[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

窓際のキャットタワーの上で仲良くひなたぼっこをしているおふたりさん。
おっぽくん（推定１歳半のオス）とゆずちゃん（推定４か月のメス）です。



ゆずちゃんは９月に、この家にやってきたばかり。
近くの公園で子猫の鳴き声がするので、このおうちのお母さんの宏枝さんが探しに行ったところ、土穴のような窪みに三毛の痩せた子猫がいました。
「出ておいで～」と呼ぶと、子猫はすぐに出てきました。
捨てられて鳴き続けていたのか、どんなに不安でひもじかったことでしょう。



連れ帰ってもらった子猫は、先住猫のおっぽちゃんがいたため、最初は別室でのケージ暮らしでしたが、数日後フリーに。
すると、なんと、オス猫のおっぽちゃんが、まるで母猫のように、毛づくろいしてやったり遊んでやったりと、かいがいしく面倒を見始めたのです。
ゆずと名づけられた子猫は、おっぽママの庇護のもと、みるみる愛らしいやんちゃ娘に。



そのおっぽちゃんも、１年前に、ゆずちゃんと同じくらいの月齢でこの家にやってきた子でした。
生まれて間もなく、埼玉県J市の土手にきょうだい３匹で捨てられていたのです。
市内の方が保護し、里親を募集。おっぽちゃんはちょっと離れたこの町にもらわれてきたのでした。
Ｊ市は、そのあと、大水害に見舞われて、川も氾濫しましたから、おっぽくんがノラのままでいたら生きのびられたかどうか。



おっぽくん、やってきたときは、ごく普通のキジトラっぽかったのですが、だんだん変身し、いまは立派な長毛さんです。たぶん、洋猫種のメインクーンあたりが入っているのではないでしょうか。

おっぽくんは温和、ゆずちゃんはやんちゃ。洋猫と日本猫。見た目も性格もまるで違う捨て猫同士ですが、縁あって巡り合い、ときに親子のように、ときに兄妹のように寄り添って暮らしています。



おやつを並んで食べると、ゆずちゃんの方が食べ終わるのが早くて、おっぽくんは食べ終わらない分を横取りされちゃうことも。



宏枝さんがリボンなどを振って遊ばせると、おっぽちゃんは自分も遊びたいのに、ゆずちゃんにそっと譲ります。
夜は押入れの中の毛布の上で、くっつきあって眠るそうです。

猫を飼うのは初めてというお宅ですが、もう独立して家を出た２人の息子さんも、実家に帰ってきて猫と戯れるのをそれは楽しみにしているのだとか。
「ゆずは、わが家にとっては初めての女の子。もう主人がメロメロになってます」と、宏枝さん。

でも、ゆずちゃんがいちばん好きなのは、やっぱり、おっぽお母さん！



つい最近も、自宅マンション前の自販機の下で、子猫の鳴き声が聞こえたため、３匹を保護し、里親を見つけたばかりの宏枝さん。
他の人には聞こえないような、捨て猫の救いを求める声が耳に届く、猫に選ばれし人のようです。

「猫のいる生活は初めてですが、夫婦２人だけの暮らしになったときに２匹がやってきてくれて、会話も増えてうれしい。とにかく２匹の仲良しぶりを見てるだけで飽きません。捨て猫の声が聞こえてしまうので、わが家に３匹目がやってくるのも遠くないとみんなに予言されているんですよ～」と、宏枝さんは笑います。
おっぽくん、ゆずちゃん、素敵なおうちで家族になってよかったね！　いつまでも仲よくね。