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[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

猫又トリップ

2018年07月18日

生命力あふれるご長寿猫の話。23歳でも元気の秘訣は?

頬が腫れて化膿し、皮膚に穴が開く一歩手前の状況になった原因は歯肉炎でした。抜歯するためには麻酔が必須ですが、22歳のコタ(虎太郎)にその体力があるかどうかは疑問だったのです。

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誰だ?

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逃げろ!


「まさか22歳で手術が受けられるとは......。」
そう語ってくれたのは飼い主の荒田起久子さん。なんと手術は無事に成功し、傷も癒え、昨年から約束していた取材をこの日ようやく迎えることができました。生命力の強いコタは、苦難を乗り越え23歳になったのです!

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コタは工場で拾われた猫。5匹いた中、唯一生き残ったというから生命力は強かったんだなぁ。



驚きの生命力はどこから?


高齢でも全身麻酔を要する手術に踏みきったのは、コタの心臓が強く、食欲や体力もあったからです。また、血液検査の結果から大丈夫だろうと判断した獣医の見解も決め手になりました。もちろん、リスクが全く無い訳ではありません。これが最期になるかもしれないという覚悟が必要なのは承知の上でした。

元々、荒田家には5匹の猫がいたのですが、コタと同じ歳だった4匹の猫たちはすでに天国へと続く虹の橋を渡っていきました。荒田家に残された最後の猫コタは、まるで兄弟の分まで背負っているかのように、ひと際長く生きている猫なのです。
(ちなみに連載での最高齢は24歳。23歳は2匹目で23歳以上の登場の割合は全体の0.03%です。)

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すごい目力だ!まだ目も耳も大丈夫。

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大好きな起久子さんと。




理想のスタイル


高齢になって接客が塩対応になったというところもなんとも愛おしく感じるコタは、エアコンが苦手なのでいつも洋服を着ています。そして、紙オムツは昨年の秋頃から開始。元々粗相をすることが多く、気に入らないことがあるとトイレではない場所でやってしまうコタ。
「今までにどれだけ布団をダメにしたことか......。」
と、これまでの苦労を起久子さんは振り返ります。昨年あたりから、コタはとうとうトイレに行くことすら辞めてしまったのです。用意したペットシーツも問題解決にはなりませんでした。そこで、起久子さんは悩んだあげくオムツを導入する決心をしたのです。
元気とは言え、さすがのコタも腎臓機能の低下は避けられず、多飲多尿のためオムツ交換は1日5〜6回必要でした。ご主人はだいたい仕事で日中不在。でも、起久子さんはご自宅でのデザインの仕事を主としているので、大変なオムツ交換にも対応可能だったのです。猫と人間が互いに無理なく過ごせる空間を目指し、どんな状況でも共に歩み寄り楽しく生きていく!そんな理想のライフスタイルが取材を通して伝わってくるのでした。

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後脚が弱くなりましたが、まだまだよちよち歩きます。

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猫用オムツで颯爽と!

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尻尾を出すときだけ少し暴れるらしい。

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コタのプライド?オムツなしで格好良く撮れ!とリクエストあり。




コタと黒猫たちの違い


実は、結婚を機に猫5匹の大所帯になったという荒田家。奥様の起久子さんの方が猫好きかと思いきや、コタ以外の4匹の黒猫はご主人の連れ子だったそうです。
そして、コタと同じ歳だったという黒猫たちは15歳〜19歳まで、それぞれが幸せに猫生を全うしました。気になるコタと黒猫たちの違いを探してもらうと、黒猫はみんなウエットフードで育ち、コタはドライフードで育ったということでした。また黒猫たちの晩年は歯が悪いことがとくに目立ったそうです。腎臓病からの起因もあるようですが、「歯」のチェックは人間と同様に健康へと繋がります。おざなりにはできませんね。歯磨きの重要性をあらためて感じました。



