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[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

岩津さんに聞く!

2014年08月18日

「アニマルコミュニケーター 岩津さんに聞いてみよう」 ~里子に出す時の巻~

みにゃさま、こんにちは。 「アニマルコミュニケーター 岩津さんに聞いてみよう」の第4回は、岩津さんが以前フェリシモで開催された「保護猫の譲渡会」に来られたときのエピソードをご紹介します。

猫好きさんならもしかすると、猫さんを拾ったり、そのあと誰かに譲ったりということもあるかもしれません。そんなときの心構えはどうすべきなのか、ご参考にしてください。


譲渡会が始まる前に、一匹ずつあいさつをするのですが、笑顔であいさつを返してくれる猫ちゃんはまずいません。皆、一様に緊張と不安でいっぱいになっています。

シルバーの柔らかく美しい毛を持つ1匹の子がいました。背を向けてたのですが、あいさつをするとくるっとこちらを向き、「なんでぼくはここにいるんですか?」と私の目をまっすぐ見て聞いてきました。事情を話すと、みるみる哀しみと悔しさでいっぱいの目に変わりました。話し終えても返事はありません。

写真 (4).jpg

口を開くと涙も感情もこぼれるので、きゅっと口を結び我慢しています。しばらく私を見ていましたが、覚悟を決めたかのように、再びくるっと背を向けてしまいました。どうやら、保護主さんには事情を聞かされていなかったようです。

ここで少し譲渡会について補足しておきます。譲渡会に参加する保護主さんは、捨てられて路上をさまよう子や路上で生まれた子、殺処分寸前の猫さんたちを引き取って育てます。そして、もっとしあわせな環境(家庭)で暮らせるようにと譲渡会に連れてこられます。もしもらい手が決まった場合、引き渡す側もかなりつらい別れとなります。

これは命を救う崇高な行為であり、猫たちの幸せを願った純粋な善意です。ただ、それが当の猫たちには伝えられてないことが多いので、なぜ会場に急に連れて来られるのか分からないのです。

今まで愛情を持って育ててくれた分、外に出されるとなると悲しくなる猫ちゃんたちがほとんどです。これはある意味、仕方ないことなのですが理由も分からず出されるのと、きちんと説明を受けたのとでは心の負担が違います。

ほかにも同じ質問をする男の子がいました。この子も先ほどの子と同じように、私から目を離しません。なぜここにいるのか事情を話したのですが、「なんで今のおうちにいちゃいけないの?」と聞きます。理由を伝えると、次は「なんでお外で暮らしちゃいけないの?」とすぐに聞き返します。考えられる限りの理由を伝えますが、納得がいかないようで、シルバーの子と同じように、哀しみと悔しさでいっぱいの目で私を見つめます。

ほとんどの子は哀しいながらも諦めたり、受け入れますが、このように次々と質問されることは初めてでした。この子が納得できるような説明は見つかりませんでしたが、このままだと逃げるような形になるので、彼のそばに戻り、
「私たちは、あなた達のためを思ってこういう活動をしてるの。でも、あなたが納得できないのはわかってる。あなたの願うようにできなくてごめんなさい。」と謝るのが精一杯でした。
保護主さんのことが好きでたまらないのかもしれません。

IMG_50.jpg

保護主さん達にお願いしたいのは、連れてくる前になぜ譲渡会に連れて行かなければならないかをきちんと猫ちゃんたちに伝えてほしいということです。たとえ猫ちゃんたちが納得できない理由であっても、愛情を持って育ててくれた親が伝えるのと、初めて会った私から聞くのとは受け取り方がまったく違います。

誤解してしまうと、一度離れてしまった心の距離を縮めるのは大変ですし、何より愛する我が子にそんな哀しい思いをさせたくはありませんよね。
ある保護主さんは私のこのブログも読んでくれていて、日ごろから猫ちゃんたちに積極的に声をかけ、譲渡会に行くことも前もって伝えていたので、猫ちゃん自身覚悟を決めている様子でした。

日常生活においても猫ちゃんに言葉で伝えることは大切ですが、里子に出すようなデリケートな場合は特に、じっくり愛情を持って伝えることが大切です。たとえ納得できずとも、愛は伝わります。覚悟にも繋がります。そしてその愛情は一生猫ちゃんたちの心に残ります。


写真

アニマルコミュニケーター岩津さんに聞く!

