ページ内を移動するためのリンクです。
ここからメインコンテンツです

[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

道ばた猫日記

2017年11月21日

開業祝いは......猫!

橋を越えれば茨城県の水郷地帯。
千葉県香取市にある「はな動物病院」は、2015年5月に開業。
夜間診療も往診もひきうけてくださって、相談ごとにもとても丁寧に答えてくださると評判のハルヨ先生は、笑顔がとってもチャーミングな方です。

待合室に入ると・・・。

20171121-1.JPG

真っ黒な猫が目をまん丸にしてお出迎え。
すぐに近寄ってきてくれました。のあちゃん、2歳です。

20171121-2.JPG

「この子は、誰にでもフレンドリー。かなりのオテンバなんですよ。窓から外に出ちゃって、高い看板の上の高いとこに座ってたこともありました」」と、ハルヨ先生。
まさに看板猫ですね!

20171121-3.JPG

同じくまん丸な目で、初めての来訪者にはちょっと距離をとっているのが、小哲くん。
のあちゃんの兄妹で、ブラックスモークの子です。

20171121-4.JPG

「この子の特技は、ドアを開けること。他の2匹はいつも小哲に誘導されて入ってきます」

えっ、もう一匹?

「ほら、そこに。かごラブオトコの寅次郎です」

20171121-5.jpg

「寅次郎は、待合室に置いてある販売用のフードの袋を噛みちぎって、他の2匹にもふるまうので、困ってるんです。しかも、4キロ入りとかの大袋を(笑)。この子は、のあや小哲とはきょうだいではないのですが、同い年の保護猫同士、仲良く、3きょうだいのように育ちました」

3匹は、どんな縁あって、ここにやってきたのでしょうか。
その前に、ハルヨ先生が獣医さんになったわけをお聞きしたくなりました。

先生は、子どもの頃から、ずっと動物たちと暮らしていて、動物の命に関わる仕事がしたいといつしか思い定めたそうです。
獣医の資格を取り、隣の市の動物病院で働いていた先生が自分の病院を開業したいと思ったきっかけは、アメリカで動物医療に関わったときの経験からだとか。

「日本では、いっしょに暮らす犬や猫が病気になったり老いたりしたら、つらくとも最後まで手を尽くして見送るのが、飼い主さんの共通の思いだと思います。だけど、アメリカでは、「安楽死」の判断をすぐに飼い主さんが下すのに、ほんとうにびっくりしました。そのときの経験から、動物のターミナルケア(終末期医療)までをしっかりサポートできる動物病院を自分で持ちたいと、思ったのです」

2年前の5月。病院開業で、てんやわんやの前日。
前の病院のスタッフたちが、「はい、開業祝い!」と届けにきたのが、保護されたばかりの小哲くんとのあちゃんでした。

その半年後。生後2日でやってきたのが、やはり保護されたばかりの寅次郎くん。

20171121-6.jpg

地元ボランティアの方から頼まれて、ミルクボランティアを引き受けたのですが、手放せなくなり、3匹目の猫に。
のあちゃん兄妹もまだ小さかったので、いっしょにすくすく大きくなりました。

それだけではありません。
同じ頃、やってきた子犬もいます。コロちゃんです。

20171121-7.jpg

ノラの子で、幼い兄弟たちは次々と車にはねられ、1匹だけ生き残っていたのを、やはり前の職場のスタッフが保護して連れてきました。
怖い思いをして生きていたので、今でも車が怖くてたまらず、人前にも出てこないのだとか。
ハルヨ先生やご家族の愛情に包まれて、少しずつ恐怖は消えていくことでしょう。

縁あって、はな動物病院にやってきた猫3匹と、犬1匹は、今、とても大切な任務をもって待機しています。

20171121-8-2.jpg

それは、交通事故や難病などで緊急手術が必要な犬や猫に、手術時に「供血」するという、大事な役割です。
まだ、その任務を役立たせる場面には出遭ってなのですが、動物病院に供血してくれる犬猫が複数待機しているということは、大きな安心です。
(供血する犬猫たちに、供血の際または供血後のダメージはなんらありません)

20171121-9.JPG

ハルヨ先生は言います。
「来院する犬や猫の病気や不調は、私が治しているのではないんです。動物たちは、本来、自分で回復していくチカラをちゃんと持っているんです。私は、飼い主さんのご相談に乗って、いちばんいい治療をいっしょに考え、お手伝いをしているだけ」
「動物さんたちは、どんなに年を取っても、いっしょにいるだけで、私たちにしあわせをいーっぱいくれますものね」

