飼い猫たちの命を救おうと、公式サイトやブログ、フェイスブックなどSNSを駆使して支援を呼びかけ、協力者とともに、最終的に45匹を預かりました。その後も、新たな多頭飼養崩壊の相談が相次ぎ、飼い主への支援や猫の救済のために奔走しています。

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(高齢の飼い主が入院し、家に取り残された猫たち)

【ネットワークの大切さを実感】
動物愛護の活動には、人脈が重要な役割を果たします。多勢の仲間が集まれば、今までできなかったことが可能になり、地域が抱えるさまざまな問題も、少しずつ軽減されていくだろうと、希望が持てます。次々と発生する多頭飼養崩壊の事案に対処できているのも、ボランティア仲間の連携や、私たちの活動に理解を示して、快く協力してくださる、多くの支援者の存在があってこそ。助け合いのネットワークの大切さを実感しています。


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(崩壊家庭から救出され、預かり先で健康状態の回復を待っています)

【協力団体に登録】
2018年度から、「神戸市 人と猫との共生推進協議会」の協力団体に登録しました。神戸市が取り組む野良猫の繁殖制限事業を推進するためのサポート役です。

「野良猫がこれ以上増えないようにしたいけれども、どうしたらいいか分からない」
「捕獲を手伝ってもらいたいが、周囲に頼める人がいない」

...などと、困って相談をしてくる人たち=「野良猫問題をなんとか解決したい」と考え、行動を起こそうとしている人たち=の中には、私たちがほんの少しお手伝いするだけで、次第に「地域のために自ら動けるようになる人」も、多勢います。それまで、ひとりで頑張ってきたという人たちにとって、私たちは「頼りになる存在」。私たちにとっても、新たな仲間との出会いです。たいへんうれしく、心強く思います。

たくさんの点が集まって一本の線となり、その線をどんどん太くして、広く巡らせていく。各地で地道に活動をしている市民ボランティアの働きを社会に広めて、世の中を変えていけるような、大きな力にしていければ...と願っています。

【厳しい現実にも直面】
さて、皆さまの協力・支援により救い出された、たくさんの元飼い猫たちの多くは、新たな家族に出会って幸せに暮らしています。その一方で、預かりボランティアらがどれだけ心を掛けて一生懸命お世話をしても、なかなか人には慣れずに緊張したり、威嚇したり、逃げたりする猫や、保護した時点ですでに健康状態が悪く、治療の甲斐なく亡くなる猫もいます。
長年、過酷な飼育環境に置かれたため、心身に問題を抱えている猫も少なくない。劣悪な崩壊家庭から救い出されて命がつながれば、どの猫もハッピーエンドを迎えられる...というわけではないのだという、厳しい現実にも直面して、胸を痛めています。

神戸市東灘区で発生した、53匹の多頭飼養崩壊家庭から助けられた保護猫たまこちゃん。預かり先で暮らして2年になろうとしていますが、保護主が近寄ると跳んで逃げて一定の距離を保ち、決して側に近寄ることがありませんでした。名前を呼んでも無反応。心に何らかのトラウマを抱えているようです。

そんなたまこちゃんに、最近、大きな変化が現れました。自ら接近してきて、なでてあげることができるようになりました。今は抱っこできるよう、スキンシップを密にしています。まだ声を出して鳴いたことは一度もありませんが、名前を呼ぶと、目をパチパチさせます。固く閉ざしていた心を少しずつ開いてきてくれている。うれしい変化です。

たまこちゃんのペースに合わせながら、もっともっと仲良くなり、いつかはきっと、一緒に暮らせる家族のもとに託せる日が来る。保護主は、そう信じています。

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(53匹の多頭飼養崩壊家庭から助けられた保護猫たまこちゃん)

【すべての猫の幸せを願って】
ここ数年、高齢の飼い主が亡くなったり、病気や認知症になったりして飼えなくなった猫を手放さなくてはならない。どうしたらよいか―と相談を受けることが増えています。

高齢者が飼っている猫も、同じく高齢。シニア猫である場合、日本では、猫を飼いたい人たちが子猫を求める傾向が強いこと。シニア猫の年齢や健康状態によっては、看取り前提で受け入れ、継続的な医療ケア=経済的な負担=が必要になってくることなどから、シニア猫たちが、安心して余生を暮らせる家庭を見つけることは、なかなか容易ではありません。

小さな命をできるだけ多く、救いたい。新たな飼い主を見つけて、ずっと安心して暮らせるように...そのように考えて保護した多くの猫たち。子猫だったり、毛柄がよく、器量よしで愛想がよかったりする猫たちは比較的、早くおうちが見つかります。けれども、譲渡会が苦手で参加できなかったり、参加してもケージの隅に固まったままだったりして、なかなか目に留めてもらえない猫たち。病気やけがの後遺症、生まれ持っての障害、虐待などによるトラウマなど、いわゆる〝ハンディ〟を抱えた猫たちには、ご縁がなかなか巡って来ません。

保護主も、「抱っこできます」「人に慣れています」などと、アピールしてしまいがちですが、大人猫の魅力や、シニア猫とのゆったりした時間を過ごすことの楽しさ。彼らとともに暮らす日々の中で、私たち人間が得ることのできる多くの癒しや、命の尊さについての学びの数々、病気やけがの後遺症への対処法など一緒に暮らすときのちょっとした工夫についても、もっと語り伝えなくてはなりません。

さまざまな生活暦のある猫たちの事情を察して、ありのままを受け入れてくれる家族を探すこと。猫たちの幸せを願って、出会いの場をもっと増やし、ご縁を手繰り寄せてこられますに。猫たちの幸せ探しのため、これからも、より一層、力を注いでいかねばならないと、気持ちを引き締めています。


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(母猫をTNRする際に保護された野良猫の子どもたち。預かりボランティア宅で健やかに成長し、新しい家族のもとに託され、幸せになりました)


<ご支援くださっているみなさまへ>
いつもご支援いただき、ありがとうございます。心より感謝申し上げます。
皆さまの周りには、数人の小さなグループや、個人で活動しているボランティアがたくさんいます。そのような人たちに光を当て、社会に役立つ存在として認めてもらうことで、ものすごいパワーを発揮します。1匹でも多くの命を守り、救うことができるならば、私たちボランティアの培ってきた経験や知恵、人脈、さまざまなノウハウを惜しみなく提供します!
皆さまからいただく基金により、新しい家族へとつなぐ〝命のリレー〟にご支援・ご協力をたまわりますよう、よろしくお願いいたします。



「神戸ノラネコTNR実行委員会」
http://nyanpro.net/
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みにゃさまのコメント

保護猫活動ご苦労様です。私も合計4匹野良猫ちゃんを保護しています。最初の一匹は、地域性で可愛がられていた猫、保護した時には白血病のキャリア、一年三ヶ月共に暮らし亡くなりました。そのあと三匹います。

by 馬橋典子 2019-08-02 11:13