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[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

道ばた猫日記

2021年10月12日

猫の不思議・・・その素晴らしき能力

猫の不思議シリーズ、今週は猫の持つさまざまな能力についてです。(多分に私の実感からの考察になります)

どこのお宅でも同じことと思いますが、家にいるときの猫は、野性味を忘れ、かなり弛緩しています(笑)。
でも、自然界の中に置かれた猫は、持って生まれた本能や五感をさっと研ぎ澄まします。
目は輝き、耳はあちこちに向きを変え、鼻先は湿り、ひげはピンと。

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視力はニンゲンに劣りますが、嗅覚・聴覚・第6感は、はるかに優れた猫たち。
視力はそれほどなくても、動くものには敏感です。バッタやトカゲなど、けっして見逃しません。
遠くの音や匂いもすぐ察知します。
そうでなければ、生き延びてこられなかったのです。

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「猫は3日で飼い主を忘れる」とか「3日で恩を忘れる」という言い伝えがありますが、
けっしてそんなことはありません。
私の実感では、一度仲良くなった猫は、半年たっても、一年近くたっても再訪を喜んでくれます。
猫の記憶力や認知能力あなどるべからず。
ただし、「あのひとだ!」と認知するのは、どうやら、外見やしぐさなどではなく、「声」らしいのです。
黙って近づくと、不審そうに見ていますが、「元気だった?」と声をかけると、たちまち「あっ、猫好きのあのひとだ!」と思い出してくれるからです。
指の匂いをかがせれば、もう「納得」の顔つきです。

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異変を察する予知能力や危機管理能力も、目を見張るものがあります。
東関東大震災の時、私のよく行く房総の小さな漁港も、津波の被害を受け、漁協が水浸しになりました。
津波の日の様子を漁師さんがこう言っていました。
「いつもは海辺でプラプラしてる猫たちが、一斉に陸地のほうへ走ってきたんだ。なんだなんだって思ってたら、そのすぐあと、海の水がさーっとひいて、それから津波がやってきた。ものの2分くらいの間の出来事だったさ」

そして、猫のすごいところは「ないもの」を嘆かないこと。「補完能力」とでも言いましょうか。

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交通事故で、一瞬にして視力を失った元ノラのてつおくんは、あたたかい家族を得、聴覚や嗅覚をフル発揮して、何の不自由もなく暮らしています。
家具の配置や階段の段数など、しっかりと頭に刻み込まれているようです。

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てつおくんと一緒に暮らすレオくんも、傷病保護猫。下半身が動きませんが、前脚2本で、スイスイとどこへでも移動します。
新入りが来たら、走って追っかけまわすほどパワフルな猫さんです。

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取材を通して、猫の復活力にも、何度目を見張ったことか。
もちろん、保護した方の愛情あってこそなのですが、猫がひたすら生きようとする本能は、ときとして小さな「奇跡」を生みます。
母猫を亡くして三日三晩鳴き続け、衰弱して低体温になっていた生後間もない子猫ゆめ君も、今は立派なイケメンに。

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あごがずれるほどの虐待を受けた公園猫の次郎くんも、保護団体の方の心のケアで、少しずつ少しずつ心を修復し、今は幸せな家猫になりました。

猫の身体能力も、うらやましいかぎり。跳躍力、柔軟性、瞬発力、どれをとっても敵いません。

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あんな高い木にだって、一気登り。

そして、私たち人間にとっては、とってもうれしい「寄り添い力」「癒し力」

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不登校などの子たちが通うフリースクールで暮らすごまちゃんも、ただ「そこにいるだけで」場を和ませ、明るくしています。

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元ノラ姉妹さつきちゃんとめいちゃんも、子育て終えた「空の巣症候群」だったお母さんの心を優しく満たしました。

さらに、私が特筆したいのは、猫の「共感能力」「支え合い能力」です。
これは、外暮らしで自分も苦労をしている保護猫のほうが大きいように思えます。
健全な「縄張り意識」での、弱い者へのいたわりですね。