岩津 麻佳

2014年、ひょんなきっかけからアニマルコミュニケーターとしての活動を開始。落ち着いた語り口と外見からは裏腹に、動物たちのエピソードを時にユーモア交えて語ってくれます。

HP

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みにゃさまのコメント

なるほど・・・・・

by そが さねあき 2014-08-18 13:27

うちに今、一緒に暮らしている子猫も捨てられていて保護されていた方から譲ってもらった子です。
たった生後2カ月くらいの間に住む場所とお世話してくれる人が少なくとも3回は変わってるはず。不安な気持ちあるのかなぁ。
これからは、ずっとずっと一緒だし大好きって言葉で伝えてあげようと思います。
毎回、岩津さんのお話しにはっ!とさせられます。
前回のコメントのお返事、嬉しかったです。
ありがとうございます。

by よーこ 2014-08-18 17:28

私の家にも、先日譲渡会から新しい家族がやってきました。

我が家には他にも2匹ネコがいますが、新入りちゃんは今までの子達とは少し様子が違っているように感じます。
横からなら大丈夫なのに、上から手を伸ばすと怯えたり、抱き上げようとすると恐怖からか失禁したりします。小屋の中なら撫でても平気なのに、小屋を出た途端逃げるような様子も気になります。

どういった経緯で保護されたのかは分かりませんが、なにか辛いことがあったのかなと思います。ですが、私には知るすべがありません。今回の記事を読み、保護主さんから引き離された寂しさもあるのかなと感じました。

直ぐには難しいかもしれませんが、いっぱい話しかけて笑いかけて少しずつゆっくり仲良くなっていこうと思います。いつか新入りちゃんにとって我が家が居心地のいい場所になってくれたら嬉しいです。

by as 2014-08-18 19:52

岩津さんのブログを読む度に心が動きます。目頭が熱くなります。
私のところに7歳になる猫がいますが、彼女が1歳半頃に避妊手術をしました。その後からです、知らない人に大して唸るようになったのは。
怖かったでしょうし、深く深く傷ついてしまったのでしょう。置いてきたとき、私にすがった彼女の顔を今も憶えています。
事情があったとはいえ、ちゃんと説明すれば良かったんだと岩津さんのブログを読んで、あの時のことを反省しました。
今更ですが、あの時のことを話しています。許してねと謝っています。
あきらめず、許してもらえなくても、愛情を伝えてこれからも話していこうと思いました。

岩津さんも譲渡会の猫ちゃんたちに伝えていってください。そして猫ちゃんたちが新しい場所でゆったりと暮らしていかれるようにと願います。

これからも猫ちゃんたちとのやりとりを伝えて下さい。

by ぐり 2014-08-18 20:52

>そが さねあき 様
ただただ、愛をもって伝えること。です。

by 岩津 2014-08-18 20:53

> よーこ 様
子猫ちゃん、不安だと思います。不安な気持ちのお薬は「愛情」しかありません。
根気よく、毎日温かく寄り添ってあげてくださいね。

by 岩津 2014-08-18 20:57

>as 様
新入りちゃんは、怖い思いをしたのだと思います。
ゆっくり、笑顔で寄り添ってあげてください。
「いつも側にいて笑ってくれてる」温かい人間のお母さん。と必ず、思ってくれます。

by 岩津 2014-08-18 21:04

>ぐり 様
思い出す度に、ぐりさんはお辛いですね。
遅くなんかありませんよ。こんなに思っておられるのですから。
猫ちゃんはぐりさんの気持ちを受け止めているはずです。
私もぐりさんと同じように、すべての猫ちゃんが新しい家族と一緒に、豊かな一生を送れることを願っています

