ページ内を移動するためのリンクです。
ここからメインコンテンツです

[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

猫又トリップ

2015年03月25日

同じ柄の不思議な縁

鎌倉の古民家にそのシャム系ミックスはいた。「チャム」は推定16歳男の子、「ミミ」は4歳の女の子。2匹はたいそう仲が良いそうな。

kd0325-1.JPG
布団をめくるとそこは...

kd0325-2.JPG
シャム系の猫国であった。


チャムは出戻り猫


飼い主の宮浦夫妻とチャムの出会いは18年前......。
旦那の慶一さん(56)の転勤で、北海道に住んでいたお二人。はじめは猫とは縁のない生活でした。北海道暮らしも8年が経ち、そろそろ「スキーも飽きたw」頃、会社の上司から「猫をもらってくれないか?」と話しを持ちかけられたのです。「冬にすることがない!」とさんざん嘆いていた慶一さんは、次の休日に奥さんの真理さんと、"とりあえず"その猫がいるという動物病院へ出掛けました。

気乗りしていなかったはずの慶一さんですが、大きな体(このときの体重7kg!)で人間に甘えている猫の姿にほっこり、すっかり心を奪われます。
「なんて、きゃわいいんだ!!」

kd0325-3.JPG
この後の展開はだれにでもわかるよね。

チャムは元の飼い主さんが高齢で、しかも病気で入院したために、動物病院に引き取られた猫でした。一度は慶一さんの上司の家へ行くも、奥さんが猫アレルギーを発症してしまい、飼うことを断念。それでまた動物病院へ出戻った猫だったのです。「そういう状況に終止符を!」と実家では猫を飼っていたという真理さんの後押しもあり、夫婦は猫を引き取ることにします。

kd0325-4.JPG
でも初対面の人はちょっと苦手なシャイボーイ。

kd0325-5.JPG
"ピンポーン"インターフォンもちょっと苦手なの。。


宮浦家の食事メニュー


幼少期はかかりつけの動物病院ですすめられた「ニュートロ」でしたが、
現在は「ロイヤルカナン」、「フィッシュ4キャット」を与えています。
2匹には年齢差がありますが、区別はしていないそうです。
チャムの現在の体重をきいて驚愕!6kgですって!!妹分のミミの分も食べているのではと勘ぐってしまいます......。
でもお話を聞いて実際にからだを確認してみると本当に骨太で長い!
最大7kgあった体重はゆるやかに下降し、これが老猫チャムのベストだと納得しました。
もちろん2匹は健康で、宮浦さんは2匹のために「ペットの食べ物のことをよく勉強している店」で食事のアドバイスをもらったり、「信頼のできる動物病院」を探して見つけたりしているそう。病状によって病院を使い分けることもあるという宮浦家の体制でこれからもご長寿猫まっしぐらだ!

kd0325-6.JPG
"ワラワラ"ってごはんまでまだ4時間ありますよー。

kd0325-7.JPG
おやつタイム!ササミにがっつくチャムさん。良かったねー。


多頭飼いは先住猫を優先すべし!


チャムが12歳のとき、妹分のミミが宮浦家にやってきました。
「受け入れるべきかすごく悩みました」と真理さん。多頭飼いがはじめての経験だったので、心配の種は尽きなかったようで......。

kd0325-8.JPG
でもこの後の展開はわかるよね。こちらがミミ(4)ちゃん。

ミミも慶一さんの上司からの紹介だったといいます。「君のうちに同じ柄の猫がいるよね?どう?」と(笑)。(いったいどんな会社?まったく猫に優しい会社だぜ!)
ミミはコンビニで生活していた野良猫でした。保護され、一時は里親が決まったのですが、そこがペット不可のマンションだったためすぐに問題となり......。
「出戻り」という先住猫のチャムと同じ道を辿った猫だったことも、引き受ける要因となりました。

kd0325-9.JPG

kd0325-10.JPG
相性?ああバッチリさ!

2匹の引き合わせには細心の注意を払いました。1〜2週間はケージ越しに対面させ、部屋に放してからもすべての物事を「チャムを優先的に!」進めたといいます。結果、2匹は大の仲良しに!
ミミは同じ柄の大きなチャムを母親のように(男なのですが)慕い、チャムはミミを毛繕いして、ときにはしつけ、母親役にまんざらでもないご様子。私が見ても本当の親子のような関係でした。多頭飼い、あっぱれです!

kd0325-11.JPG
「父ちゃんはおおきいなぁー。」

kd0325-12.JPG
寝るときは真理さん、ミミ、チャムの並びで。


ストレスのない生活を


お日様の匂いをまとった2匹は夜、真理さんと一緒に寝ます。それが真理さん至福のとき。おっとりとした性格の慶一さんも、これにはちょっぴり悔しそう。でも晩ごはんのときは、その膝の上にミミが乗っています。
人間がストレスのない生活を目指すとおのずと猫がストレスから開放される。ストレスのない生活は猫を長生きにさせる、そんな気がします。

また晴れた日に縁側でチャムとミミと一緒にお茶をのみたいなぁ。素敵な古民家猫ハウスを、私は必ず再訪するでしょう。

kd0325-13.JPG
慶一さんはミミが大好き。

kd0325-14.JPG
真理さんはチャムが大好き。

kd0325-15.JPG
こうして愛情のバランスが保たれているのですね。

おまけー

kd0325-16.JPG
「まだ帰らないの?」はい、すいません。。


ぽちゃ猫ワンダーs.jpg
ケニア・ドイ ファースト写真集『 ぽちゃ猫ワンダー 』(河出書房新社)好評発売中

写真

猫又トリップライター紹介

ケニア・ドイ

1972年兵庫県生まれ。ほとんど犬猫カメラマン。著者に「ぽちゃ猫ワンダー」(河出書房新社)、「じゃまねこ」(マイナビ出版)がある。新刊「ご長寿猫がくれたしあわせな日々~28の奇跡の物語~」祥伝社より絶賛発売中。現在、黒背景で行うペット撮影会「ドイブラック」を全国で展開中。

http://kenyadoi.com

X

Instagram

カテゴリ: 猫又トリップ
  • ツイート
  • いいね!

みにゃさまのコメント

シャム系の猫国に、私も行きたい。
2匹とも安住の地を見つけられてよかったですね。

by しましま 2015-03-25 17:49

しましまさん
えがったえがったー(T n T)。

by ケニア・ドイ 2015-03-25 18:33

シャム系~♪羨ましいです!また私も出逢いたいなぁと思いながら拝見させて頂きました!

by チャチャ 2015-03-25 20:08

シャム系~♪羨ましいです!また私も出逢いたいなぁと思いながら拝見させて頂きました!

by チャチャ 2015-03-25 20:08

チャチャさん
シャム系はシャム系を呼ぶ?!不思議な縁でいっしょになった2匹は本当の親子のようでした。

by ケニア・ドイ 2015-03-31 07:59

シャムちゃんは、偶然だったんですね~。びっくり!!でも2匹ともここにいるべくしている子なんですね!いつまでも仲良くね~。それにしても猫を紹介してくれる・・・良い会社・・。

by りんりん 2015-03-31 21:41

りんりんさん
会社から給付金がつけばもっと嬉しいでしょうね!
このおうちも偶然ですが、私の知人はサビ柄3匹、別々の保護しました。
運命?といった流れがあるのかも!

by ケニア・ドイ 2015-04-15 09:58