20171121-10.JPG

小哲くん、のあちゃん、寅次郎くん・・・・3匹同じ年に引き受けたはいいものの、ハルヨ先生の気がかりは......。
「みんな同い年だから、みんな一緒に死んじゃうよ~~~。今から、それを思うと悲しくて悲しくて、涙が出ちゃう」
こんなあったか獣医さんなら、何でも安心して相談できますね。

20171121-11.jpg

先生、寅次郎くんが、かごの中から、慰めていますよ。

20171121-12.JPG

「ぼくたち、揃ってうんと長生きするから、ずっとずっと先のことだよ~。泣かないで」って。


「道ばた猫日記」から書籍が生まれました。

satoyamanoko.jpg
里山の子、さっちゃん
動物たちはやさしく、気高い。助け合い、ともに生きる猫たちの物語。

shiawaseni.jpg
しあわせになった猫 しあわせをくれた猫
フェリシモ猫部の心温まるブログ、完全版として待望の書籍化!


写真

道ばた猫日記ライター紹介

佐竹 茉莉子(さたけまりこ)

フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。取材先の町々で出会った猫たちのしたたかけなげな物語を、写真と文で伝えるべく、小さな写真展を展開中。飼い猫4匹。馴染み猫数しれず。
『しあわせになった猫 しあわせをくれた猫 』(辰巳出版)、『里山の子、さっちゃん』(辰巳出版)好評発売中。

カテゴリ: 道ばた猫日記

この記事を気に入ったらいいね! してニャ

  • ツイート
  • いいね!

みにゃさまのコメント

供血は、我が家の愛犬、ロンがしています。三年前くらいにドナー登録をして、今まで二回くらい提供しました。彼女は病院嫌いではないので、ご褒美は貰えるし、大好きな人間と会えるので、少しも嫌がらず供血しています。娘によると、提供を受けた子が元気になってくれるのが何より嬉しいそうです。のあちゃん達も、命をつなぐリレーに参加できて、素晴らしいですそして、ずっと、ずっと元気でいてほしいです。

by ふみちゃん 2017-11-21 15:50

何も用事がなくても覗いてしまいそうな動物病院ですね。3匹の看板猫ちゃん、ゆったりとしていて癒されそう。先生も優しさオーラがいっぱい出ていますね。なんと私と同じ名前!ますます親近感です♡頑張ってくださいね。

by ぺったんの母 2017-11-21 17:25

素敵な病院ですね。うちの子もここならもう少しリラックスしてくれるかな~? 小哲くん、のあちゃん、寅次郎くん、コロちゃんもかわいくて。本当に用がなくても立ち寄りたくなります。

by さりゅ 2017-11-22 01:04

>ふみちゃんさん

ロンちゃん、2度も供血してくれたんですね。おりこうさん。
猫たちの互助に拍手!

by 道ばた猫 2017-11-22 01:39

>ぺったんのお母さま

そうなんですか、ハルヨさんですか!親近感湧きますよね~
ちなみに「はな動物病院」の「はな」は、ご実家にいたワンちゃんの名だそうです。

by 道ばた猫 2017-11-22 01:44

>さりゅさん

はい、猫さんたち、それぞれとってもキュートでした!
さぞ、動物や飼い主さんに寄り添った診察をなさっているのでしょうね~

by 道ばた猫 2017-11-22 01:49

なんて温かくて素敵な動物病院なのでしょう(*^_^*)のあちゃん、真ん丸おめめと真っ黒さんで可愛い~♪赤い首輪が大変お似合いですね!
こてつくん、寅次郎くんも間違いなく可愛いです♪そしてころちゃん。なんてまた良い表情で可愛いのでしょう~!ずーっとみていたくなります♪どの子もほんとに可愛い、みんな、素敵な先生たちにみつけてもらえて良かったね、幸せね(^-^)
こんなぽかぽか心が温まる動物病院でしたら、動物だけではなく人間も健康に元気になりそうです!

by とも 2017-11-22 06:58

動物病院は年中無休で夜間診療あったらなぁと思ってしまいますね〜
かなかな難しいとは思いますけど。
動物は言葉が話せないぶん親身になってくださるかかりつけのお医者様があると安心です。生き死にに関わるお仕事尊敬します❣️
小哲ちゃんのあちゃん寅次郎ちゃんコロちゃんの任務カッコ良すぎ

by ふにゃたも 2017-11-22 15:50

>ともさん

そうですね!
ハルヨ先生の願いも、、動物も人も一緒にしあわせになることなのだと思います~

by 道ばた猫 2017-11-23 01:28

>ふにゃたもさん

夜中の急変とかありますから、せめて町にひとつは夜間診療の動物病院があるといいですね~。持ち回りででも。

by 道ばた猫 2017-11-23 01:34