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[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

ネコノミストの研究室

2017年06月29日

捨て猫・野良猫さんに出会ってしまったら     

猫部のみにゃさま、こんにちは。ネコノミストの武井です 梅雨ですね。そして、春の発情期から約2ヶ月、猫の出産の季節でもあります。私の周りにも、「近所の軒下で野良猫が子猫を産んだ!」「どうやって里親を探したらいいの?」「信頼できる里親サイトはどこ?」といった相談が寄せられるようになりました。

私は、田舎育ちのため、小さい頃から野良猫の子猫の保護をしたり、里親募集活動をしてきた経験があり、改めて野良猫を保護することになった場合の手順を、簡単ですがまとめてみることにしました(これらの手順は、私が子猫を拾った場合の対応手順であり、獣医さんの意見も伺って実施してきたことですが、ケースバイケースの対応が必要となります。まずは猫を拾ったら、獣医さんや周りの猫に詳しい方にお尋ねすることをお勧めします)。

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野良猫の子猫たち

ねずみ算ならぬ猫算?

猫の保護方法についてお話しする前に、猫の妊娠・出産について、少し補足致します。猫は、ご存知の方も多いと思いますが、生涯にたくさん子猫を出産します。栄養状態や環境にもよりますが、生まれてから半年から1歳の間に妊娠が可能となり、その後、妊娠期間はわずか2ヶ月のため、年間2回程度出産が可能です。1回の出産で4~6匹が多いように思います。

2016年の猫の平均寿命は、2016年で15.04歳(ペットフード協会『平成28年全国犬猫飼育実態調査 全国犬猫飼育実態調査』)で、出産の年齢を8歳くらいまでと仮定すれば、1匹のメス猫は、7年間×2回×5匹=70匹の子猫を出産すると推定できます。

ただし、上記の平均寿命は、飼い猫(かつ多くが室内飼い)で不妊手術を受けているケースが大半だと思われます。

一方、野良猫の平均寿命は、諸説ありますが、5年前後と言われることが多いようです。そこで、ある野良のメス猫が5年間のうち仮に4年間を妊娠可能期間とし、年1.5回の出産で5匹ずつ出産すると仮定した場合は、4年間×1.5回×5匹=30匹の子猫を生むことになります。そのうち半分がメスだとして、また野良猫になると、15匹×4年間×1.5回×5匹=450匹・・・(続く)・・・と、ねずみ算ならぬ、「猫算」で野良猫が増えていくことになります。そのため、不幸な猫を減らすにはTNR活動が重要と言われています(別の回にて、海外のTNR活動の事例も紹介します)。

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生後1ヶ月未満の子猫


猫に出会ったら!

さて、本題に戻ると、もしあなたたが野良猫らしき猫さんたちに出会ったら、こんな方法があると思います。

1)子猫の場合
・まずお母さん猫がそばにいるか確認し、もし母猫とはぐれた、または明らかに捨てられたと思われる子猫の場合、月齢に応じてケアが必要となります(乳飲み子を拾ってしまった場合は、3-4時間おきにケアが必要となり、働いている人は対応がとても難しいです・・・)。

・生まれたて、もしくは目も開いていないほどの子猫は、体温の調節が出来ませんので、湯たんぽやカイロを布で包み、温かい環境に置くようにしましょう。

・体が汚れていても洗うのは控え、温かい濡れタオルで拭いたりして清潔に保ちましょう。

・早めに獣医さんに連れて行き、健康チェックをしてもらい、育児(猫)の指導を仰ぐこととお勧めします。

・緊急の場合以外は、牛乳ではなく子猫用のミルクをあげるようにします。量は体重、月齢、健康状態により変わります。1日数回、注射器のシリンダーやスポイト(書道用のスポイトが便利)で与えます。月齢1~2か月になれば、ドライフードやウェットフードに徐々に切り替えられると思います。

・また、本来は母猫がすべき排出サポートも必要です。1日に数回、温かくした濡れタオルで、子猫のお尻をそっとなでて排出を促しましょう。
排出が自分で出来るくらいまで成長したら、小さな箱に猫砂やペットシートを引いて、トイレのしつけを行います。

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里親さんの募集は、様々な方法があります。

① お近くの動物愛護相談センターに相談
「行政=保健所=殺処分」というイメージがあるかもしれませんが、現在は行政によっては、地元のNGOと協力して、できるだけ殺処分を減らそうと様々な取組みを行っています(第3回ネコノミストの研究室参照 )。行政から地域で活躍する信頼できるNGOの方を紹介してくれる場合もあるかもしれません。

② 動物保護団体に相談
・動物愛護相談センターに協力・登録している団体に問い合わせをしてみる方法もあります(例:神奈川県の動物保護センターでは、登録ボランティアの一覧を掲載 しています)。

フェリシモ猫部さんの支援先 のNGOは、猫部さんの審査を通った実績のある組織です。そういった信頼の置ける団体さんに相談してみるのも良いかと思います。

③ インターネット等で里親募集をする
・インターネットの里親募集サイトもたくさんあります。どのサイトが信頼が置けるか、については、まずはご自身でいくつかのサイトを確認してみてください。サイト管理者の動物愛護・管理に対する姿勢、譲渡と飼育の条件に対する考え方(トイレしつけ、不妊・去勢手術、ワクチン、お届け方法、譲渡・飼育時の条件等)、サイト利用者の雰囲気、掲載されている情報、譲渡実績等から信頼が置けそうかを判断します。

・地元のコミュニティ紙やSNSに写真や譲渡条件を掲載するという方法もあるでしょう。獣医さんによっては、診察した捨て猫の里親募集の掲示をしてくれるところもあるようです。

