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[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

わんにゃん支援活動

2022年04月25日

「動物ノート」さまの活動レポート(2021年度)

フェリシモ猫グッズの販売額の一部である「フェリシモの猫基金」、フェリシモメリーポイントの「動物たちの保護と飼い主探し支援」、 毎月ひと口100円「フェリシモわんにゃん基金」等でみにゃさまからご支援をいただいている団体さまの活動レポートです。

実施場所:静岡県東部 及び 伊豆半島南西部

●ある田舎のTNR現場
行政に相談があり、答え応じた現番の一つ。函南町は助成金が少ない中、田舎の牛舎近くにある民家で猫たちが爆発的に繁殖したため相談を受け、大人の猫たち48匹をTNRした。

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ご本人たちが生活も苦しい中、相談者が大病をし入退院を繰り返していたため取り組みが遅れたという。近所に民家は少なく苦情も無い為、不妊手術の必要を感じていたものの、タイミングを逃した結果、沢山の猫たちが産まれては死んでいく事をどうにもできず、思い切って行政に相談したケース。
高齢者とその家族は、本当に優しい気持ちで猫たちのお世話をしており、動物ノートとしても何とか問題解決に向かって援助しなければと、まずは夏ごろに生まれた子猫たちを引き取り、7匹里親譲渡。その間に顧問獣医に相談し、Spay Day (特別な不妊手術日)を設けていただいた。
他にも、自宅で保護し療養しながら様子を見て後に不妊手術した猫たち2匹もいて、結局お世話する猫たちが合計50匹となった。手術前後にはプレミアムフードの支援や治療もし、猫たちの健康管理にも気を配った。

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自宅周辺にいる猫たちはほとんど子猫と中猫で、大人の猫たちは意外と活動範囲が広く、かなり離れた農機具小屋などにも行き来していて、当初の調査では30匹ちょっとと見込んでいたのが、結果二日間かけて事務局員が48匹を一人で捕獲するという結果となった。先月おこなった大量捕獲の為、当会所有の捕獲機30台に顧問の捕獲機やレンタル捕獲機をプラスして、台数を確保しておいた事が役立った。捕獲そのものも困難を極めるが、TNR後の捕獲機洗いにも一日かかる。それでも本当の成果を上げた後の作業はつらくも楽しい。

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当会のTNRの特徴は、徹底した不妊手術率である為、まず事前調査や告知に時間をかけるが、今回のように事前告知が無かった分ひとてまが省けた。沢山の数がいる現場であっても、しっかりした不妊手術率を達成するためには、徹底して一度に行わなければ、最後の一匹まで捕まえることは出来ない。とりあえず手を付ける、は決して得策ではないし、相談者本人にも継続した金銭的負担をかけることになる。そんな中でも100パーセントの手術率となったのは、1~2日ですべての不妊手術をしてくれる顧問獣医たちのおかげである。また、顧問たちの行う術式がTNRに適した術式の為、また治療もしてくれる為、安心して現場に戻せることが本当に助かる。
もちろん最近はやりの卵巣摘出のみではなく、子宮・卵巣摘出である。地域猫など無かった20年前なら、卵巣摘出のみで良かったかもしれないが、近年、当会も取り組んでいる地域猫などの活動により、飼い主のいない猫の寿命も随分延びた。結果、沢山の現場を見ている私たちは手術済みの猫達であっても、子宮蓄膿症や子宮がんなどになる猫たちを散見している。エビデンスとして卵巣摘出のみで良いとしている獣医たちが増えていると聞くが、ぜひ現場のボランティアは、両摘出の声をあげていただきたい。わずかな確率であっても、沢山の手術に関わるからこそ、一匹一匹に丁寧に向き合いたいと思う。

●2021年9月におこなった現場の追加捕獲
事前捕獲5匹プラス47匹のTNRをした現場の追加捕獲。今回15匹を手術したことで、こちらも合計67匹のTNRとなった現場。通常は前述の報告などにもあるように一度にTNRするのがセオリーだが、夏に繁殖した子猫たちがどこにいるのかもわからない状況だった為、数回の捕獲となった。ここも田舎の事業所の中に猫たちが行き来していて繁殖していた特殊な現場。半数以上の猫たちがほぼ山猫であり、見かねた地域自治会住民が当会に相談をしてきた。

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自治会住民が非常に熱心で、セルフプロデュースもできる稀な現場。TNR当日も沢山の方たちがボランティアに名乗りを上げてくれた。事業所内の猫の管理方法にも問題が多くあった為、地域猫に移行する事を提案。結果、「J猫の会」として地域猫の会が発足。今月初めには保健所など行政も交えて話し合い、会則及び今後の方針についても話し合いの場を設けた。
TNRが終えても、地域猫として管理できる現場は本当に少ない。ましてや、少数であっても熱心な自治会員がしっかりした活動をすることで、当会が楽をさせていただいた現場はそうそう無い。猫愛にあふれた会員のおかげで、過酷とも思われた猫たちの生活体系は大きく変わった。猫の現場は結局は人間の現場なんだと、改めて思われたケースである。


<ご支援くださっているみなさまへ>
日頃は当会の活動にご支援有難うございます。今回のご報告にもあるように、どんな現場であっても不妊手術率をしっかり上げる事で、大きな成果を生み出していると自負しています。また、沢山の数のTNRを行うからこそ、一匹一匹に目を向けて丁寧な扱いを心がけています。
更に当会の特徴は、ピンポイントにとどまらず、現場を繋げていく事で大きな成果に繋げています。
ある田舎のTNR現場も、事後調査の時に、現場に繋がる場所に取り組めるよう、すでにお話をまとめてきました。2022年1月からは自宅に10匹・畑に6匹の現場を取り組む予定です。

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また、2021年12月には嬉しい出来事もありました。6年来取り組んできたM神社で、地域猫に向けた話し合いが始まりました。最初は行政からの依頼で、当時の職員に協力、といった形で始まったのに本当に紆余曲折ありました。一時は撤退も視野に入れて諦めかけた事もありましたが、やっと神社にも認めていただき、共に取り組むことと相成りました。猫たちの捕獲総数98匹ですが、本当に捕まりにくい現場ですので、一度の捕獲で1~2匹しか捕まらないことも多く、通常の現場とは全く違う困難さを伴います。いよいよ念願の公認目指して、2022年に期待したいです。

徹底したTNRもそうですが、2021年度の春に法改正のあった、多頭飼育崩壊を防ぐためのガイドラインに基づいた活動も2021年3月からずっと関連機関に働きかけています。年間何件もある多頭飼育現場で、当会も沢山の労力とお金を使い、疲弊しています。当会独自の手法に目を留めていただき、引き続き温かいご支援を賜りたく、どうかよろしくお願い申し上げます。



「動物ノート」
http://www.doubutu-note.jp/
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