[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

うみちゃんは、推定３か月半のキジ白の看板娘。



大きなサングラスや手袋の棚にちょこんと座っていますよ。
何のお店でしょう？



「ヘルメット着用」の貼り紙もあります。



オーナーさんが自転車のタイヤゴムの作業をしているそばで、うみちゃんが一人遊び。

もうおわかりですね！
そう、うみちゃんのいるお店は、主にロードバイク（スポーツ用自転車）を貸し出すお店なのです。



オレンジ色のお店は、神奈川県の三崎漁港に近い三浦海岸に面していて、その名も
「三浦うみかぜレンタバイク」。
うみちゃんは、よく窓から海を眺めています。

すっかりこの店のアイドルとなっているうみちゃんですが、生まれて６週～８週くらいのとき、ノラ母さんとはぐれたのか、ひとりぼっちで寒空の下で震えていた子でした。



去年の１２月３日のこと。海沿いの大通りにほど近い小道の石段の下で、うみちゃんはうずくまって震えていました。
そこへ通りかかったのが、三浦うみかぜレンタバイクに行く途中の、なじみ客のひとりのケイコさん。
目ヤニだらけの子猫は、くしゃみをして鼻水も出ていて、見るからに弱っていました。

京子さんは、急いでお店に行って「そこに弱った子猫がいる」と知らせます。
店長のリエさんとふたりで、もう一度子猫のところへ。
「まだ小さいね。このままだと死んじゃうね」と、リエさん。
お店に戻って、オーナーさんに「店で飼えないかなあ・・」と直訴します。
「無理だろ―」と言いながらも、オーナーさんは、自転車好きのお客さんで作っている「チームうみかぜ」（ケイコさんも一員）の会長さんも伴い、ケイコさんの案内で、石段に。
子猫は車がひっきりなしに通る大通りに向かって歩き始めていたところでした。

お店に戻るオーナーさんの手には、うみちゃんが抱かれていました。
「見に行くということは、もう連れて帰るということですから」と、なんとも懐の深いオーナーさん。
あたたかい場所に連れてこられたうみちゃんは、安心したのか、抱っこした人の肩までよじ登って、首に顔を埋め、うとうとし始めました。



子猫育て係を受け持った店長のリエさんは、猫を飼うのは初めて。でも、お客さんで猫を飼っている人たちがいろいろアドバイスしてくれて、その日のうちに店内に、ベッドやらトイレやらの「うみちゃんコーナー」ができました。
獣医さんに連れて行くと、猫風邪と結膜炎の診断。
日中は、スタッフみんなで面倒を見て、夜は店長またはオーナー自宅に連れ帰るという日々が続きます。
目をひっかかないよう、エリザベスをつけられたうみちゃんでしたが、みるみる元気にかわいくなっていきました。



うみちゃんは、すぐに、スタッフも、出入りのお客さんもメロメロにしてしまいました。
もともと、スタッフもお客さんも猫好きが多かったのですが、うみちゃんは、６０年犬派を通していた海風チームの会長さんも、コロリと猫派にしてしまいました。



このお姉さんが、うみちゃんを見つけてくれた、いのちの恩人のケイコさん。



仕事の合間に、うみちゃんを囲んで楽しそうなみなさん。
左後ろの、一番笑顔がはじけているのが、店長のリエさんです。
じつは、うみちゃんが来てから、リエさんにはある悩みが生まれました。

「うみちゃんが可愛すぎて、もう、うみなしでは生きていけなくなってしまいました。どうしよう・・・」ですって。
元気になったうみちゃんは、いまはお店にお泊りしているのですが、「朝、ドアの内側で迎えてくれる姿がもうたまらない！」そうです。



うみちゃんに会いたくて、チームのメンバーがお店に集まる回数もぐんと増えました。



おやつやおもちゃもみんなが持ってきてくれます。
もともとアットホームなお店なのですが、うみちゃんがきてから、いっそうアットホームに。



海岸は、まだまだ冷たい風が吹いていますが、店内は、うみちゃんを囲んで一足先に、もうあたたかな春がやってきているようです。




☆ 三浦うみかぜレンタバイク ☆
神奈川県三浦市南下浦町上宮田３３１６－４
京急三浦海岸駅から徒歩５分。ロードバイクは、初めての方でも楽しめます。

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