・それまで里親募集をしたことがない人にとっては、他の保護主さんの譲渡の条件は非常に参考になるかと思います。時に、他の保護主さんの猫の譲渡条件が厳しすぎる(一人暮らし・独身の飼い主、高齢の飼い主者は譲渡しない、脱走防止の柵が取り付けられていないお宅には譲渡しない等)と感じる人がいるかもしれません。ただ、そういった条件は、子猫が引き取られたお宅で再度不幸にならないようにとの配慮から設けている条件でもあります。また、幸運にも里親さん候補が見つかった場合にも、メールや電話でのやり取りから、動物の虐待等の危険がなさそうか、また、できれば里親さんのご自宅を確認し、これから過ごす猫の環境まで見られればベストかと思います。


2)母猫もいる子猫の場合
・母猫がいる場合、行政やNGOから保護ケージを借りてきて、母猫と子猫を保護することも一案です。出産直後と子猫が小さいうちは、母猫も警戒心が強く、気が立っている場合が多く、保護は非常に難しいと思います。周りの保護団体さん等にも相談してみてください。

・母猫・子猫ともも保護し、しばらく体調をみながら、子猫は上記の方法で、母猫は、次の発情期の前までに不妊手術を行った後、母猫も子猫と同様、里親さんを探すことが出来ることが一番望ましいでしょう。やむを得ず地域猫としてリリースせざるを得ない場合もあるかもしれませんが、地域の「さくら猫活動(TNR活動)」をしている方・団体とも相談すると良いかもしれません。


3)成猫の場合
・近隣に「探し猫」のポスター等がないか、近くの動物病院に問い合わせたり、動物病院に連れて行けるようであれば、マイクロチップが埋め込まれていないか確認し、もし埋め込まれていればその情報を元に飼い主に連絡が可能です。

・地元の保護団体さんの里親サイトを確認し、保護した猫が、迷い猫になっていないか確認する方法もあります。

・もし残念ながら飼い主さんがいないようであれば、動物病院で健康チェックをしてもらった後、ご自身で飼うか、里親を募集するかを決めなくてはなりません。里親を募集する場合でも、出来るだけワクチンや不妊・去勢手術はご自身で行っておきましょう。自治体によっては、野良猫の不妊・去勢手術に補助が出るところもあります。

・現在の里親募集サイトには沢山の野良猫が里親さんを待っている状態であり、多くの猫たちが、すでにトイレのしつけ済み、不妊・去勢手術済み、ワクチン接種済みとなっていることから、それらのケアが出来ていない猫はどうしてもディスアドバンテージにならざるを得ません。また、子猫に比べて、成猫の方が里親さんを見つけづらいことも確かです。ただ、成猫は、一般的に落ち着いており、飼い主さんや先住猫さんとの相性さえ合えば、飼いやすいともいわれます。


猫に「出会って」しまったら、命を預かるものとしての責任が伴います。時々、「自分はたまたま猫に出会ってしまっただけで、責任も費用負担も負いたくない」という相談も受けますが、発見者責任としてできる限りの誠実さを持って、できるだけの対応をして欲しいと願います。

御参考までに、欧米では、動物保護団体のNGOが猫のレスキューも実施しており、母猫・子猫を見つけた場合、素人が保護するよりも、レスキュー専門家が、保護、ケア、里親募集まで、一括して対応することを推奨しているようです(米国サンフランシスコのSPCAのウェブサイト「子猫を見かけたら」 )。アニマルレスキューについても、後ほど調べてまとめてみたいと思います。

武井泉

ネコノミストの研究室ブログライター紹介

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北 洋祐

京都大学経済学部卒業。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの研究員として、中小企業政策、スタートアップ企業政策の研究に従事。一匹の野良猫を保護して飼い始めたことをきっかけに猫派となり、それ以来ライフワークとして動物愛護分野の研究にも勤しむ。2016年からは、人と猫の望ましい関係について考え発信する「ネコノミスト」として活動。現在は元野良猫のシンスケと保護団体から譲り受けたゴマの2匹とともに暮らす。好きな猫マンガは伊藤潤二『よん&むー』

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武井 泉

市立高崎経済大、東京大学大学院卒業。独立行政法人の研究所等を経て2007年より三菱UFJリサーチ&コンサルティングに入社。アジア・アフリカの国際協力事業(農村開発、社会保障等)や、ハラール市場についての業績多数。2015年より、ネコの幸せと人との共生を考える「ネコノミスト」としても活動を開始。現在、5歳の2匹の元保護猫と暮らす。これまで一緒に暮らした猫は40匹以上にのぼる。趣味は、園芸と、海外出張の合間のネコ撮影、ネコグッズの収集。

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みにゃさまのコメント

3)成猫の場合
飼われていた形跡があるのならば捨て猫との判断はせずに、まずは迷子として対応するのが良いですね。

こちらのブログには何故か記載されていませんが、迷子猫を保護したら7日以内に警察と保健所、動物愛護センターに遺失動物の届出がないか問い合わせしましょう。

猫部ブログは猫の保護主(譲渡人)を「里親さん」と記載したりと詰めが甘い。

by 名無し 2017-07-02 15:43

がんばれ!

by 名無し 2017-10-29 14:46

取り敢えず保健所という普遍的な対応を最初に書きましょう。逃げた飼い猫なら保健所に連絡が行くでしょうし。多くの場合、猫が生き延びる事の重要性は低いので、いかに生き延びさせるかは後の方に書けば十分です。

by 名無し 2017-12-24 18:25

by 木村真弓 2018-01-03 20:52