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[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

わんにゃん支援活動

2022年06月28日

「湘南ねこの会」さまの活動レポート(2021年度)

フェリシモ猫グッズの販売額の一部である「フェリシモの猫基金」、フェリシモメリーポイントの「動物たちの保護と飼い主探し支援」、 毎月ひと口100円「フェリシモわんにゃん基金」等でみにゃさまからご支援をいただいている団体さまの活動レポートです。

実施場所:神奈川県平塚市及びその周辺の市町村

今年度は、とにかく保護猫が多いです。
おそらく、去年、新型コロナウイルスへの感染を恐れて、みんなが外へ出ることを控えた結果、TNRすべき猫を見逃し、その猫たちが一斉に繁殖したのではないか、と推察します。
 
 藤沢市某所で、子猫がたくさん生まれている、と相談を受けたのが2021年6月のことでした。その数が余りに多かったので、地域住民も危機感を持って、色々なところに相談したらしく、結局、地域住民と鎌倉の猫の保護団体と湘南ねこの会が協力して、問題解決にあたることになりました。
地域住民の方に、日本動物愛護協会が作成した「ぺろちゃんの地域猫ってなぁに?」というパンフレットを配って、地域猫の話をしたところ、思った以上の理解が得らえ、捕獲や動物病院への搬送など、積極的に動いてもらえました。そのうえ、不妊・去勢手術の費用負担までしてくださいました。

 子猫は20匹ほどいましたが、鎌倉の保護団体と当会で、半分ずつ引き取りました。
子猫の中でも、特に印象的だったのは、しおりちゃんという女の子です。なかなか捕獲できなかったしおりちゃんは、最初、目が炎症を起こしていたのですが、捕獲できた頃にはひどくなって、眼球が壊死して、摘出ということになりました。早く捕まえられなかったことを悔やみました。

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なかなか保護できなかったしおりちゃん。(向かって左)
目の手術後、抜糸が済んで、他の保護猫と遊んでいるところ

 手術は成功し、しおりちゃんは順調に回復していきました。ウイルス検査もクリア、ワクチンも済んで、里親募集を開始しました。
可愛いお顔のしおりちゃんですが、ネットで里親募集しても、反応がありません。やっぱり、片目がないから、敬遠されるのだろうかと悲しくなりました。
 ところが、藤沢市のあるご家族が、しおりちゃんに目を留めてくださいました。特に、高校生のお嬢様がしおりちゃんをとても気に入っているとのことでした。
早速、しおりちゃんに会いに来ていただきました。
保護した頃は、人懐こい子だったのに、度重なる病院通い、ケージ暮らしで、臆病になってしまったしおりちゃんですが、里親候補のご家族とご対面すると、すんなり抱っこされるではありませんか!抱っこされて、目を閉じて、気持ちよさそうにうつらうつら始めました。
初めて会う人なのに、この反応は?!これは、運命かも知れない、と思いました。

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初めて会う里親候補さんに抱っこして、気持ちよさそうなしおりちゃん

 文句なく気に入られて、お届けの運びになりました。お届けは平日だったのですが、お父さんは、しおりちゃんが来るから、会社に行きたくない、と言いながら、出勤したそうです。お家には、ケージ、キャットタワー、爪研ぎ、猫ベッド、おもちゃ、完璧なまでに揃えられていました。
翌日には、のびのびしているしおりちゃんの写真が送られてきました。しおりちゃん、お外で苦労したけど、幸せになれたね!

