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[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

道ばた猫日記

2017年06月27日

すみた保育園

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ソファーの上で、ニケくん(道ばた猫日記「セラピー猫ニケ」でご紹介)に甘えているのは、シマくん。生後5週くらいの男の子です。

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「今回の新入りは、いつもに増して甘えんぼだなあ」と思っていそうなニケくんですが・・・。
ニケくんに甘えてくるのは、シマくんだけではありません。
なんと、よちよち歩きのチビたちが、総勢8匹!

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ここは、都内でミルクボランテアを長年続けている墨田さんのお宅。先週・先々週に紹介した、まう・れあちゃんとハニー・ジャムちゃんたちも、多頭崩壊のおうちからレスキューされた直後にここでお世話になり、みんな幸せをつかみました。
そう、すみた保育園は、5月をピークとする仔猫のシーズンには、いつも定員オーバー。
でも、園長の墨田さんを補佐する強力な助手が3匹。純一・リリ・ニケのトリオが、やってくる仔猫たちの遊び相手をしてくれます。

「今年は、1月から、ノンストップ。ついこの前まで、11匹いて、いつ寝たのかわからないくらいでした」と、微笑む墨田さん。
今いる8匹のうち、黒猫のあおくんと、灰色猫のすみくんは、神社賽銭箱そばに、ゴミと一緒にビニール袋に入れられて捨てられていた子たちです。
遺棄されていたのは4匹でしたが、1匹は発見された時はすでに死んでいて、もう1匹はたった1週間を生きてなくなりました。
ですから、あおくんすみくんはそれぞれ、2匹分しあわせにならないといけないのです。

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さらに、都内で高校生に保護されたきょうだい3匹と、
川越市で保護猫カフェをしている「ねこかつ」さんが茨城県のセンターから引き出した仔猫たちを手分けして預かった3匹。
茨城県のセンターでは、今年のGWをはさんだ3日だけで、100匹を超える仔猫が持ち込まれたといいます。「ねこかつ」さんはじめ、各地で保護活動をしてる人たちが連携して、交替で4月よりセンターから仔猫の引き出しに取り組み始めました。(埼玉県などでは引き出し不可)

すみた保育園の助手猫たちに遊んでもらって猫社会の社会性を身につけた卒園生たちは、先住猫がいる家にもらわれていってもすんなり溶け込みやすくなります。
また、母猫がいなくても、こうして人間にたっぷりと愛情を注いでもらって子猫時代を過ごした子は、里親先でも甘え上手で可愛がられます。

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離乳前の仔猫がやってきたときは、3時間おきの授乳が必要です。
ミルクは仔猫の大きさにより微調整しますが、シマちゃんたちの大きさではシリンジで10㏄が目安。
シリンジの授乳は、どこの子がどのくらい飲んだかもよくわかります。
ミルクから、ムース状の離乳食をシリンジで、さらにお皿での離乳食へとちょっとずつ移行して行きます。この日は初めて全員そろってお皿での食事をしたそうです。

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ニケくんが、仔猫の飲みっぷりを見守っています。
仔猫は、体調が急変することもままあるので、ベテランのミルクボランティアで知識も経験も豊富な墨田さんでも、7~8週くらいまでは本当に気が抜けません。
こんなこともありました。
オスの仔猫が急に高熱を出し、動物病院へ。診断は「膀胱炎」。なんと、母猫のおっぱいが恋しい他の子におちんちんを吸われた結果でした。
「お腹に虫はいない」と診断されても、虫が潜んでいて、急に容態が悪くなることもあります。
せっかく救ったいのちが、ふっと消えてしまわないために、墨田さんたちミルクボランティアの方たちのご苦労はさぞやと思います。

ご存じのように、各地の殺処分猫の対象のほとんどが仔猫です。
そんな現状を少しでも変えたいという動きが、保護活動に携わる人たちの連携で始まっています。
千葉県では、県内のミルクボランテアを育てたいと、講習会を始めました。
三毛のメイサちゃんたちがやってきた茨城県のセンターでは、これまでは仔猫は即殺処分の対象でしたが、「ねこかつ」さんたちの熱心な引き出し活動に呼応する形で、職員の方たちが授乳などのお世話をしてくださるように。
「響き合う」ことで、そして、「巻き込んですそ野を広くする」ことで、思いは形となっていくのだと、つくづく思います。
SNSの普及で、アドバイスし合えるようになったこともいい流れになっていくことでしょう。

さて、すみた保育園の園児たち。ミルクの時間が終わると、プロレスごっこを始めるものあり、ハウス探検を楽しむものあり、にぎやかなプレイタイム。

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そのあと、思い思いの場所で、思い思いにくっついて、コテッと寝てしまいます。

