おや、可愛らしい3匹の子猫さんがいます。
長毛キジトラが1匹に、短毛キジトラが2匹。名前はまだありません。
彼女たちがいるのは、大きなケージハウスの中。
外では、子猫大好きのサバ白のダヤンくんが待ち構えています。
ここは、緑に囲まれた智子さんのおうち。きょうは、智子さんが保護主さんと子猫を1匹飼いたい女性との間を取り持って、ここでお見合いが始まるのです。
3匹のうち、迎えてもらう1匹は決まるでしょうか。
子猫たちが落ち着いているので、扉チャックが開かれました。
3匹は、ひと月ちょっと前に、Sさん(男性)に保護された捨て猫姉妹です。Sさんは自宅近くの路上で、3匹を見つけました。歩いてはバタンと倒れるヨチヨチ歩きだったそうです。このままではほどなく車にひかれるかカラスに連れ去られてしまう。Sさんはすぐさま家に段ボール箱を取りに行き、3匹を保護しました。
男手でひと月ほど自宅で育児。元気に離乳食を食べられるようになったところで、このまま自分では飼えない事情のため、譲渡先を探していたのでした。
3匹は元気いっぱい。とりわけ長毛ちゃんは、一番よく食べよく遊ぶので、体格もしっかりしています。
さっそく、広い室内の探検を始めています。
短毛ちゃんたちは、ちょっとオズオズ。
でも、長毛ちゃんにつられて、いっしょに探検開始です。
ダヤンくんは子猫たちを舐めたり転がしたり甘噛みしたりして、可愛がってやりたくてたまらず追いかけます。そんなダヤンくんをするりするりとかわしながら、まったくものおじしない長毛さん。
きっと初めて目にしたであろう犬のハチくんともご対面。
「この猫さん、おっきい!!」とでも思っているのか、たいしてビビりません。
じつはハチくんも子猫が大好きで、アタマから丸ごとパクっと可愛がりたいのを、こらえています。
そんな3匹の様子を口元を緩めながらじっと見ていて、1匹ずつ抱っこもしてみた譲渡希望者のKさん。
悩みに悩んだ末、決めました。
Kさんが迎えることにしたのは......。
「あの子たちにします」
なんと、短毛ちゃん2匹でした。
Kさんは、三毛猫さんを見送って半年。おとなしめで飼いやすい子たちなら2匹迎えられるし、そのほうが猫たちのためにもいいのではと思ったようです。(智子さんと私が、余裕があるのなら2匹で迎える方がいいと、そのメリットを説明したのも、背中を押したようです。3匹まではお勧めしませんでしたが)
2匹のめでたしめでたしで、ひとり残されることになったのが長毛ちゃん。
智子さんは、お見合いの場を貸すだけで、引き受ける気持ちはなかったのですが、長毛ちゃんが遊び相手がいなくなってさびしがる姿を想像すると、ふびんでなりませんでした。保護主さんも、早く手放したがっている様子。
そこで、譲渡先が決まるまで、ここで預かることを申し出たのでした。
「チビ、ここに残るのか」とばかり大歓迎のダヤンくんとハチくん。
智子さんちの預かり猫となった長毛ちゃんは、この家にまだまだ先住猫がいることをまだ知りません......(笑)。この日は、お見合いで客人数名のため、居間に顔を出さなかった猫たちがまだまだいたのでした。
長毛ちゃんのその後は、初夏あたりに取材させていただく予定です。
譲渡先が決まっているか、はたまた、智子さんちの子になっているか。
仮の名は、「レオ」になったそうです。
さて、きょうはこどもの日。すこやかなこども時代がその後の性格づくりや幸福感の土台となるのは、人も猫も同じ。
短毛ちゃん2匹は姉妹で仲良く遊び育っていくことでしょう。長毛ちゃんも、しばらく智子さんちで、犬猫のお兄ちゃんお姉ちゃんに可愛がられてのびのび育っていくでしょう。
そして、子猫がやってくるとそれはよく面倒をみるダヤンくんが、2年前に若くしてよれよれガリガリでここに辿りつくまでの子ども時代を想像すると、すこやかだったとはとても思えません。ダヤンくんは、ここで子猫たちと無邪気に遊ぶことで、もう一度自分の子猫時代を作り直しているのかもしれません。
きょうは、こどもの日。人も動物もすべての「こども」に、しあわせな子ども時代がありますように。
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佐竹 茉莉子(さたけまりこ)
フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『猫との約束』『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」、辰巳出版WEBサイト「コレカラ」にて「保護犬たちの物語」を連載中。
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