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里親さんのお家でのびのびするしおりちゃん

 このプロジェクトはあと2匹の子猫を譲渡できれば完了です。(2022年1月5日時点)
地域でのノラ猫の糞尿のトラブルもなくなり、地域住民がいがみ合うこともなくなったことは、何よりの成果だと思います。

 もう一つ、これはまだ、取り掛かったばかりのプロジェクトです。
伊勢原市のとある多頭飼育の家庭のヘルプを始めました。こちらは、個人ボランティアからの相談でした。二十数匹の猫は劣悪な環境で飼育されていて、飼い主は独居の高齢者で、遠くない将来、猫の世話もできなくなり、猫たちは居場所を失うことが推測できます。
行政が介入して、不妊・去勢手術は全て済ませました。健康状態が思わしくない猫は、個人ボランティアの方が引き取りました。
飼育環境を整えるため、素人がリフォームをしたり、毛布や猫ベッドを集めて、フードも支援しています。また、週に1回は、掃除にも通っています。

 8月には栄養状態も悪く、ガリガリに痩せていた猫たちは、今はふっくらとしてきました。そして、住まいの環境も清潔になりました。
猫たちを譲渡することについては、飼い主も快諾してくれたので、当会で順次引き取って、健康状態を整えてから、早速第1号の里親募集することにしました。

 元は性格の穏やかな子なので、何としても幸せになってほしいです。そして、この家の猫たちがみんな幸せになるように、頑張りたいと思います。

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劣悪な環境の多頭飼育の家から保護して、里親募集を始めたチャーシーくん


2021年10月29日、保護猫チャーくんが23歳の天寿を全うして、天国へと旅立ちました。
思えば、2018年、飼い主さんが亡くなって、行き場がなくなった20歳の猫が2匹いるという話が、回り回って、耳に入ってきました。亡くなった飼い主さんには妹さんがいらっしゃるのですが、ご自身もご病気で、猫の世話まではできないそうで、このままでは安楽死になるかも知れない、という話でした。せっかく20歳まで生きたのに、そんな最期は迎えさせたくないと、湘南ねこの会に来てもらうことにしました。

 そして、2018年10月30日、日本動物愛護協会の方と亡くなった飼い主さんの妹さんに連れられて、チャーくんとちびちゃんがやって来ました。 週2回の皮下点滴とチャーくんは週2回の摘便が必要でしたが、みんなで協力して、できるだけのことはしました。以前にかかっていた獣医さんからの申し送りによると、余命2~3ヶ月とのことでしたが、1年、2年と元気に過ごすことができました。
残念ながら、ちびちゃんは2020年11月に旅立ちましたが、チャーくんは、相変わらず元気で、4月の健康診断では、「死ぬ要素がありません!」とまで言われました。
 ところが、2021年10月に入ってから、体調がすぐれず、とうとう、おむつをするようになって、それから1週間で眠るように旅立っていきました。人間で言うと108歳だそうで、正に天寿を全うしたと言えましょう。
かかりつけの動物病院に報告すると、「チャーくんも頑張ったけど、皆さんも頑張りましね。立派ですよ!」とお褒めの言葉をいただきました。
飼い主さんの妹さんも、大変感謝してくださり、私たちも嬉しかったです。

 チャーくんは「新しもん好き」で、クッション、座椅子、猫ベッド、猫ちぐらなど、買ってきたばかりのものに、誰よりも早く座ったり、入ったりしました。この好奇心が長生きの秘訣かも知れない、とみんなで話したりしました。
チャーくんのお世話をすることで、たくさんの学びと喜びがありました。飼い主さんの妹さんや日本動物愛護協会ともつながりができて、本当に良い出会いでした。

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新しく買ってきたイグサのクッションに、真っ先に寝てみるチャーくん


<ご支援くださっているみなさまへ>

今年度は、保護猫の多さに、マンパワーは?資金は?と心配がいっぱいでした。
でも、とにかく動かないことには始まりません。
そして、動き始めてみると、あちこちからご支援も集まり、思いもかけない人からご支援があったりして、協力してくださる方が現れたり、不思議と活動が回っていきました。
保護猫たちに十分なことをしてあげられるのも、皆様のご支援のお陰です。中には見ず知らずの方もいらっしゃいます。
皆様の信頼を裏切らないように、猫の幸せのために、これからも頑張ろうと、決意を新たにしています。
決して、私たちだけでやっているのではありません。皆様、ありがとうございます。



「湘南ねこの会」
http://shonan-nekonokai.com/
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