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[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

岩津さんに聞く!

2020年10月09日

アニマルコミュニケーター岩津さんに聞いてみよう ~猫さんに聞く「犬の十戒」(後編)

みにゃさま、こんにちは。
「犬の十戒」後編です。今回も引き続き「犬の十戒」について猫さんたちにコメントを頂きました。
前編はこちら


「犬の十戒」

(第一戒) 私の生涯はだいたい10年から15年です。あなたと別れるのは何よりもつらいのです。私と暮らし始める前に、どうか別れのことを考えておいてください。

(第二戒) あなたが私に望むことを理解するまでには、少し時間がかかります。

(第三戒) 私にとって一番大事なことは、あなたから信頼してもらえることです。

(第四戒) 私のことを長い時間叱ったり、罰として閉じ込めたりしないでください。あなたにはあなたの仕事や楽しみもあり、友達だっているでしょう。でも、私にとってはあなたがすべてなのです。

(第五戒) 私にちゃんと話しかけてください。あなたの話している言葉の意味はわからなくても、話しかけてくれるあなたの声はよくわかるのです。

(第六戒) あなたが私にどんなふうにしてくれたか、それを私は絶対に忘れません。

(第七戒) 私をたたいたりする前に、私はあなたを噛んだりしていないことを思い出してください。私の歯はあなたの手の骨をかみ砕くことぐらい簡単にできるのに。

(第八戒) 私が言うことを聞かないと怒る前に、なにか原因があるのではないかと考えてみてください。食事はちゃんとしているか、かんかん照りの日なたに置き去りにしてないか、年を取って体が弱ってきていないか、と。

(第九戒) 私が年を取ったら、どうか優しく世話をしてください。あなただって、年老いたら同じようにそうなるのですから。


(第十戒) 私が旅立つその時を安らかに迎えられるように、どうか最期まで一緒にいてください。「かわいそうで見ていられない」なんて言わないで、私を独りぼっちで逝かせたりしないでほしいのです。だって、私はあなたが大好きなんですから。


「第六戒 あなたが私にどんなふうにしてくれたか、それを私は絶対に忘れません。」

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るいくん 2歳 (2年前の台風の時ずぶ濡れになっているところを保護。風邪を引いていて、うんちの中身は草しか入っていない生後1ヵ月の子猫でした。先住の柴犬くんが深い懐で受け入れてくれ、無事に家族入りしたるいくんです)

忘れるはずがないよ。ぼく達はどんなことも覚えてる。
良いことも悪いことも、遠い昔のことも最近のことも。人間は忘れっぽいよね。
ぼく達はこう見えて計画的にしてることが多いんだ。
忘れないよ、永遠に。永遠だよ。ぜんぶ永遠に残るんだ。ぼくが家族を愛してるという事実も永遠に残る。こういうことを忘れるはずがないよね。
あとね、神さまもちゃんと見てるよ。
みんな、いつもありがとう。いつも大好きだよ。


「第七戒 私をたたいたりする前に、私はあなたを噛んだりしていないことを思い出してください―私の歯はあなたの手の骨をかみ砕くことぐらい簡単にできるのに。

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そらまめくん 4歳 (にゃんコールさんより)

ぼくらは憎まない。憎しみは存在しない。
噛むという行為にはいろいろな原因があるんだ。一個一個考えて分析していったら原因は分かるんじゃないかな。
噛むのは最後の手段だ。憎くて噛んだんじゃないことは忘れないで。
噛んだのなら、少しずつぼくらとの間に相違が生じてたと思うよ。
愛しい人たちへ。


「第八戒 私が言うことを聞かないと怒る前に、なにか原因があるのではないかと考えてみてください。食事はちゃんとしているか、かんかん照りの日なたに置き去りにしてないか、年を取って体が弱ってきていないか、と。」

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銀杏くん 1歳8ヵ月 (多頭飼育崩壊からレスキューされ、巡り巡って猫の屋おでんさんのスタッフとなりました)

うーん......、困ったね。
ぼく、これについていろいろ知ってるんだ。どこから話していいか分からない。
ぼくはね、生まれた。生まれたからには大切にしてほしかった。でもダメだった。
でもぼくは諦めなかった。そうこうしてるうちにここにいる。いろんな経緯でここに皆が集まってて、それをぼくは夢みたいに眺めてるんだ。客観的って言うのかな。
それぞれが、それぞれの花をここで咲かせようとしてる。それをぼくはいつも見てるんだ。
ぼくもそのうちひと花咲かせるつもり。これでコメントになってるかな?
生まれてきたぼくを知ってほしい。ただそれだけ。


