[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

みにゃさま、こんにちは。
今回は、訪問アニマルコミュニケーションにご応募くださったMさんのお宅に行ってまいりました。
いただいたご相談はこちらです。

私の猫は4匹、娘の猫は2匹。その中でも私の猫、女の子9歳の思いを知りたいです。
彼女は私のベッドに上がり、おしっこをします。必ずしに来ます。寂しいのか理由がわかりません。また、彼女の弟の同じく9歳の腎臓病の男の子。どうしてほしいとかあるのかな？ とにかくど偏食で、なかなか食べてくれないので、要求があれば知りたい。よろしくお願いいたします。

まずは猫さんのご紹介です。


こちらがおしっこをするちゃぺちゃん９歳。
多頭崩壊現場よりレスキューされMさんのお宅に来ました。
７年前からお布団や眠っているMさんの体におしっこをするようになったそうです。



腎臓病で偏食のくりくん９歳。
ちゃぺちゃんの弟です。
２年前の抜歯時の麻酔をきっかけに腎臓が悪くなり、ご飯が食べられず吐くようになりました。
腎臓と体調は徐々に良くなっており、現在週に１度の点滴に通っています。姉であるちゃぺちゃんも麻酔をきっかけに腎臓が悪くなったので、遺伝か体質か？ とMさんは言われます。



とっとくん１歳。
なぜか、くりくんが突っかかる相手。１年前に娘さんが保護猫カフェで一目惚れ。猫風邪はありますが至って元気です。


３匹の他に、取材時には隠れていて会えなかった１１歳のまりちゃん、Mさんがお散歩中に抱きついてきて離れず、抱っこしたまま動物病院に行きそのままお迎えしたもっくん７歳、そして明石の魚の棚で保護したあずきくんの総勢６匹が一緒に暮らしています。
猫の他にも亀、蛇、トカゲが大勢暮らす生き物を愛するMさん一家です。



もっくん７歳。


私たちがリビングに通されると、まずはとっとくんがすりすりゴロゴロ大歓迎。
それに続いて、くりくんともっくんも寄ってきて歓迎してくれました。ちゃぺちゃんとあずきくんは冷蔵庫の上にいましたが程なくしてちゃぺちゃんは降りてきて、私たちの話をしっかり聞いていました。
あずきくんもお耳だけはこちらを向いて話を聞いています。
くりくんは「かっこいい！」と言いながら、カメラを向けると決め顔でポーズを取ってくれる程、友好的で積極的。すっかり距離も縮まったので、くりくんにお話を聞いてみるとしましょう。




岩　体調はどう？

く　悪くないよ。

悪くはないとくりくんは言いましたが、時々胃がきゅっと縮まるような感覚が伝わってきました。痛みというよりは強い収縮です。
週に一度の通院時、マンション中に響き渡るような大声で叫ぶくりくん。通院を理解してほしいとMさんは言われます。

岩　病院に行くことを理解してほしいって言われてるよ？

く　まっぴらごめんだね。でも行かなきゃいけないのは分かってる。腎臓良くないのも知ってる。

「分かっていてくれてるなら良かった、安心しました。」とMさん。

岩　食べ物に好き嫌いがあるらしいけどどんな食べ物が好き？

く　噛めば噛むほど味が出るもの。

これをMさんにお伝えすると、くりくんはカリカリを噛んで噛んでぺっと吐き出すことがあるそうです。味がなくなると出していたんですね。

岩　お部屋のレイアウトで希望はある？

く　天井まであるスロープ。

大昔の出雲大社のような急な傾斜のスロープがイメージで伝わってきました。これをMさんにお伝えすると、「よっしゃ！ がんばるでえ！」と！




Mさんのお宅は動物家族を最優先に考えた内装とレイアウトです。床を白に選んだのは猫が吐いた際に内容物や色をチェックできるように、物を少なくしたのは今後猫たちが年を重ねていった時にそれに合わせて動きやすいレイアウトに変えられるように。そして猫ではありませんが、亀さんたちの水替え用の水道も作られたんですよ。うちにも亀がいるので毎日の水替えの大変さがよくわかります......。




岩　とっとくんをいじめるらしいけどなんで？

く　男らしくないから。あいつは猫じゃないね。

猫じゃない！ 厳しいお言葉！
男らしいくりくんは猫としての誇りが高く、男はこうあるべきという確固たる思いがあり、おっとりしているとっとくんを見ていると「情けない......。」と苛立つこともあり、もっとしっかりしろよ！ と叱咤の意味も込め突っかかっているのです。