食欲は生きる礎


22歳の大手術の後、コタはなんと半日の入院だけで家に戻りました。原因は、コタの病院嫌い!ストレスは最大の敵ということで、動物病院も早期の自宅療養を許してくれました。退院してから現在まで続いている薬(抗生物質)も、なくなればご主人だけが取りに行く方式だそうです。
自宅では食欲は相変わらず旺盛で、朝晩のウエットフードもペロリと完食。ドライフードとスティックタイプのおやつも併用し、その時に好きなものを試しながら与えているのは、もはやご長寿猫あるあるですね。
そんなコタの現在の体重は3.2kg!まさに「食」への執着が生きる礎となっています。
「すごいよ、コタさん!目指せ、最高齢!」思わずそう叫びたくなりました。
また来年、24歳になった元気な姿を見せてくださいね!

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おやつタイムでーす。

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ウマウマ。

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ネムネム。

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コタさん、どうかそのままで。




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猫又トリップライター紹介

ケニア・ドイ

1972年兵庫県生まれ。ほとんど犬猫カメラマン。著者に「ぽちゃ猫ワンダー」(河出書房新社)、「じゃまねこ」(マイナビ出版)がある。新刊「ご長寿猫がくれたしあわせな日々~28の奇跡の物語~」祥伝社より絶賛発売中。現在、黒背景で行うペット撮影会「ドイブラック」を全国で展開中。

http://kenyadoi.com

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カテゴリ: 猫又トリップ
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みにゃさまのコメント

コタさん、おむつはしていてもしっかり家のパトロール欠かしませんね。クロさんたちの分まで
23才を超え、最高齢めざしてほしいものです。眼をつぶったお顔はもう仙人のごとく、達観しておられます~~。

by あずにゃん 2018-07-18 11:40

コタさんの目ヂカラに、吸い込まれそう
(o^^o)。
お顔の毛もふわふわ。

by きゅう 2018-07-18 15:41

あずにゃんさん
運動運動、長生きの秘訣はあちこちでする粗相だったりして

by ケニア・ドイ 2018-07-18 17:35

きゅうさん
あの目から強い意志を感じます。

by ケニア・ドイ 2018-07-18 17:37

コタさん、なにもかもわかっているような目をしていますね。うちのコもオムツになってもいいから長生きしてほしいです…。

by ふう 2018-07-18 21:02

オーラが往年の名優さんのようですね。ダンディでカッコいい。4歳のうちのコも、長生きして欲しいです。

by よえちゃん 2018-07-19 01:10

文章を見いってしまいました。うちの19歳の子も先週歯周炎で手術しました。全身麻酔をするのでとても心配でしたが無事終わりました。そしてうちも最初5匹いて、4匹のお兄ちゃんお姉ちゃんは虹の橋を渡ってしまいました、今最後に来た5匹目がこの19歳の子です。1日でも長生き出来ることを願っています。

by リオ 2018-07-19 03:55

ふうさん
オムツ交換は1日5〜6回。うんぴーのときは洗ってあげて。人間の赤ちゃんと一緒だーって思いました。
(育てたことないけど…。)

by ケニア・ドイ 2018-07-19 09:37

リオさん
19歳で全身麻酔!すごい!頭数まで一緒で重なることも多かったのではないでしょうか?
強い体をお持ちなんですね!ずっとずっと!

by ケニア・ドイ 2018-07-19 09:40

よえちゃん
そう!クリントイーストウッド級の俳優さんでした。
4歳でも歯だけは時々見てあげましょうねー。

by ケニア・ドイ 2018-07-19 09:44

我が家のミュンも23歳を目指しています。
昨年の夏背中に傷を負い、化膿して10日ほとど少量の水だけで乗り切りました。
獣医さんから麻酔をかけたら命の保証はないと言われ、麻酔なしで治療しました。
一旦元気になった後、同じ場所が再び化膿し、剃毛していて薬が塗りやすかったので病院に行かないで直しました。何しろ病院嫌いが半端ない。階段も窓開けもOK。トイレめ食欲も問題なし。7月の23歳の誕生日を目指しています。

by えこ 2019-03-16 17:09