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すみた保育園訪問は、ちょうどひと月前のこと。あの日いた、「シマ、モー、スミ、アオ、アニキ」の男子5匹と、「メイサ、ナオミ」の女子2匹は、今日現在すでにもらわれてしあわせに暮らしていて、一番小さかった「姫」ちゃんは卒園間近だということでした。

そして・・・・。
8匹無事卒業何のその。すみた保育園には次から次へと、こんなチビたちが入園しているのでした。

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なかなかひと息つけない、時間がいくらあっても足りない墨田園長さん。
でも、お会いするたびにすてきな笑顔を見せてくださるかた。育てた子がもらわれていくたびに、そして、その後のしあわせな報告を受けるたびに、園長さんの疲れは羽が生えて飛んでいくのです。
しあわせになった子たちの後ろに、たくさんの救えなかった命を見ながら、いつか捨てられたり殺されたりする命が根絶する社会になることを信じ、「いま、自分のできることを」という思いを静かにかみしめていらっしゃるにちがいありません。

「ひとりひとりが自分の今できることを」という思いを、おみやげにそっとてのひらの中に手渡していただきました。



「道ばた猫日記」から書籍が生まれました。

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里山の子、さっちゃん
動物たちはやさしく、気高い。助け合い、ともに生きる猫たちの物語。

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しあわせになった猫 しあわせをくれた猫
フェリシモ猫部の心温まるブログ、完全版として待望の書籍化!


写真

道ばた猫日記ライター紹介

佐竹 茉莉子(さたけまりこ)

フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。取材先の町々で出会った猫たちのしたたかけなげな物語を、写真と文で伝えるべく、小さな写真展を展開中。飼い猫4匹。馴染み猫数しれず。
『しあわせになった猫 しあわせをくれた猫 』(辰巳出版)、『里山の子、さっちゃん』(辰巳出版)好評発売中。

カテゴリ: 道ばた猫日記

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みにゃさまのコメント

墨田さんの活動には、ただただ頭がさがりますそして心から尊敬します。命をごみ扱いする者には是非とも天罰が下ることを祈ります。先日猫カフェに行って来ました。そこにいる子達はみんな本当に可愛いです。でも何故か居心地が悪いんです。それは多分、その子達が全員、純血種、ブランド猫だからかもしれません。優雅な毛並みにしなやかな動き、確かに素敵なんですが、私には佐竹さんが紹介してくれる子達の方がずっと可愛くて愛しいです。

by ふみちゃん 2017-06-27 16:06

『ひとりひとりが自分の今できることを』

その想いが
いつか猫も人もしあわせな世界に
つながると思います。

佐竹さん
いつもいつも
ブログとお写真ありがとうございます。

by よーこ 2017-06-27 16:37

みんなとってもかわいい。 いちばん最後の写真、ホッチキスがビッグサイズなわけではないんですよね。。こんなに小さな子を預かって育ててくださることに感謝しかありません。本当にありがとうございます。 「産まれたら捨てればいい」という考え方がなくなるのはいつのことでしょうか。

by さりゅ 2017-06-27 22:09

みなさん、暖かいコメントありがとうございます。野良猫のTNRから始まり、猫ボランティアを始めて10年ほどになりますが、ミルクボランティアをメインに活動するようになりました。不幸な猫のことを知れば知るほど、ふみちゃんさんが仰るように、店で売られたりする純血種の猫に違和感を覚えたり、猫を安易に棄てたり、避妊手術をせずに増やしたり、という事に疑問を感じて、猫と人間にとって少しでも良い世の中になるようにと願うようになりました。これからもコツコツと目の前の尊い命と向き合っていきたいと思っています。

by 墨田 2017-06-27 22:24

埼玉県は引出し不可って、どういうことでしょうか?
みなさん動物のために無償でやられてると思いますが、それすらも拒否するって、どういうことなんでしょうか??
本当に腹立たしいです!!

by あきこ 2017-06-27 23:15

どの子も本当に可愛い。小さな体で頑張っているのが伝わってきます。墨田さん、本当にどうもありがとうございます。小さな子たちのお世話は大変だと思いますが、皆、大きな愛情に包まれて安心ですね。どの子もも幸せになりますように。

