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[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

道ばた猫日記

2018年02月06日

あたたかな場所その4・・・「きららちゃん」

「きららちゃん、先行っちゃうよ~」と、犬のモモちゃんが振り返ります。
「だって、今日はアタシの取材なんだって。しっかり撮らせてあげなくっちゃ」とばかり、小道の途中でポーズを決めてくれたのは、三毛猫のきららちゃん。

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モモちゃんときららちゃんは、毎朝8時に、雨が降っていない限り、おうちの裏道のお散歩を楽しみます。雪が残ってる寒い朝でも、へっちゃら。
モモちゃんは、もうすぐ16歳のおばあちゃん犬で、白内障が入り、耳が遠くなってきましたが、足腰はまだまだお達者。きららちゃんとのお散歩も、元気のもとなのかもしれません。

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モモちゃんときららちゃんとの出会いも、この朝のお散歩道でした。
1年半前の七夕の次の朝。
モモちゃんが優子さんに連れられていつものお散歩道を歩いていると、いつのまにか生後1か月くらいの痩せたチビ猫があらわれ、モモちゃんの足にニャアニャアまとわりつきながら懸命についてきます。
アタチも一緒に連れてって!
そして、とうとうモモちゃんのおうちまでついてきちゃった子猫は、そのまま、モモちゃんちでいっしょに暮らすことになりました。
「七夕の翌朝に来たから」と、「きらら」という可愛い名ももらいました。

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エプロンの胸に収まるほどのチビだったので、しばらくはモモちゃんの散歩には連れて行かなかったのですが、道に面した窓にへばりついて散歩の様子を一心に目で追っています。
アタチもモモちゃんとおさんぽ行きたい!
少し大きくなってから試しにいっしょに連れ出してみると、ちゃんとつかず離れず楽しそうについてくるのです。
以来、朝の8時には裏玄関できららちゃんもスタンバイで、2匹揃っての散歩は毎朝の日課となりました。
リードでおとなしく歩くモモちゃんと違って、きららちゃんは、草の匂いを嗅いだり、木に登ったり、道の真ん中で寝ころんだり。やさしいモモちゃんは歩調を合わせます。

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土管があれば、潜らずにはいられないきららちゃん。

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そのたびに、モモちゃんを待たせては冒険を楽しみます。
冬の朝の空気はきっぱりして、気持ちがいいね。
さあ、おうちに戻ってきました。

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わあ、モモちゃんときららちゃんち、広くて、明るくて、すてきなインテリア!
2階にとっとこ上っていくふたり。

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「アタシんち、日当たりがよくて、廊下もサロンもベランダも広くて、お部屋がいっぱいあるの。おばあちゃんがいっぱいいるから」
きららちゃんち、おばあちゃんがいっぱいいるんですって。

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そう、きららちゃんたちが暮らしているのは、認知症のお年寄りの方たちが暮らすグループホームなのでした。
小江戸佐原の街並みにほど近い、千葉県香取市のグループホーム「じゅらく」です。
現在は要介護2~5の女性9人が仲良く家族のように暮らします(たまたま現在はおばあちゃんばかりですが、男性禁制ではありません)。
優子さんはここのスタッフのひとりです。
理事長さんは動物好きの方で、ホームができた15年前にモモちゃんを迎え、さらに押しかけきららちゃんも即OKで迎え入れてくださったのでした。
きららちゃんはかなりの食いしん坊。やさしいモモちゃんのご飯までちゃっかりいただいちゃうこともあるので、ご覧の通りのふくよかさんに。

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三毛猫さんは勝気な子が多く、それがチャームポイントですが、きららちゃんもしかり。自分のマットがちゃんとあるのに、小さい時からモモちゃんのマットで一緒に寝る(自分が真ん中で!)のが大好きでした。
スタッフやモモちゃんの手足に、しょっちゅう「甘噛みちょっかい」も出します。

趣味は、棚の上にある小さなものを落とすこと。そのあときまってガッツポーズをするんだとか。
試しに、棚の上にキャンディ―をひと粒置いてみると・・・。
すぐさま、払い落し、「やったわ!」とガッツポーズ!
何回やっても、そのたびにガッツポーズのきららちゃんでした。