Mさんによると、くりくんは昭和の男なのだそう。見ていると確かにそんな感じがします。


では叱咤されているとっとくんにもお話を聞いてみましょう。
とっとくんは食べることが大好きなのですが、まるでおやつを食べるようにトイレの砂をおいしそうに食べるとか。

「美味しくないけど何にもないよりはまし。口に何か入ってると落ち着くの。僕ね、赤ちゃんみたいにずっと寝ててずっと食べてたいの。」と、とっとくんは言います。



お顔を見るとお分かりかと思いますが、甘えん坊で寂しがりやのとっとくん。
寂しい甘えたい気持ちが高まると何かを口に入れています。口にしていると落ち着くのです。
人間の子供がおしゃぶりを止められないような感覚です。
いつまでも赤ちゃんのようにママに大切にされていたいとっとくん。ママに抱かれママと眠る日々を一生送りたい、これがとっとくんの幸せです。
砂を食べる対策は気持ちを満たすことです。甘えんぼさんなので寂しがることが多いのですが、その気持ちわかってるよと理解していることを伝えた上で接すると、わかってくれているという安心感が生まれます。
その上で、今もされているとは思いますがかわいい愛し子のように接し、触れ合い寄り添う。
そして、どんなに大切にどんなに愛しく思っているかを伝え、言葉と行動の両方で愛情を表すことが必要です。

強さと男気のザ・男のくりくんとは別世界、お花と妖精とかわいいもので溢れるメルヘンワールドに住んでいるようなとっとくん。

「自分の思いや考えを他人に強いるのは違うんじゃない？」とくりくんに伝えると、スルーされました......。




では最後にちゃぺちゃんとお話です。
率直に、なんでMさんにおしっこをするのか聞いてみました。

ち　喜んでくれるからしてるの。

岩　え？ お母さん喜んでるの？

ち　うん。

Mさんに確かめると、ストレスのせいかと思っていたので申訳ないと思い決して叱ることはせず、
「いつもきれいなお布団で寝かせてくれてありがとう。」と言っていたそうです。

そしてちゃぺちゃんは続けて言いました。
「おしっこはお母さんと私だけの絆。二人だけの絆なの。」

とても言い辛かったのですが本当は困っておられることを伝えると、「じゃあどうしたらいいの？」とちゃぺちゃん。
「おしっこに代わる二人だけの絆をお母さんと一緒に探すのはどう？」と提案し、Mさんにもその場でちゃぺちゃんに言ってもらいました。



「一緒に絆を探そう。一緒にトイレに入る？ トイレは二人だけの空間、時間だよ。おしっこに代わる絆、お母さんと一緒に探そうよ、ね。」
ちゃぺちゃんはまっすぐMさんの目を見て聞いています。



6猫6様の猫さんたち。みんな違ってみんないい。個性豊かで愛すべき猫さんと人で成り立つ素敵なご家族です。
取材からひと月経ちましたが、ちゃぺちゃん、新しい絆見つかったかな。
Mさん、ありがとうございました。


後日、Mさまよりメールを頂きました。

あれからの猫たちの変化をお伝えします。
くりはとっとをあまり叱らなくなり、たまに唸りますが、ずいぶん平和になりました。くりの病院にはくりの行きたくない気持ちを伝え、少し頻度を減らせないか相談しましたが、まだそこは難しいみたいです。でも、わかっているからこそできる事はあるはずと思います。
とっとは相変わらずトイレの砂を食べますが、娘は彼を「赤ちゃん」と呼ぶのをやめました。そして、とっととくりの関係性については、サンリオキャラクターと時代劇の人物くらい相容れないものだと（笑）。納得の表現です。

ちゃぺさんとの絆については、トイレに一緒に入ったり、2人の合言葉を考えて提案したりと色々試しました。ちゃぺさんは、あれから2回しかおしっこを垂れていなくて、バツの悪そうな顔を初めてしましたが、「一緒に寝よう、2人のベッドだよ。」と誘い、一緒にベッドに入る事を決めてからのここ2週間は、おしっこは垂れていません。合言葉については考えてくれているように思うので、大好きを伝える意味でもこれからも提案していき、ちゃぺさんが気に入ったものを採用したいと思っています。
最後に、もっちゃんは、あの日散々甘えられたせいか、私たちにも話をしたそうにするようになりました。なので、これから色々話をしていきたいと思います。

先日、いらしていただいた事で、たくさんの「気づき」がありました。これからのにゃん生を幸せと思ってもらえるよう、そして、私たちもこの子たちと出会えて幸せである事を抱きしめられるよう、日々を大切に生きていきたいと思います。ありがとうございました。

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