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里山に、新入り福ちゃんがやってきて、楽しいあまりに池の茂みに飛び込み、陸に戻れなくなって鳴いているとき、たちまち集まってきた先輩たち。
このときは、コテツ君が、池の周りを走り回り、飛びやすい場所から「ここに飛べ!」と指令を出して救ったのでした。
私が通う里山は、そんな場面を何度も見せてくれる猫たちの共生社会です。

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自ら命の限りを悟った猫の、じたばたしない晩年の過ごし方も、見事です。
「達観力」といいましょうか。

猫たちは、あんな小さな体一つで、私たちに、いろいろな「チカラ」を見せてくれ、勇気を分けてくれます。
色柄関係なく、やっぱり猫って、どの子も素晴らしい!!

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ニンゲンに愛想をつかさず、いつまでもそばにいてね。

※お知らせ
 きょう発売の「猫びより」に、新刊「猫との約束」から、2編を短縮して紹介してくださっています。




「道ばた猫日記」から書籍が生まれました。

P9210072-2.jpg
猫との約束
猫は人生にドラマを運んでくる。ささやかでも、至福のドラマを

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寄りそう猫
しあわせは猫の隣り。心温まる17の実話。

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猫だって......。
ふつうの猫たちが語る、22の愛情物語。

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里山の子、さっちゃん
動物たちはやさしく、気高い。助け合い、ともに生きる猫たちの物語。

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しあわせになった猫 しあわせをくれた猫
フェリシモ猫部の心温まるブログ、完全版として待望の書籍化!

写真

道ばた猫日記ライター紹介

佐竹 茉莉子(さたけまりこ)

フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」を連載中。

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カテゴリ: 道ばた猫日記
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みにゃさまのコメント

猫たちの支えあい能力、弱い者へのいたわりは、花はなの里のサチ、ゴローちゃんにいつもいつも感心させられてきた。ネコには第六感もあるなら、人間も見透かされているのだろう、付き合ってゆくには心しなくては。また、晩年の過ごし方・達観力は身につまされる。そのような汚れのない猫たちに比べ、ただ可愛がりたいという自己満足から猫を拘束し続ている不逞の輩がいる。人間とは何と愚かな生き物なのだろうか。

by Y.M 2021-10-12 17:17

本当に猫さんたちは小さな体に、びっしり不思議な力を備えていて、尊敬します。
愛想をつかされないよう、がんばらなきゃ。

by ひじきママ 2021-10-12 19:48

人は、人間が生態系のトップにいると思っているけど、猫にしろ、動物にしろ、虫だって、人間より、優れているところがいっぱいありますよね。
いつも、沢山の事を教えてくれる猫さんたち。猫は家につく? 人にもつきますよね。だって、名前を呼べば、にゃーといってくれるし、お布団にだって入ってくれますよね。

by ちぃ 2021-10-12 20:56

そうそう、拙宅もさぬき姫をお迎えするまでは、猫って自由気まま、人の言うことを聞かない、家中散らかすものと思っていました。ところが実際にはそんなことないのですね。
昨年より始まったコロナ禍でテレワーク勤務がほとんどとなり、今まで見ることのなかった日常をみることができるようになりました。
日中はキャットタワーの上、箱の中でまったり過ごし、パソコンのシャットダウン音と共に動き始めて足元をスリスリし始めます。(チュ〇ル早よ のジャスチャー 笑)
相手の日常を把握した上で、自分のしてほしいことをアピールする。猫ちゃんの気遣いには感服せざるを得ませんね。

by ヤンヤン 2021-10-12 20:58

>Y.Mさん

猫社会の自治能力は見習うことがとても多いですね。弱者への思いやりしかり、移民受け入れしかり、子供の見守りしかり、気が合わないはあるとしても、いじめはないですし。

by 道ばた猫 2021-10-13 00:47

>ひじきママさん

母さんやきょうだいと離れ離れになっても、身一つで生き抜く力は、絶対に真似ができませんね。
ほんとうに猫はすごい!