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そんなアグレッシブなきららちゃんですが、癒し担当のモモちゃんと共に、ここの優秀なスタッフなんです。
スタッフやモモちゃんには年がら年中繰り出す甘噛みちょっかいも、入居者の方にしたことは一度もありません。
優子さんは言います。
「きららは、小さい時はスタッフの肩に載って各室巡回をしていたんですよ~。今も、みなさんがお休みになる前の介助が全部終わるまで、夜勤のスタッフについて部屋を回って『おやすみなさい』をしてます。朝の起床のお手伝いのときも、必ず一緒に回ります。猫が嫌いとおっしゃっていた方も、今ではきららに『おはよう』と声をかけてくださるの。モモときららがいることが、みなさんとスタッフにとって、ここでは『あたりまえの風景』なんです」


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捨てられたのか、母猫とはぐれたのか、子猫のときに必死でついてきて、自分でつかみとった安住の場所。
きららちゃんが加わったこのホームは、さらにいっそう和気あいあいのあたたかな大家族になりました。

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じつは、じゅらくの取材、こんなご縁がきっかけでした。
去年の11月に香取市近辺の作家さんたちが開いた「ネッコワーク展」に、私は遠方ながらゲスト参加で里山の猫たちの写真を展示しました。その会場で、猫たちの写真を指さし、口々に「きららちゃんだ」「きららちゃんだ」と喜んでいらっしゃる車椅子のご一行がありました。バス遠足で会場にいらした、じゅらくの入居者さんたちでした。皆さんにとっては、どの猫も「うちの可愛いきららちゃん」に重なって見えたようです。
そのとき、「うちには、犬も猫もいるんですよ~。朝の散歩は犬と猫が一緒に行きます」と教えてくださったのが、付き添いスタッフのひとりだった優子さん。猫が結んでくれた縁で、今回の楽しい取材が叶いました。

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きららちゃん、モモちゃんといっしょにずっとずっと元気でホームのアイドルしてね!

おいとまする際に優子さんがこんなことを。
「系列のグループホームがもう一つ近くにあるんですが、そこにも猫が2匹いるんですよ~」
来週は、そのグループホーム「あんじん」のキクちゃんとジュンくんをご紹介します。お楽しみに。



「道ばた猫日記」から書籍が生まれました。

nekodatte200-290.jpg
猫だって......。
ふつうの猫たちが語る、22の愛情物語。

satoyamanoko.jpg
里山の子、さっちゃん
動物たちはやさしく、気高い。助け合い、ともに生きる猫たちの物語。

shiawaseni.jpg
しあわせになった猫 しあわせをくれた猫
フェリシモ猫部の心温まるブログ、完全版として待望の書籍化!


写真

道ばた猫日記ライター紹介

佐竹 茉莉子(さたけまりこ)

フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。取材先の町々で出会った猫たちのしたたかけなげな物語を、写真と文で伝えるべく、小さな写真展を展開中。飼い猫4匹。馴染み猫数しれず。
『しあわせになった猫 しあわせをくれた猫 』(辰巳出版)、『里山の子、さっちゃん』(辰巳出版)好評発売中。

カテゴリ: 道ばた猫日記

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みにゃさまのコメント

グループホーム住まい❣️良いですね〜皆んなに可愛がってもらえて幸せですね

by ふにゃたも 2018-02-06 12:37

こちらのグループホームもアニマルセラピーの如く皆さんの笑顔を引き出す大切なお役目のフタリが♡
モモちゃんのお散歩コースにひょいと現れた子猫のきららちゃんはNNN(猫猫ネットワーク)から派遣されてきたのかしら(笑)おばあちゃん犬のモモちゃんや人間のおじいちゃんおばあちゃんを見守りながら、毎朝晩のケアにも同行してご挨拶できるなんて♪立派なセラピーキャットだわ~!
次週も待ち遠しいです(^^♪

