ページ内を移動するためのリンクです。
ここからメインコンテンツです

[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

わんにゃん支援活動

2021年08月17日

「認定NPO法人HOKKAIDOしっぽの会」さまの活動レポート(2020年度)

フェリシモ猫グッズの販売額の一部である「フェリシモの猫基金」、フェリシモメリーポイントの「動物たちの保護と飼い主探し支援」、 毎月ひと口100円「フェリシモわんにゃん基金」等でみにゃさまからご支援をいただいている団体さまの活動レポートです。

実施場所: 北海道夕張郡

shipponokai-201205-1.jpg
<滝上町の現地には、成犬が30頭余りいましたが、子犬が続々と産まれていました>

HOKKAIDOしっぽの会では、2020年5月より道北のオホーツク地方の滝上町(たきのうえちょう)の山中で餌付けされている多頭飼育の半野犬問題に取り組んでいます。
滝上町では、20年前から続いていた問題だったそうですが、これまで根本的な対策は行われてきませんでした。
この案件の問題点は、現場は山中のため犬が遺棄される場所になっていること、不妊手術がされていなかったため、発覚時は5頭だった犬が成犬だけでも30頭余りになったこと、犬たちが餌を求めて道路を徘徊するため、いつ交通事故が起きてもおかしくない状況であること、滝上町は酪農地帯で周辺には酪農家の牧場があり、牛が襲われると酪農家への被害が生じることが考えられました。

事の発端はゴールデンウィーク中に、滝上町の車道に、複数の野良犬が餌を求めて車に近づいてくるとの相談が入ったことからでした。
また、犬の福祉の問題や交通事故が起きれば人身事故にも繋がりかねないと心配された地元の方からも相談がありました。
滝上町は、オホーツクの北部に位置する山に囲まれた、人口2,500人ほどの林業と酪農が主産業の町で、冬の寒さは大変厳しく、積雪も多い地域です。
山間部であるため、犬が捨てられることが多く、滝上町では長らく問題となっていました。
そうしたことから、当会では、5月下旬に行政の職員の方々と現地調査に伺いましたが、現地にはざっと見ただけでも30頭余りの成犬がいて、滝上町のごみ処理場の一角の檻にも捕獲された7頭が収容されていました。
元々は、捨てられた犬たちに地域住民が餌を与えていたようですが、多くの世帯が引っ越してしまい、現在は一世帯となり過疎地域となっていました。
また、通りがかりに餌だけを与えるドライバーもいて、犬たちは繁殖を繰り返し、自然淘汰される厳しい環境下で生きていました。
根本的な対策を講じなければ解決しない案件であることから、当会は、振興局や保健所、役場、餌を与えていた当事者と滝上町役場で会議を行い、解決への方向性と共通認識を持つこととしましたが、役場との間で、個人の問題か社会問題かで認識のずれが起きましたので、当会が解決できるまで通って、不妊手術や譲渡を進めていくことになり、滝上町役場の担当課には、動物遺棄防止や無責任な餌やり禁止に関する看板や警告灯を立てていただくことになりました。

shipponokai-201205-2.jpg
<子犬たちは皆、泥やダニ、ノミにまみれ痩せています>

shipponokai-201205-3.jpg
<シャンプー後、きれいになりました>

当会で保護した犬たちは、12月5日現在で、成犬15頭と子犬38頭で、中には既に妊娠していた犬も2頭いて、合わせて8頭の子犬が産まれましたが、うち3頭は出産後育たずに亡くなってしまいました。

shipponokai-201205-5.jpg
<先に1頭お迎えいただいた後、友達にと仲良しだった子を迎えてくださいました>

当会では、ご譲渡前に不妊手術や混合ワクチン接種、健康診断等を行って、マイクロチップを装着してからご譲渡させていただいていますが、12月5日までに保護した成犬15頭、子犬38頭のうち、成犬1頭と子犬17頭に幸せな出会いがありました。また、自然下の中で自由に生きてきたため、人間社会での暮らしには順化が難しそうな、メンタル的にも現地での暮らしが合っている成犬7頭は、不妊手術、混合ワクチン、健康診断を行い、マイクロチップと首輪を装着して、餌やりの地域住民の方と造った現地の柵内に戻しました。

shipponokai-201205-4.jpg
<当会を卒業した犬たちは、当会主催のしつけ教室に参加してもらっています>

12月8日現在、成犬7頭と子犬18頭は、社会化やしつけや歩行の訓練を行っていながら、ご理解ある飼い主さまとの出会いを待っています。コロナ禍ですので、感染予防対策を行いながら、卒業した犬たちの少人数制のしつけ教室も開催しています。この先、飼い主さまが、犬との生活が充実したものになるように継続してサポートさせていただいています。

現地は、当会のある長沼町から高速道路を使っても往復7時間以上はかかり、これからの本格的な冬は積雪があるのと日照時間が短いので困難を極めます。未手術の犬たちがまだ十数頭は残っていますが、妊娠中の犬も確認されており、現地にはいつでも捕獲できるよう捕獲機やケージを複数台常設しています。全ての犬たちが不妊手術を終えるまでは、問題は解決しませんし、同時に犬が遺棄されないような監視も必要です。残っている犬たちは、特に警戒心が強い子たちですので、今後は捕獲がますます難しくなると思われますが、根気強く、諦めずに問題が終結するその日まで尽力して参ります。


<ご支援くださっているみなさまへ>
HOKKAIDOしっぽの会へのご理解とご支援に心より感謝申し上げます。
行き場を失った犬猫たちを保護し、医療費をかけて適切な飼い主さんに繋いでいけるのも、皆さまからのご支援があってこそです。
犬猫の問題は、人間の無責任な行動の結果により起きています。
当会では、1頭でも行き場のない犬猫を減らすために、保護活動だけでなく啓発活動にも力を入れ、飼い主のいない猫を保護された方や保健所から犬猫を譲受された方に不妊手術の一部を助成する活動も行っています。
また、動物虐待や不適切な飼育が確認された際には、行政機関と協力をして問題の解決に取り組んでいます。
動物の命も尊く扱われ、「人と動物が幸せに共生する社会」になりますよう、包括的に社会から不幸な犬猫が1頭でも減少するよう尽力しています。
引き続き応援ご支援いただけましたら幸いです。どうぞよろしくお願いいたします!




「認定NPO法人HOKKAIDOしっぽの会」
https://shippo.or.jp
  • ツイート
  • いいね!