by ゆーこ 2017-06-28 04:37

墨田さんのご活動、私も本当に尊敬致します。
みんな、なんて邪気のないとっても可愛いお顔!「もし墨田さんに預かってもらいお世話されていなければ……」と悲しくなります。本当に本当にありがとうございます。
命をゴミのように扱う人間の身勝手さに悔しい思いをします。
「ねこかつ」さんと連携などもしている私の家の最寄り駅にある保護猫カフェ(カフェというよりシェルター)に出来るだけの支援をしています。そこにいる保護された猫たちのみんな可愛いこと!!臆病な子もいれば人懐こい子もいたり気分やさんがいたり(^-^)5月は赤ちゃん猫がたくさんでお世話が大変そうでした。でもお家が決まった子も多くてうれしいです。
墨田さんのご活動、心から応援しています。猫たちみんなと墨田さんの幸せも心から願います。

by とも 2017-06-28 07:28

命を捨てたりする人間の気持ちが分かりません。人間も同じ動物・・人間の命だけが尊重されて他の動物はどうでも良いのでしょうか?・・人間のエゴで貴重な命が失われる事を許す事が出来ません。世界中の猫を含め全ての命が健やかに生きられる・・そんな時代になる様心から祈っています。そして私にも出来る事を始めて行きたいと思います。

by 山猫 2017-06-28 08:40

墨田さん、心から尊敬いたします。そして どうぞお体ご自愛くださいね。幸運な子猫達本当に良かった。もっと、もっと幸せになってね♡

by ぺったんの母 2017-06-28 10:15

>ふみちゃんさん

ニンゲン界は政治家からして気に入らないヤツが多いのに、猫って、なんで嫌いヤツがいないんだろう・・・。なんでみんな大好き‼なんだろう…。って思いませんか(笑)?

by 道ばた猫 2017-06-29 11:03

>よーこさん

在野でコツコツと猫のしあわせのために尽くしている方たちを紹介することが、今一番私のできることかな、と思っています。あたたかなエールをありがとうございます!

by 道ばた猫 2017-06-29 11:07

>さりゅさん

ベテランの墨田さんの子育て力を頼って、こんな小さな子たちがひっきりなしにやってきます。
あの頃は忙しかったなあ~と、墨田さんが振り返る日が遠からずやってきますように!

by 道ばた猫 2017-06-29 11:12

>墨田さん

お忙しい中、いつもいろいろなことを教えていただき、ありがとうございます。
お体大切に、「天使」たちのお世話をどうぞよろしくお願い申し上げます。

by 道ばた猫 2017-06-29 11:16

>あきこさん

都道府県でのばらつきは、里親探しに熱心な県をお手本に、これから解消されていくと信じます。
「殺処分ゼロ」が各地に飛び火して根づいていってほしいです!

by 道ばた猫 2017-06-29 11:23

>ゆーこさん

仔猫って、生きる力を小さな体にみなぎらせているようにも、ふっとはかないようにも見え、きょうだいでも生死が紙一重なんですよね。生まれてきたからには…どの子も安心できる環境で寿命を全うしてほしいです。

by 道ばた猫 2017-06-29 11:30

>ともさん

お近くの保護猫カフェ・シェルターへの支援、ありがとうございます。
ともさんのようにできることを続ける方がどんどん増えていくことが、未来の明るみに繋がるはずです!

by 道ばた猫 2017-06-29 11:37

>山猫さん

ほんとうに、ほかの生き物の命をないがしろにするニンゲンは、劣化の一途をたどっていると思います。
「生まれ変わったら猫になりたい」というロマンチックな夢も、飼い主次第、いのちがけです。

by 道ばた猫 2017-06-29 11:46

>ぺったんのお母さま

すみた保育園の卒園式は、春夏秋冬毎週のようです。
でも、どの子もどの子も、しあわせに元気に暮らしています。私も、心から尊敬しています。

by 道ばた猫 2017-06-29 11:54

ほんとうに。猫は嫌いな子、いない!!みんなみんな、可愛い!!
「いきもののうちでは 人間がいちばん きらいだった」……ある自伝小説の少年時代の心をかいた文を読んで(瑞々しくてとてもよい小説で私は好きな小説です)「そうそう、わかるなぁ~」(笑)でした。
猫は可愛くて偉大です!

by とも 2017-06-30 07:31

>ともさん

はい、わたしも若い時「銀の匙」読んで、まさに同感でした!!! いまは「人間は2種類いる。名声や利益と無縁にふつうにつつましく生きている人たちは大すき」という心境です(笑)
猫って、おじいちゃんになってもおばあちゃんになってもみんなカワイイから、ズルイ生き物ですよね(笑)!

by 道ばた猫 2017-07-01 12:07

佐竹さん、私も「名声や利益と無縁にふつうにつつましく生きている人たちは大すき」です!(墨田さんたちのような……)
「銀の匙」やはりお若い頃にお読みだったのですね♪
猫は本当におじいちゃん、おばあちゃんになっても可愛い~!!!たまりません(^-^)

by とも 2017-07-03 07:02