by 岩津 2014-08-18 21:19

猫ちゃんも、人間と全く同じ感情の動きを持っているのですね・・・。切ないです。

通勤途中に、2匹のメスの親子の、白猫ちゃんと白黒のハチワレちゃんが居ます。
その2匹は、2年くらい前にアパートで中年の御夫婦に飼われていたのですが
飼い主さんが引っ越し、次の家では飼えなかったのか、その地に置いて行かれたらしいのです。
でもその飼い主さんは、今でも御飯の世話をしに、毎日2匹の元へ来てくれている様です。
とても人懐っこく、可愛らしい2匹なので、アパートに住むおじさんの家で
お風呂に入れてもらったり、雨や雪の日は、アパートに住むおばさんや、他の女性の家に
入れてもらったり、お昼寝をさせてもらったりしていて、結構、何人もの人から
お世話もして貰っているようです。
私が仕事帰りにその道を通ると、たまに「にゃ~~~~!!」と後ろから私を見つけて
駆け寄って来ることがあり、しばらく駐車場にしゃがんで撫でてあげたり、腰ポンポンをしてあげたり
ただ一緒に、30分位座っているだけの事もあります。
それで帰ろうとすると必ず、「にゃ~~~!!」と言って後追いしてきたりするのですが
もっと一緒にいたいだけなのか、それとも私の家で飼われたいと思っているのか、
どういう気持ちなのかが知りたいんです。
私の他にもこれだけ可愛がっている方達が居るので(他にもおやつをあげる人もいるようですし、
通りすがりの人からも、可愛がられています。)今のままでも結構、幸せだと思っているのか?
それとも誰かにちゃんとお家で飼って欲しいと思っているのか・・・2匹の本当の気持ちが
わかってあげられるといいんだけれども・・・と、いつも思っています。(-_-;)

by 紅お蝶 2014-08-18 22:18

すみません

話しかけはよくしています。「今日も暑いね~。大丈夫?」とか、「今日は風が吹いてて涼しくて良かったね。」とか「可愛い、可愛い♪」など。
あと、「本当は飼ってあげたいんだけど、うちはお母さん(母)が駄目って言うからさぁ~・・・。
私は飼ってあげたいんだけどね・・・。とか、母猫の方に話したことがあります。
それから後追いしてきた時に「うちの子になりたいの?」と聞いてみたら
特に何も返事はしませんでした。

それと別れる時に、心の中で(振り向いたらいけない。このまま振り向かないで帰るんだ!)と
半ば心を鬼にしている時もありますので、それも伝わっているのかな・・・と思いました。

by 紅お蝶 2014-08-18 22:50

>紅お蝶 様
よくよく事情を理解している猫さんは多く、猫親子さんは人間の事情を分かっているのかもしれませんね。
元の飼い主さんのこと、紅お蝶さんのこと、ご近所のみなさんのこと。
地域で大切にしてもらえるって、幸せなことですね(=^・^=)

by 岩津 2014-08-19 19:05

猫も人の言葉がわかるんですね…
我が家では2匹の猫(+うさぎ1匹)を飼っていて、1匹は生後3週間くらいで、兄弟猫4匹と一緒に捨てられていたのを拾いました。親猫と早く離されたからか神経質で、8才になった今も突然噛みついてくることがあります。もう1匹は元野良で、生後一ヶ月半くらいで兄弟猫2匹と一緒に、自分から我が家の庭に来ました。この子は優しくて人懐っこいです。
猫によって性格が違うことを理解しつつ、それぞれにたくさん話しかけてあげようと、改めて思いました。

by まゆ@ 猫 2014-08-20 15:02

>まゆ@ 猫 様
猫さんたちは、「人間語は僕たちに通じないと思ってる」と思っているようですよ。
目を見て、いっぱい話しかけてあげてくださいね。

by 岩津 2014-08-21 08:59

はじめまして。
猫たちも、だいぶ話が分かっているのだな、と思うこともたくさんあるのですが、
どうも、どうしても伝わっていないことがあるような気がして困っています。

うちには6匹の猫がいます。
元野良ちゃんとその子猫たちです。
(子猫たちは生まれてすぐ保護できましたが、母猫の方は2歳過ぎまで野良暮らしでした。)

3回の出産があったので、子猫は合計で12匹。
(うち1匹は生後間もなく亡くなりましたが、11匹は育ちました。)
さすがにすべての子猫を育てることができなかったので、6匹を里子に出しました。

兄弟猫が次々に連れて行かれたのは、どうも恐怖だったらしいのです。
自分たちも連れて行かれると思っているみたいで、
6歳を過ぎた今になっても、未だにお客様を怖がって隠れます。
(パニックを起こす子もいます。)

折に触れて、「どこにもやらない。あなたたちはずっとうちの子だ」
と話しかけてはいるのですが、どうも伝わっていない気がします。
(それとも、伝わってはいるけれど、その場になると恐怖が勝るのでしょうか…。)