「第九戒 私が年を取ったら、どうか優しく世話をしてください。あなただって、年老いたら同じようにそうなるのですから。」

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スージーちゃん 7歳 (猫の屋おでんさんより)

うん、その通りだと思う。誰だって優しくしてほしいもん。
あなた、いつか来る老いの為に何か準備してる? わたしはしてない。
老いってなんだろね。気持ち? 体? ま、ケースバイケースよね。
とにかく、優しく温かく距離を保って平和でいれば大丈夫よ。
自業自得って知ってる? そう、こういうこともあるのよね。ま、平和にいきましょ。


「第十戒 私が旅立つその時を安らかに迎えられるように、どうか最期まで一緒にいてください。「かわいそうで見ていられない」なんて言わないで、私を独りぼっちで逝かせたりしないでほしいのです―だって、私はあなたが大好きなんですから。」

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たーさん 享年6歳 

ぼくを愛してほしい、ぼくも愛してる。
ぼくは君の一部だ、永遠に。
旅立ちの時はすぐそこ。怖がらないでほしい。ぼくを愛してほしい。
こんな姿になってごめん。でも愛してるんだ......。


こちらは昨年の11月に亡くなった、たーさんという男の子の生前の言葉です。
とても印象的なセッションでした。鼻腔内に悪性腫瘍ができ、鼻や口からの出血で呼吸もままならず意識も朦朧(もうろう)とし、飼い主さんの頭には安楽死という言葉もちらつく程の壮絶な日々でした。
飼い主さんの哀しみや迷いと共に、辛いお気持ちが痛すぎる程に伝わってきました。
たーさんはこの世に生まれる前と、出会ってからのことを、嬉しそうに私に教えてくれました。

ぼくね、彼女(飼い主さん)のこと大好きだったんだ。好きで好きで近づきたくてね。
彼女とずっと一緒にいたいと思った。会えた時は嬉しくてね。
一緒に暮らし始めると、こんな面もあるんだ、あんな面もあるんだって新鮮で楽しかったよ。
今はもう痛みは無くて、旅立つために全力で宇宙のリズムに呼吸を合わせてる。苦しそうに見えるかもしれないけど大丈夫だからね。
酸素室はもう必要ないよ。あとね、暖められると熱いんだ。体温が下がってるから、火を当てられてるように感じる。

君には心の準備をしてほしい。先頭に立って見送り役をしてほしい。
泣いてもいいけど、空に向かって大きく手を振って見送って欲しい。大きく手を振ってくれると大空に気持ち良く羽ばたけるんだ。
ぼくは空。君は太陽。ぼくを手放してごらん。楽になれるよ。
ぼくのお世話役はもう終わりだよ。今度は君が輝く番。君の人生を歩む番だ。
こんな姿になってごめん。
でも愛してるんだ。
こんな姿になっても、ぼくを愛してほしい。
ぼくも愛してる。
君のことが大好きだった。
大満足で帰ることができる。ぼくは君の一部だよ。


たーさんの言葉と共に、残りわずかなこの世の滞在時間を示すように秒針が進む音が聴こえる不思議な時でした。 何度も何度もぼくを愛してほしいと言った、たーさん。飼い主さんは十分に彼を思い大切にしておられましたが、彼にとって愛するということはたーさんの病気さえ愛することだったのです。

「治ってほしい、死なないでほしい、何でこんなことに......」動物と暮らす者ならば思わずにはいられないこの気持ちも、たーさんにとっては今の自分を否定されているのと同じことで彼の求める愛ではありませんでした。良い時も悪い時もすべてを彼の意思として理解し受け入れてもらってこそ、たーさんの言う「愛する」ということなのです。
思いや願いや考え方は個々様々と思いますが、たーさんの愛はこれなのです。
セッションでたーさんのこの思いを知り、動物にとっての愛は私たち人間の思う愛を遥か超えたところにあるのだと感じました。