by 道ばた猫 2021-10-13 00:51

>ちぃさん

同感です! ニンゲンは言葉を持ってることが知性だと思っているけれど、言葉の使い方次第で、人を傷つけたりも。言葉を介さなくてもわかり合えるという関係は心地よいですね~。

by 道ばた猫 2021-10-13 00:58

懐かしい瀬奈の写真どうもありがとうございます😃✨
捨てられて、ガリガリ虫だらけだった瀬奈を家に入れた当時
何時も部屋の隅っこで、小さくじっとしていて、不思議に思っていた所、「そうやって、外で生き延びたのよ。」と、教えて頂いた事を思い出しました。
今では虎之介同様、かけがえの無い我が子です。

by 虎之介と瀬奈の母 2021-10-13 01:01

>ヤンヤンさん

さぬき姫様は、かなりの知能の持ち主とお見受けします。パソコンのシャットアウト音と共に動き出すなんて! うちの猫も彼女なりに気遣ってくれます(笑)。

by 道ばた猫 2021-10-13 01:02

>虎之介と瀬奈のお母さま

「そうやって外で生き延びたのよ」は猫の心をよくわかった言葉ですね(館長さんかな)。
ガリガリ娘が、愛情を注がれて今は美しい姫。ありがとうございます。

by 道ばた猫 2021-10-13 01:09

ほんとうに、猫たちに人間が愛想を尽かされないようにと思います!どの子もそれぞれみーんな可愛い!!意志を持った表情がたまりません。そうですね、里山の子達の支え合い能力!弱いものに手をさしのべて。ニンゲンよ、見習え!です(笑)半世紀以上前に飼っていた猫とは大違いだわ、進化しているのね、複数飼いしていなかったからもあるかしらね、なんて母は道ばた日記で紹介される猫たちや花はなの里の子達のことを見てはいつも驚き感心しています。猫はなんでも知っていそうです。御天道様、猫さまです(^_^)

by とも 2021-10-13 07:28

佐竹さんに教えて頂きました😃✨

by 虎之介と瀬奈の母 2021-10-13 07:38

猫たちの不思議なオーラ、テレパシーを感じます。複数飼いして思ったことは、猫同士の言葉の通じ合い、心の通い合いがあるということ。
夢ちゃんのミルク飲みの頃の写真、懐かしいです~✴️じんわり涙がにじみます。さつきとめいも良い飼い主さんに恵まれました~✴️
猫たちのしあわせな物語をこれからもたくさん紹介してくださいね~✴️

by Ruinko 2021-10-13 15:38

茉莉子さんの文章に毎回感動しております。
しかし顎が曲がるほどの虐待受けていたなんて
絶対許せないと思いながら
何もできない
どうしようもない歯がゆさも感じております。( ´•̥̥̥ω•̥̥̥`)


たくさんの猫の生きる力に
力をもらっております!

こてつくんは
ゴローからの薫陶をしっかり受けた 頼りがいのあるお兄さんですね✩.*˚

ゆめくんも
愛情いっぱいで
いつまでも子猫のように幸せです❁*。
茉莉子さん
たくさんの奇跡の出会いを
ここに紹介してくださって
ありがとうございます∩^ω^∩

みんなみんなどの子も幸せฅ•ω•ฅ

by みさママ 2021-10-13 16:03

>ともさん

ほんとうに、猫は何でも見ていて、知っていそうです。
うちの猫も、ただのぐうたらでなく、もしかしたら何でも知っているのかもと、時々ハッとします(笑)。

by 道ばた猫 2021-10-14 10:29

>虎之介と瀬奈のお母さま

えっ、私の言葉でしたか、忘れました。が、いいこと言うなあ、と(笑)。
きっと館長さんも同じこと言いそうな気がします。

by 道ばた猫 2021-10-14 10:32

>Ruinekoさん

ルイさんたちには、ゆめくんやさつき・めい姉妹をはじめ、しあわせになった猫さんをたくさん紹介していただき、私自身もしあわせをもらってきました。ありがとうございます!

by 道ばた猫 2021-10-14 10:43

>みさママさん

猫たちの助け合って生きるチカラもさることながら、みささんたちの、猫保護をきっかけとした、助け合って暮らす友情の輪も本当に素敵です!!

by 道ばた猫 2021-10-14 10:46