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[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

猫又トリップ

2017年07月19日

心地よい室温を探して

「うちは365日エアコンをかけています」
なぜご長寿か?という私の問いのヒントがそこにありました。
365日猫快適温度!を目指す、中村仁美さんちの猫生活とは?

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いらっしゃーい。



人生の転機


お客をもてなすことが大好きな猫、「まろ」は16歳の男の子。初見でスコティッシュ・フォールドのようにみえましたが、「雑種です」とのこと。正確に言えば、わからないのが本当で、それはまろが公園で遺棄された猫だったからです。

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まろを含む4きょうだいは公園の段ボールにいたところを、中村さんが働いていた出版社の同僚に保護されました。他のきょうだいは次々譲渡が決まり新しい家族の元へ、ただ1匹残されたのがまろ......。

そのころ中村さんは2匹の猫と暮らしていました。

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中村さんは自身も認める仕事人間でした。そんな忙しい生活の中、1匹の猫と暮らし始めます。そのうち、家を空けている時間が長いので1匹での留守番はかわいそうだろうと2匹目を迎え入れます。
まろとの出会いは、ちょうどこの2匹の猫との時間が十分とれない罪悪感や無責任さを痛感していた頃でした。当然「3匹目は無理」と言うのが正直な気持ち、しかも相手は子猫で手が掛かる......。
しかし、まろと出会い背中を押され、大きな決断をすることになりました。
会社で保護された当初は子猫の世話に関与すらしていなかった中村さんですが、結局まろと一緒に会社を辞めフリーランスとして働く選択をするまでの人生の転換期になったのです。人生って面白い!

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そうだったのー?ボク知らないー。

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チャッピー(13歳・男の子)は人見知りの猫だから抱っこでパシャリ!

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きじしろのルールー(2歳・男の子)

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どこにでもあらわれる、かまってちゃん。

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アリイ(1歳・女の子)は長毛猫さん。

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「集合--!」あれ6匹いる?!




預かりボランティア


中村さん流の多頭飼いのコツは「人間が仲介に入ること」「観察すること」「褒めてあげること」。現在はご夫婦で猫に対して怒らないと決め、今ではまろを筆頭に4匹の家猫と暮らしています。
4匹が自由に行き来できる部屋には、お預かりしている2匹の猫もいました。これは「預かりボランティア」というもので「NPO法人ねこけん」からお世話を託されている猫たちです。保護後、一定期間完全隔離してから徐々に家猫たちと対面させ家猫になる準備をします。預かりから半年以上経った今はすっかり人や猫にも慣れ、絶賛里親募集中!とのことです。

この取り組みに協力できるのは4匹あってのこと。とくにまろは先住猫に猫社会を学び、その後にやってくる猫たちの社会化に一役買っています。時には出ないおっぱいを捧げたことも。16歳のまろはこの家のリーダーで、みんなが一目置く存在なのです。
猫の猫による社会化、多頭飼育、フード、猫雑誌「ねこ」の編集長時代に培った経験や猫ボランティアでの横の繋がりをまろが一層強くしているのがわかりました。

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がんばれ!しろがねくん!

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がんばれ!こはくちゃん!




フードヲタク


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一時は里親募集していたルールー(右)、先住猫が亡くなったタイミングで家猫に。

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いつだってまろが中心。

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わたしがボスです。


中村さんちの猫ごはんは今まで取材した家庭とは少し違って面白い。ごはんに決まった「時間」はなく、猫が「欲しい!」と言ったタイミングで給餌するスタイルです。それを可能にしているのが、夫婦のどちらかが自宅にいるということ。ご主人も自宅で仕事をすることが多いそうです。療法食で食いつきが良いのは「ベッツセレクション 腎ケア」(イースター)で、ウエットフードのお気に入りはニュートロの「デイリーディッシュ サーモン&ツナ」。聞いていると中村さんはかなりのフードヲタクのようです。国内はもちろん外国のものまで網羅、熟知しています。「すぐ飽きる」のはどの猫も同じ、食いつきが鈍くなったら、別のえさを検討できるだけの知識を持つ中村さんの飽くなき探究心に頭が下がります。

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はよメシくれや

食事に加えて、まろの定期検診は半年に1回程度、主に血液検査で体調管理をしています。腎臓の数値が悪くなってからは獣医の指導のもと2日に1回補液(皮下輸液療法)を与えるようにしてきました。これにより吐き癖のあったまろは調子を取り戻し、腎臓の数値も現在、安定しているとのことです。

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中村さんとご主人。ニャー言うまろ。



猫を観察するということ


それでは最後に室温、温度のお話を。

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中村さんちには犬もいます。エフちゃん。

猫にとっての快適温度はそれぞれで、エアコンを365日フル稼働した部屋もあれば、常温の部屋もあります。とくに推奨する設定温度はなく、適温は猫を観察していればわかるというものです。丸くなっていれば「寒いんだな」とか、猫が伸びて寝ていればそれが「快適なんだな」と判断。そしてその情報を蓄積するため、部屋には温度計が用意され、都度チェックしています。

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インタビュー中、ソファーで伸びている2匹を横目に、「なるほどな」と妙に納得させられるのでした。おやすみー。

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脚乗せて、気持ち良さそうなんだからー


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自身のことを「猫専業主婦」と称する中村さんのネコブログがこちら↓
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猫又トリップライター紹介

ケニア・ドイ

1972年兵庫県生まれ。ほとんど犬猫カメラマン。著者に「ぽちゃ猫ワンダー」(河出書房新社)、「じゃまねこ」(マイナビ出版)がある。新刊「ご長寿猫がくれたしあわせな日々~28の奇跡の物語~」祥伝社より絶賛発売中。現在、黒背景で行うペット撮影会「ドイブラック」を全国で展開中。

http://kenyadoi.com

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カテゴリ: 猫又トリップ
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みにゃさまのコメント

今回も素敵なお話を楽しい文章で紹介していただき、ありがとうございます。
さっそく、中村さんのブログ見ました。すごく忙しそうなのに、猫たちのことをかわいく楽しく書いていらっしゃいます。
私も猫飼いの新米ですが、少しでも長くシアワセな時間を共有できるよう、がんばります。

by ふ〜みん 2017-07-19 17:41

ふ〜みんさん
私も含め、みにゃさん新米時代を乗り越えてきましたにゃ。楽しみましょう。

by ケニア・ドイ 2017-07-20 07:36