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[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

わんにゃん支援活動

2023年11月13日

「特定非営利活動法人千曲ねこの会」さまの活動レポート(2022年度)

フェリシモ猫グッズの販売額の一部である「フェリシモの猫基金」、フェリシモメリーポイントの「動物たちの保護と飼い主探し支援」、 毎月ひと口100円「フェリシモわんにゃん基金」等でみにゃさまからご支援をいただいている団体さまの活動レポートです。

実施場所:長野県千曲市

23年4月に、NPO法人の認可をいただきました。地域猫活動の支援、TNR活動の支援、住民の保護・譲渡活動の支援、動物愛護啓発の4つを軸として、活動を続けていきます。
4月に昨年度末に終了した千曲市提案事業の一環として行った、千曲市J自治会の2回目の地域猫化手術を行いました。
城腰自治会とのご縁は、昨年度末に当会主催で行った長野県政出前講座「人も猫も快適に暮らすために」でした。長野県の担当者をお招きし、動物愛護推進計画の説明、猫の飼い方講座を行っていただきました。

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「猫の飼い方講座」では、現在長野県では「飼い猫の適正飼育」と、飼い主のいない猫対策として「地域猫活動」が盛り込まれます。聴講者の方からは、「地域猫活動は、繁殖しすぎた猫をこれ以上増やさないために必要なことはわかっている。しかし猫がすぐにいなくなる訳ではないので、相変わらず車に乗り、傷をつけられるなどの被害は止まらない。こういった現状に困っている住民がいる。県として地域猫の保護施設は作れないか?」と、質問がありました。
県としては、まだまだ保護施設建設は、不可能な現状です。住民の皆さんや、ボランティアさんのお力をお借りして、活動を進めていく事をご理解願いたいとの回答でした。
後にわかったのですが、この質問者を講座に誘ってくださったのは、以前飼い主のいない猫の手術でご相談を受けた方でした。在住のJ自治会は、非常に飼い主のいない猫が多い所です。自分自身もこの質問者の方に、餌やりの苦情、餌を与えるならば室内に入れるようにと言われ。10匹保護されていました。どうやら質問者のお宅の隣人も餌を与え、トラブルになっているらしいとおっしゃいました。
早急な対応が必要と、質問者の隣のお宅を訪問しました。やはり、室内飼いをして欲しいと苦情を言われ。未手術のまま、室内に入れていました。10匹のうちメスが3匹でした。繁殖期でしたので、既に妊娠の可能性がありました。
質問者に声をかけてくださった方が、自治会長に相談し。環境課にすぐに相談くださったため、地域猫活動をお勧めすることができました。年度の変わる所でしたが、2回の捕獲作業と移動手術車の予約を入れてくださいました。
3月第1回目の手術で、前段のお宅は、危うく多頭飼育崩壊を免れました。質問者のお宅にも訪問し、活動の主旨をお話させていただきました。同意いただけたとは言えませんでしたが、これ以上は繁殖させないという点では、活動を認めているとおっしゃっていただきました。
4月に入り、2回目の手術では、同じ地区内にある20匹のコロニーの手術を行いました。事情により住宅とは離れた所にお住まいの高齢のご夫婦が餌を与えていました。手術代金の捻出が難しく、子猫が産まれ続けてしまい。そこから住宅地へ猫が流れているという現状もありました。 自分達ではどうにもならなかったと、とても自治会に感謝されていました。

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2回目の手術のおり、たまたま千曲市内の別の多頭飼育案件でご相談をしてくださった方より「身内が県内キー局のディレクターをしている。千曲ねこの会さんの活動を紹介されたらどうか?」と、お話をくださいました。信越放送の「エコロジー最前線」という番組でしたが、2回目の取り組みをベースに、以前活動を行い成果を上げたA区の現在の様子も取材していただきました。その中でA区前区長が「猫も地域の一員です。誰も悪者にしない活動を心がけてきました」とコメントされています。前区長には、県政出前講座で事例発表をしていただきました。その言葉を城腰自治会長も覚えていらっしゃり。城腰自治会の活動に繋がったという経緯もありました。15分という短い時間ではありましたが、多くの方にご視聴いただき。会の活動や地域猫の取り組みの啓発に繋がったと感じています。

またこの様なご相談もありました。
「自宅で猫が繁殖してしまい。18匹にもなってしまいました。お恥ずかしい事に、借金の返済で手術代が捻出できず。先日過払い金返還請求をしたところ、50万円戻りました。これを元に手術をしたいのですが。触れない猫も多くて、ご相談をさせていただきました。」
見ず知らずの他人にこうした告白をされてまで、助けを求められていることにご本人の誠意を感じました。

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お伺いしたところ、この2年程でメス猫が産み、その子供が産み、その孫が産みと一気に増えてしまったそうです。ご本人も捕獲作業、リリースに協力してくださり、無事に全頭の手術を終えました。時期的に堕胎手術の多い悲しいこととなりましたが。「自分の戒めにしたい」と、堕胎数を聞いてこられました。
またその後1匹でもわが家の環境より幸せに慣れればと、譲渡会にも出席してくださり。現在4匹の譲渡ができました。
こうして一人悩まれている方が、私達と繋がり。相談して良かったとおっしゃられると、活動をしていて良かったと感じます。

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6月には、毎年当会主催で行っている啓発写真展「第5回みんなのネコねこ写真展」を行いました。ご応募いただいた保護猫や地域猫の写真展示、講演会や座談会を行ってきました。地方紙やタウン誌のご協力を得て、地道に広報を続け。リピーターも増えています。
今年度は、2014年の作品「みんな生きている」の上映会を行いました。保護猫の飼育をきっかけに、猫を取り巻く現状と、命を守ろうと奮闘されるボランティア、獣医師、行政職員の姿が描かれていました。今では、先達と言われる方々ばかりでした。この方々の礎の上に、今の私達の活動があるのだと感じました。


<ご支援くださっているみなさまへ>
当会の活動へのご賛同、誠にありがとうございました。
任意団体4年を経て、23年4月より法人化いたしました。この事業を進める上で、行政との連携は不可欠です。また4年の活動の中で少しずつ、市民の皆さまの中に「飼い主のいない猫に餌を与えるならば、不妊化手術を施す」ことへの理解が生まれました。私達の様な取り組みをお手伝いするボランティア団体の存在が不可欠である事への理解も生まれています。
法人化は、長いマラソンの始まりと感じています。息切れをしないよう、また市民の皆さま、行政の皆さまと併走しながら、「人と猫の共生社会」というゴールに一歩でも近づけますように、走ってまいります。今後とも御支援の程をお願いいたします。



「特定非営利活動法人千曲ねこの会」
https://www.chikumanekonokai.com
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