[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

猫又トリップ

2016年12月21日

猫は感動を与えてくれるもの

体全身がかゆくてたまらない！なぜだろう？
岐阜県にお住まいの大塚康子（おおつか・やすこ）さんは原因不明のかゆみに2〜3ヶ月悩まされたそうです。理由は野良猫を家に迎え入れたからでした。ノミめー！！

甘えん坊めー！！

汚い猫だ、捨ててこい！

黒白猫の名まえは「のの」（女の子）ちゃん。生後6ヶ月の時に保護して現在17歳です。ののちゃんがおうちに来る前、大塚家には先住の犬と猫が1頭ずついました。だからご主人は「うちには（犬と猫が）もういるし、汚い猫だ、捨ててこい！」と反対の姿勢でした......、が3日後にはご主人の膝の上でゴロゴロ。ののちゃんの洞察力、アピール力が上回りご主人も折れ、家族の一員に。もう廃屋の冷たい床での生活には戻りたくない！心底思っての行動が功を奏したのかもしれません。ののちゃん良かったね（涙）。

先住猫のまーちゃん（3年前、15歳没）とも仲良く過ごし、いま大塚家にはののちゃんを筆頭に7匹の猫がいます。それも全て保護ネコだといいます。康子さんの行動には感謝しかありません。放っておけない性分もあるようですが、どうして？猫から康子さんに寄ってくるそうで......。一軒家の隣には同居している息子さんの飲食店があります。これも無関係ではありません。ある日、外のゴミ箱をあさる子猫（7番目のチビ）を発見し保護したことも。この頃、康子さんの心境にも変化が、「拾ってやった」ではなく「来てくれたんや」と次第に思うように。猫との生活でお世話はそれなりに大変ですが、それ以上に喜びを与えてくれましたと。

長老ののちゃんを取り囲むかのような陣形！！ののちゃんまでたどり着くのか！？

変化！た、たどり着けない！

個室を用意

目も鼻もガビガビでやせ細った状態で保護されたののちゃん。いまも目と鼻が詰まりがちで匂いが嗅げないためか？そこまで食にはうるさくないとのこと。市販のカリカリとウエットフード（15歳以上用）をゆっくり気ままに。多頭飼いで難しい食事管理は個室を用意して対応しています。他にも食べるのが遅い「クロ」ちゃんにも特別室が設けられるそうで、がっつく「ナナ」と「チビ」にご飯を横取りされることもなくなりました。

4番目のクロちゃん。

5番目だけどナナ

7番目のチビ。ゴミ箱を漁ってた過去から今も食への執着心が強い。

気がつけば7匹

幼い日に「猫を飼いたいなぁー」とばく然と思っていた康子さん、気が付けばいま7匹の猫と同居しています。猫の性格も多頭飼いによって違いがわかり、相性の問題や食事管理を部屋分けすることにより解決してきました。これもストレスを軽減させるという猫又への道なのでしょう。

飼ってみて食費・医療費などの「お金」も、お世話のための「時間」も当然かかるとわかりましたよ、としかめっ面のその表情に、どこか照れ隠しや大人の余裕さえも感じます。それ以上に得るものがあるんだなぁと私も容易に推測できました。「猫が人を選ぶ」ですかね。人間に選ぶ権利なんてないのかも？！「これ以上、寄ってこられても困る！」と康子さんは言いますが、果たして！？

日当りがいいねー。

ののちゃんどこいった？

6番目の「しろ」。別名「チロミ」。

ねむねむ。

「拾ってやったなんて人間の思い上がり。猫は飼ってあげるものではない、感動をくれるもの」と康子さん。がんが見つかって入院していたご主人が一時自宅へ戻ったとき、それを知ってか知らずか、ご主人のそばから離れなかったというののちゃん。「汚い猫だ、捨ててこい！」なんて暴言を吐いたご主人は、どれほど救われたことだろう。勇気と感動をありがとう。