たーさんが旅立ったと連絡を頂いた後、私も空に大きく手を振ってお見送りをさせて貰ったのですが、小さなお花が笑顔で揺れるお花畑で、たーさんが足取り軽くお散歩をしている姿が見えました。
その姿を目にし、飼い主さんはすべてを受け入れ、たーさんの望む通りに愛し、大満足で後悔無く旅立ったのだと分かりました。

猫と暮らすということは、どんな時も目を逸らさず否定せず、病気、老化、事故や怪我に及ぶまで家族や友である彼らととことん経験を共有することなのかもしれません。
老いたり病んだりしている彼らを見ると、私たちは何かせずにはいられませんが、ただそっと寄り添うことも時には必要なのだと彼らは教えてくれます。
「かわいそうで見ていられない」という時こそ、その痛みや心を共に分かち合い、半分こする時なのではないでしょうか。動物と暮らす私たちが彼らに与えてもらった、お返ししきれない程の喜びや幸せをお返しできるその時です。
仮に私たちが彼らと同じ状況になったと想像し、遠慮も気遣いも払いのけ、心の底から愛する相手に本当はどうしてほしいのかを考えてみるのも一つです。
大好きな人がいるのに心がひとりぼっちなんてこんな悲しいことはありません。

その時の心情や状況により、様々な形で響いてくる「犬の十戒」。
2回に分けてお届けしましたが、今回もコメントしてくれた5匹の猫さん、ありがとうございました。


フェリシモ猫部からのお知らせです。
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次回のブログは11月13日(金)公開予定です。
引き続きよろしくお願いします。

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アニマルコミュニケーター岩津さんに聞く!

岩津 麻佳

2014年、ひょんなきっかけからアニマルコミュニケーターとしての活動を開始。落ち着いた語り口と外見からは裏腹に、動物たちのエピソードを時にユーモア交えて語ってくれます。

HP

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みにゃさまのコメント

るいくん、人間はわすれっぽいよねって😹😹全くです。
そしてたーさん😭
岩津さんのブログで読んだ時も涙が止まりませんでしたが、改めて何度読んでも胸に響きます。
大事なことは相手の望むそのまんまを受け入れること😭😭

by チヂミちゃんとチャプチェくん 2020-10-10 08:00

最近、人間界で悲しいニュースが続いて、なんで死を選んだんだろう、何がそうさせたんだろうと、そんなことばかりを考えて落ち込むことがありましたが、たーさんから、否定からは何も生まれないことを教えてもらった気がします。生きていたときの輝きとか共有した時間に目を向けると、心がふわっと解放される気がしました。動物たちからはいつも学びしかありません。岩津さんのブログを読むと涙なしでは読めないこともたくさんありますが、そのたびに動物の深くて大きな愛に包まれて、助けられています。ありがとうございます。

by こたろうの相棒 2020-10-10 13:56

そうだね、るいくん
永遠にネ✨
今はもういない
あの子たちとワタシ
やっぱり、ずぅぅっと
繋がっているんだよニャ(^^)
アリガト、るいくん
ハンサムくんニャ~♥

by にあ 2020-10-10 23:55

>チヂミちゃんとチャプチェくん様
忘れるというのは人間に与えられたギフトなのかもしれないと時折思います。
悲しい事、苦しい事に関しては忘れられないことほど辛いことはないですから。
動物たちには執着心が無いので覚えていても楽しく気楽に過ごせるのでしょうね。

by 岩津 2020-10-11 12:56

>こたろうの相棒様
否定からは何も生まれない、本当にそうですね(:_;)
いつもお読み頂きありがとうございます!

by 岩津 2020-10-11 13:01

>にあ様
今も過去も未来も永遠に、いつでもどこでも繋がっていると思うと心が温かくなりますね♪

by 岩津 2020-10-11 13:04

子猫の時に保護した飼い猫に指を噛まれて内出血しました。
足もロックオンで噛みつき!痛いです(/_;)
ブラッシングをしてあげていただけなのに・・
たまに狩猟本能に火が付くようで豹変します。
比べてはいけないのかも知れませんが、以前迷い猫を保護し長年飼った猫が忘れられません。

by ななし 2020-10-21 12:02

>ななし様
猫に限らずですが。人間側には急と思えることも猫側は少しずつサインを出しています^_^
私個人的にですが、ブラッシングはデリケートなことと思っていますので相手の行動や表情をよーく観察しながらしています。

by 岩津 2020-10-25 15:22