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[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

岩津さんに聞く!

2019年09月13日

アニマルコミュニケーター岩津さんに聞いてみよう ~当たり前の奇跡

みにゃさま、こんにちは。
今回は、訪問アニマルコミュニケーションにご応募くださったOさんのお宅に行ってまいりました。
いただいたご相談はこちらです。

ロシアンブルー猫 男の子 13歳 はーちゃん

はーちゃんは、今年の春ごろから少しずつ老化が目立ってきました。まだまだ食欲もあるし、トイレもちゃんとできます。でも、体の痩せ方、足腰の弱り方などからこの子の旅の終わりが見えてきたようで......。

それで、ご相談しようと決めてから数日後に病院に連れていったところ、残念なことに腫瘍が発見されました。悪性なら1年、良性でも2年と余命宣告を受けました。悪性か良性かは全身麻酔をかけての詳しい検査をしないと分からないそうです。その上で手術になるかどうか、ということらしいです。
猫の年齢や我が家の経済的なこともあり、これ以上の積極的な治療は行わず、最後の日まで家族全員で猫を愛し見守ろうと決めました。もう最後まで甘やかしてやろう! と。
そんな我が家の猫が何を思い、どう感じているのか、伝えて頂けたら......と思っています。

はーちゃんとの出会いは13年前。当時お付き合いしていたご主人が、猫を迎えたいということで一緒に行ったペットショップでのことでした。
生後3か月のロシアンブルーの姉弟が目に留まり、その弟猫の鈍くさい様子が気になって見ていたところ、店員さんに声をかけられ抱っこしたが最後、あまりのかわいさに手放せずお迎えを決めました。
この日から猫を迎える準備をご主人と共に整え、後日正式にご主人の一人暮らしの家に家族入りしたのです。
命名「ハンサム」、通称「はーちゃん」。容姿そのままの誇らしいお名前です。

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お迎えした頃のはーちゃん

ご主人の家はOさんの住むご実家から近かったので、はーちゃんにはいつでも会うことができました。
この1年半後に結婚されたのですが、どうしてもはーちゃんに結婚式に来てもらいたかったOさんご夫妻は、はーちゃんの毛をかき集め、毛玉にしてこっそり会場に持って行きはーちゃんは無事列席できたのです

その後Oさんご夫妻は子宝に恵まれ、はーちゃんに弟ができました。幼い弟にしっぽを食べられ足をしゃぶられても、かわいい弟のすること。はーちゃんはじっと耐え、子守も完璧にこなしました。

今ではその弟も小学2年生。朝なかなか起きてこない弟を起こしに行くのがはーちゃんお兄ちゃんの日課です。

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はーちゃんが家族入りしてからあっという間の幸せな13年。
今年の初夏、はーちゃんの毛艶が悪くなり筋肉が落ち、吐く回数が増えたので心配になり動物病院へ行くと、胃と肝臓の近くに2センチの腫瘍が見つかりました。悪性なら1年、良性なら2年と突然の余命宣告。
家族会議の結果、特別なことはせず最期まで普段通りで気分よく過ごしてもらおうと決めました。
心配な吐き気ですが、腫瘍が胃を圧迫しているからかもしれないということで、食事の種類と量を日々試み、少しずつ吐かずに食べられているそうです。

お気に入りの2階のお部屋でくつろいでいるはーちゃんをOさんがリビングまで連れてきてくれました。
少し緊張していますが、お話に協力的な気持ちが伝わってきます。

では、はーちゃんに今の気持ちを聞いていきましょう。

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岩 体調はどう?
は 何ともないよ。

はーちゃんは何ともないと言いましたが、軽い吐き気が伝わってきます。
でも、はーちゃんにとって吐き気は特別なことではなく何ともないうちに入るようです。
腫瘍の影響か体力が落ちているので、体のだるさと眠気もあります。日中は一人でお留守番のはーちゃんですが、この一人の時間がゆっくり休める大切な時間のようです。
はーちゃんは気遣い屋さんです。家族がお家にいると無意識に配慮してしまうので、朝晩の家族団らんの時間は腫瘍ができる前に比べて体力を消耗してしまうのです。でも、これがはーちゃんの生まれ持った性分。気遣い屋さんははーちゃんの良さだものね。

岩 病気についてはどう思ってる?
は そんなのどうでもいいよ。ぼくはここに居られたらいいんだ。逆に皆はぼくに何かしてほしいことないの?