もっと歳をとってくれば落ち着くのか、それともこのままなのか…。
私に何かあったら、この子たちがどうなるのかがとても不安です。
もう少し、私以外の人間にも慣れてくれればいいと思うのですが…。
何か方法は無いものかと困っています。

by 名無し 2014-08-27 16:25

すみません。
上のコメントをしたものですが、名前が消えてしまっていました。

申し訳ありません。

by mana 2014-08-27 16:27

>mana 様
こんにちは。
伝わってはいても、反射的に恐怖への反応が出てしまったり、思い出すことはあります。
その場合は、恐怖を感じている時にお話することが大切です。
時間がかかる子もいれば、すぐに安心する子もいて、十猫十色です。
特に怖い思いは時間がかかる場合があるので、時間を掛けて伝えてあげて下さいね。

by 岩津 2014-08-28 14:19

ありがとうございます。
「恐怖を感じている時に」なんですね。
今まではなかなかその時には時間をとってあげられませんでした。
その場で伝えて安心させたいと思います。
時間はかかりそうな気はしますが、もともとは素直な性質の子たちなので、がんばります。

by mana 2014-08-30 01:34

> mana 様
家族なので、みんなで一緒に幸せに!
お祈りしています。

by 岩津 2014-09-01 17:12

なんだか切ない…。
譲渡会に来る猫ちゃんたち、理由が分からないから怖がって隠れちゃうのかな?
譲渡会の直前だけじゃなくて、普段から説明してあげるのも大切なのかな。
もしかして、先住猫がいるおうちで新しく猫ちゃんを迎える時も、おんなじ?
先住猫に前もってお話ししておいたら、新入り猫ちゃんを受け入れやすくなるのかな?
もし、そんなお話があったら、聞かせてほしいです。

by ただの猫好き 2014-09-04 15:38

>ただの猫好き 様
譲渡会に参加する直前だけでなく、じっくりお話ができる時に目を見て伝えてあげて欲しいです。
先住猫さんが、話をしてもらえなかったとショックを受けたケースもありました。
今後のブログで掲載する予定ですので、ご覧になってくださいね。

by 岩津 2014-09-07 19:24

岩津さんのこのコーナー、今日初めて拝見しました。私の元には3歳になる猫がいます。猫好きではなかった私が、どうしても見過ごすことのできなかった猫(元のらちゃん)です。初めて出会った日からすぐに私に心を開き、一日も欠かさずご飯をあげました。私はその子と過ごすために親元を離れ、一人暮らしを始め半ばあきらめていた就職試験に合格し仕事を得ることができました。
この猫のおかげかもしれません。
ですが、転勤族で出張もあります。一人暮らしのため、私が仕事に出ている間は一人きり。
帰ってきても遊んであげる余裕もなく、一緒に寝るくらいしかコミュニケートできていません。
人が大好きで甘えん坊な猫で、最近知人が「トトちゃん欲しい」と言ってくれる人もでてきました。
猫と出会った日から里親がいれば譲りたいと考えていました。
もっと小さければ迷わずかわいがってくださる里親さんにお譲りするのですが、最近では
人が来ると隠れるような人見知りが出てきています。
やっぱりこの子は私がずっと見たほうがいいのかな?私もこの子がいないと辛いよなあとか
色々と考えます。
岩津さんの取材や猫ちゃんたちとのやり取りを見て、私の都合で、私一人の考えで里親なんて
いうのも勝手なことだなあと反省しました。
トトが望むなら、一人暮らしではない里親さんのところにお譲りしてと思ったりもしたのですが、
正直、一人暮らしで転勤や長い出張のたびにトトがかわいそうとか言いながら、自分のことばかり考えている私がいました。
まとまりませんが、とても感動して反省したのでコメントさせていただきました。。
ありがとうございました。

by toto 2015-02-14 14:24

>toto 様
トトちゃんは totoさんのりっぱな家族ですね。
いつまでもお幸せに(=^・^=)

by 岩津 2015-02-22 14:00

222(にゃんにゃんにゃん)の猫の日にお返事いただきありがとうございます(>_<)
ライオンのクリスチャンの動画も拝見しました。
久しぶりに感動&号泣でした。

岩津様、世界中の愛すべき動物たちのためにご活躍をお祈りしています。

by toto 2015-02-22 19:53

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by  マサコ 2020-10-03 21:49