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[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

わんにゃん支援活動

2017年12月22日

「公益財団法人 日本アニマルトラスト」さまの活動レポート(2017-18前期)

フェリシモ猫グッズの販売額の一部である「フェリシモの猫基金」、フェリシモメリーポイントの「動物たちの保護と飼い主探し支援」、 毎月ひと口100円「フェリシモわんにゃん基金」等でみにゃさまからご支援をいただいている団体さまの活動レポートです。

実施場所:大阪府豊能郡能勢町

私どもハッピーハウスには現在550頭の犬・猫が暮らしています。
そのうち、老犬など介護を必要とする犬たち20頭が「フィガロハウス」と呼ばれる棟(写真下)で日々を送っています。
私たちは安楽死を認めていないので、たとえその子が里親さんとのご縁に恵まれなかったとしても、医療も含めた精一杯の介護をしながら、最期までその子の「生きる」を支えています。

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まだ若いうちに当施設にやってきて、里親さんに巡り合わないまま年齢を重ねて老犬になった子、シニアの年齡になってから、ここの施設にやってくる子... フィガロハウスにいる子たちの背景は様々です。
こうした老犬を引き取ってくださる里親さんはそう多くはなく、その割合は全体の引き取り数の5%程度、数にして年間5~10頭に過ぎません。

そんななか、この夏に初めてここを訪れ、「ドール(推定14歳)」という老犬に出会い、3ヶ月間毎週、河内長野から能勢まで会いに通って、里親になってくださったのが竹林さんご一家。目も耳も不自由な老犬・ドールが再び自分だけの家族と暮らす幸せをつかむことができました。

そのドールがハッピーハウスに来たのは2016年7月のこと。河原をさまよっていたところを一般の方に保護され、当施設へ。来た当初は下痢、外耳炎、皮膚炎、結膜炎、角膜炎を患っており、すぐに治療が施されました。(すでに目は不自由な状態)

それからの1年間をフィガロハウスで過ごしたドールをどんな想いで引き取ってくださったのか、竹林さんご一家のエピソードです。

■犬に選んでもらう
今年の4月、17年半を共に過ごした先代の犬が亡くなりました。
急に家の中が静かになってしまい、寂しくなって。先々代の子からずっと犬との暮らしが続いていたので、家族みんなでやっぱりワンちゃんがほしいなぁ~と。
ご近所や友人知人に声をかけて引き取れる子を探したり、ホームページでいろんな施設などを調べているうちに、ハッピーハウスの存在を知りました。
能勢ってどこ?って感じだったけれど(笑)

6月3日、初めてハッピーハウスを訪れてみました。
「フィガロハウス」を見て、心が落ち着いたんです。老犬は心が穏やかになれるなぁ~と実感。先代、先々代のおかげで介護には慣れているし、老犬はヤンチャもしないし(笑) そこで、翌週も再び行ってみる事に。

そんな老犬たちのなかから、どの子がいいかな?と大の犬好きの息子に聞いてみたら、彼にこう言われたんです。
『こちらが選ぶんじゃない。犬に選んでもらうんだよ』って。
その言葉でハッとしました。『ウチでよかったら』という気持ちにならなきゃって。
里親になるのは初めてだし、あこがれもあった。でも、どこか上から目線だったかな、と気づかされました。

やはり動物好きの娘からも「ゆっくり探せばいいよ」とも言われ、ホントはすぐにでも欲しかったけれど、ウチを選んでくれたらいいな~と願いつつ、3か月間毎週、河内長野から能勢まで片道3時間かけて、ドールに会いに通いました。

ハッピーハウスで初めてドールと散歩に行ったとき、クルクル回ってばかりで、あまりうまく歩けなかった。この子は目が見えていない、耳が聴こえていないんだということもわかった。だから逆に、この子を支えてあげたいな、と。

そもそも動物を飼うこと自体、手間はかかるものだし、目も耳も不自由なのはこちらで補うことできる。「おすわり」や「お手」ができないなんて何でもないこと。
仔犬を育てる楽しみは以前に味わっているし。だから老犬を引き取ることに何の抵抗も感じませんでした。
むしろ年いった子は可愛いですよ。穏やかだし。ドールちゃん、ホント可愛い!

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■ドールとの暮らし
ウチに来てから、散歩というほどではなくても少しずつ歩くようにはなってくれました。抱っこして外を一緒に移動して、下ろしたらドールが少し歩いて、また抱っこして移動して、という感じで。ご飯はしっかり食べてくれます。絶対に家の中で一人にはしません。やっぱり毎日に張合いがありますね。

これからはとにかく健康で、長生きしてほしいです。気ままに生きてくれたらいい。病気や事故ではなく、天寿を全うしてほしいな。家の中でも外でも抱っこのときはいつも、私が見たもの感じたことをこの子に語りかけているんですよ。

先代の子にはいつも「可愛いね~」「いい子だね~」「大好きだよ!」と言っていました。
その子が亡くなったとき、家族みんなの口から「ありがとう」という言葉が自然に出たんですよね。
でも同時に、あの子が生きている間には、その言葉をかけていなかったことに気づいたんです。
聞こえているうちにその気持ちを伝えたかった...
だからドールには、いつも言っています。
「ウチに来てくれて、ありがとう!」と。

(談)



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<ご支援くださっているみなさまへ>
ドールのように幸いにも里親さんに引き取ってもらえた子がいる一方で、ここで犬生を全うする子たちも少なからずいます。
いまは老犬になりフィガロハウスで暮らしている子たちも、かつてはどこかの家族の一員として可愛がってもらっていたはずです。
どの子にも、もう一度自分だけの家族と暮らす幸せを味わってほしい。老犬であればあるほど、私たちはよけいにそう願っています。

犬猫を問わず、介護が必要な子たちはもとより、この施設にいるどの子にも、私たちは医療も含め精一杯できる限りのお世話をしています。
それも支援してくださる皆さまのお力添えがあってこそできることです。皆さまの日頃のご厚意・ご支援に心より感謝申し上げます。
彼らの命を支えてくださり、本当にありがとうございます。



「公益財団法人 日本アニマルトラスト」
www.happyhouse.or.jp
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