はーちゃんらしい言葉です。家族みんなのために生きるはーちゃん。家族の幸せのためならぼくは何だってするよ、という気持ちが言葉の奥にこめられています。家族みんなの幸せが、はーちゃんの幸せなのね。

岩 家族に伝えたいことはある?
は ぼくに対して気を遣ってほしくない。病人扱いしないで。分かり合えてるから今更特別なことは必要ないよ。ぼくはね、皆が元気だったらそれでいいんだ。

はーちゃんは弟だけでなく家族全員のお兄ちゃんのような存在です。いつも皆を見守り優しく包み込み、家族の結束力を高められるよう個々に全体に心を配っています。大好きな家族だものね。

は ぼく、脚が衰えるかもしれない。その時は迷惑かけるかもしれない。

はーちゃんは申し訳なさそうにぽつりと言いました。
猫だけでなく動物たちはいつもこうです。家族や大切な人に迷惑をかけるのを最も嫌がります。
人間側からするとこれは迷惑ではなくお世話できる喜びでもあるのですが、猫たちは嫌がるのです。飼い主の幸せのために生きる猫らしい気持ちです。

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岩 Oさんが毎晩はーちゃんの癒しのためにしてるマッサージは気持ちいいか知りたいって。
は ふつう。

あら......。Oさんはこれを聞いて苦笑。なんとなく手応えないと感じていたそうです。

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岩 はーちゃんの好きなことも知りたいって。
は え!? なんで今更そんなこと聞くの?

はーちゃんは目をまん丸にして、「何言ってるの!?」とOさんと私を交互に見ました。
分かり合っている仲なのに今更どうして?びっくりするわ! という感じです。

は 普通が一番だよ。特別なことは必要ない。いつも一緒にいてくれてありがとう。

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このはーちゃんの言葉で、当たり前のようにある日常が、本当は奇跡のような幸せであると気づかされます。当たり前ということはなく、ただ繰り返される毎日でもない。その瞬間瞬間が特別なのです。
今を全力で生きるはーちゃんの尊い言葉です。
はーちゃん、動物と暮らす私たちへ宝物のような言葉をありがとう。