by マム 2018-02-06 12:44

グループホーム住まい❣️良いですね〜皆んなに可愛がってもらえて幸せですね

by ふにゃたも 2018-02-06 13:05

きららちゃんは、まるで神様に任命されて、やって来た子みたいですね。人や犬のおじいちゃんやおばあちゃんを癒し面倒をみるように、仰せつかったのでしょうか。
ちゃちゃ子が誤食して、一晩入院してしまいました。いつもはお姉ちゃんをおちょくってばかりのぽんずもかなり心配したようで、退院してきたらべったりで側を離れなかったそうです。

by ふみちゃん 2018-02-06 15:11

羨ましい施設ですね。私の両親がお世話になっている施設も、ももちゃんやきららちゃんがいたらどんなに癒されることでしょう・・・。ももちゃん、きららちゃん、ちゃんとお仕事してますね。みんなに可愛がられて幸せそう♡

by ぺったんの母 2018-02-06 16:17

ねこと犬がいるだけで、こんなにも笑顔が広がる施設になる。それぞれが思いやってやさしい時間が流れて、職員さんたちも癒されていますね。どこの施設も「不潔だ不衛生だ」とか拒否でなく、共存できるのだと考えをシフトしてもらえたら、もっと同じような施設が増えるのじゃないかな~~なんて、考えちゃいました。
「認知症にあたえる動物の影響」(お固いですが)もつとアピールして下さいね!!

by あずにゃん 2018-02-06 16:31

>ふにゃたもさん

猫とお年寄り、老犬とお年寄りは、とってもよく似合う風景だと思います。
皆さんの可愛がり方があっさりしていて、猫も気楽そうでした。

by 道ばた猫 2018-02-07 02:32

>マムさん

NNNは、全国津々浦々のホームに、猫を派遣してほしいものです。
こんな優秀なスタッフはいませんもの。

by 道ばた猫 2018-02-07 02:34

>ふみちゃんさん

あらあら、ちゃちゃ子さん、たいへんでしたね。
ぽんずちゃんも心配したのね、やっぱりきょうだいですね~~

by 道ばた猫 2018-02-07 02:36

>ぺったんのお母さま

モモちゃんきららちゃん、名コンビです。
やっぱり動物のいる暮らしは、認知症の方の心をやさしく刺激して、進行予防にとってもいいと思いました。

by 道ばた猫 2018-02-07 02:40

>あずにゃんさん

はい、どんどん猫のいる老健施設での、猫の効用を発信していきたいです。
とにかく入居の方に言葉と笑顔が増えること間違いなし!

by 道ばた猫 2018-02-07 02:43

なんて可愛い三毛猫さん、そしてなんて優しいお顔のわんちゃん!と思ったらグループホームじゅらくさんのスタッフさんだったのですね~♪たまりませんね!!
そして……またまたちゃんとわきまえているきららちゃんにモモちゃん!!すごいなぁ☆人間も見習わないとということばかりです。
ここのグループホーム、素晴らしくてとっても素敵ですね!私もいつの日かお願いしたいです(*^_^*)来週も楽しみです♪

by とも 2018-02-08 07:04

きららちゃん、美人さんですね!2年前に認知症の父親を見送りましたが、在宅介護している時に最初のネコ、まるが家族になりました。病気のせいもあり、怒りっぽくなることも多かった父親が、まるを見ると「かわいいねえ」と笑顔になっていたことを思い出しました。セラピーキャットとして、保護猫が介護施設で家族として迎えていただける取り組みがもっと拡がっていくと素敵ですね。来週のお話も楽しみです!

by あべんぬ 2018-02-08 09:48

>ともさん

猫のいるグループホームが各市町村にできたら、いいなあ!
いろんなタイプの猫が複数いたら、もっといいなあ(笑)。

by 道ばた猫 2018-02-09 00:57

>あべんぬさん

認知症などで余計な言葉を操らなくなった人間と、そもそも言葉なしで生きていける猫とは、言葉など介さなくても深いところでちゃんとコミュニケーションが取れるのだと思います。「かわいいねえ」は、丸さんにバッチリ伝わっていたことでしょう。

by 道ばた猫 2018-02-09 01:07