はーちゃんとOさん一家の気持ちは同じです。
今まで通りの毎日を過ごしたい。特別なことは必要ない。
そう、この毎日こそが特別なんだよね、はーちゃん。

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Oさん、はーちゃん、ありがとうございました。


Oさんより後日談をいただきました。

先日は我が家にお越しいただきありがとうございました。
はーちゃんには数日前から岩津さんの訪問のことを伝えていましたが、しっかり分かってくれていたんですね。
はーちゃんと出会って13年、飼い主としてはーちゃんを見守ってきたつもりですが、いつの頃からか見守られているのは私たちの方だと感じるようになっていました。
いつもそばにいて私たち家族を気にかけていてくれるようなはーちゃん。はーちゃんと過ごす中で、「ハートからかかわり合う」ということを教えてもらった気がします。猫というのは本当に愛の天使ですね。
そんなはーちゃんが余命宣告を受けてしまい、不安になりましたが、自分の体のことについてちゃんと理解していて、その上で「普通が一番」「特別なことはしなくていい」と思ってくれていることに本当に安堵しました。
これから、はーちゃんの体調の変化に応じてお医者さんにかかったりすることもあるかと思いますが、一番は普通の暮らし。はーちゃんと過ごす日々の暮らしを大事にしていこう。岩津さんから、はーちゃんの思いを伝えて頂いて、そう私自身の覚悟が定まったことが本当にありがたかったです。
それから、私がコミュニケーションが取れているか心配と言ったときの、岩津さんと顔を見合わせたはーちゃんの様子がとてもおかしかったです。ちゃんとコミュニケーション取れていると思ってくれていたんですね。はーちゃんの人格ならぬ猫格を大切にしようと努めてきたつもりなので、それが伝わっていてよかったです。
取材後に旦那が「はーちゃんってこんなに会話するコだったっけ?おしゃべりなのは知ってるけど、なんかすごく会話するよなあ!」って言っていました。たしかに、話しかけたら返事してくれるし、その返事のしかたも前よりいろんなトーンで答えてくれるので、はーちゃんの気持ちがよくわかるような気がします。
はーちゃんが好んでいると教えていただいた「ゼリー状の何か」は、何度か試してお気に入りのようだったウェットフードを一日一食取り入れるようにしました。吐き気があるので4回くらいに分けて与えていますが、それなら残すことなく食べてくれます。ご飯も変えてみたのですがたくさん食べてくれるようになりました。
吐く回数も少し減り、心なしか全体的にむっちりもっちりみっちり(笑) 元気そうにしてくれています。
涼しくなったのもあり、少し体がラクになったのかな。
これからも、一人(一猫?)の時間も大切にしてもらって、美味しいものを食べて、心地よく過ごしてもらえるようにしようと思います。
家族の結びつきも少し強まったように思います。はーちゃんを大事にする同盟...とでも言いましょうか。
はーちゃんがそれほどまでに家族を大事に想ってくれているのですから、それに応えたい...という気持ちが強くなりました。

岩津さん、来て頂いて、はーちゃんとお話していいただいて、本当にありがとうございました。
普通が一番。
当たり前の暮らしの中にあるたくさんの幸せをかみしめながら、これからも、はーちゃんとの暮らしを大切にしようと思います。
毎晩、私は息子を寝かしつけ、私ははーちゃんに寝かしつけてもらっています。幸せな日々です。

人も猫も肩の力を抜いて、リラックスして過ごせるように......。




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アニマルコミュニケーター岩津さんに聞く!

岩津 麻佳

2014年、ひょんなきっかけからアニマルコミュニケーターとしての活動を開始。落ち着いた語り口と外見からは裏腹に、動物たちのエピソードを時にユーモア交えて語ってくれます。

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みにゃさまのコメント

ハンサムはーちゃんはハートフルはーちゃんでもありますね。
そだね、普通が一番ね。
猫さんにとっては老いもいつか来る死も普通だもんね。
今が幸せだから、その幸せの日常が続けばそれでいいんだな。
普通でいられるって、やはり「有り難い」こと、特別なことなんですね、ありがとう、はーちゃん。

by 星のカケラ 2019-09-13 12:25

>星のカケラ様

ハートフルはーちゃん、まさにその通り!
動物たちはありがたいことを当たり前に知って生きていますね。

by 岩津 2019-09-13 14:53

岩津さんの“宝物のような言葉”の
“宝物”✨で、ふと思い出しましたニャ。
いつだったか、どなたかの記事のなかで
「猫は家族である以上に宝物である」
という名言を(^^)
だから、傷つけたくにゃいのだと。。。
はーちゃんは、たしかに
Oさんにとっての、かけがえのない宝物✨
でも、はーちゃんにとっても
Oさんは大事な大事な宝物だったのニャ~♥
こんなあったか~い
思いやりの気持ちを
ワタシもずぅっと
見失わないでいられたらニャ~(^・^)

by にあ 2019-09-16 00:59

こういう話は、なんだか泣けちゃいますね。
うちの猫とお別れするときのことを、考えたいような考えたくないような。
そのときは、最後まで仲良しで暮らしたいです。

by A 2019-09-16 02:33

>にあ様
すてきな言葉ですね!
想い合う宝のようなご家族。日本の宝です^^

by 岩津 2019-09-16 10:59

>A様
旅立ちの時に、ありがとう。行ってらっしゃい。またね!と笑顔で見送りできるよう、仲良く日々を大切に暮らしたいですね♪

by 岩津 2019-09-16 11:00