ページ内を移動するためのリンクです。
ここからメインコンテンツです

[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

道ばた猫日記

2016年10月11日

愛の魔法

抱っこが大好きな、見るからに甘えん坊なこのハンサムボーイは、とってもシャイで、ちょっとビビり。
でも、とっても賢くて思慮深い子です。

20161011-1.jpg

さて、お気づきの方ははたしてどのくらいいらっしゃるでしょうか。

名前は、リオくん。
そう、6週間前の「リオくんイケメン化プロジェクト」で、ご紹介した子です。
8週間前の、酷暑のさなか、ひどい皮膚病で目もつぶれ、道ばたでころがって助けを求めていたあのリオくんです。
別猫のようでしょう?

20161011-2.jpg

あの日、死の淵にいたリオくん。
通りかかったユウコさん母子に気づいてもらい、チセさん宅の預かり猫として治療を受けてきました。
化石のようだった姿から、治療の甲斐あって目が開き、かさぶたの下からは美しい瞳が現れました。

20161011-3.jpg

不安感から射るような目つきではあったものの、おとなしく治療を受ける扱いやすい子でした。
保護当初、4週間の予定だったケージインが、念のため6週間となり、さらに念のため8週間となったのは、保護した時の状態があまりにひどかったためでした。

リオくんはその間、おとなしくケージインのまま治療を続け、完治した時に去勢手術も受けました。
8週間たってケージフリーの今、イケメン化プロジェクトが大成功だったのは、誰の目にも明らか。

20161011-4.jpg

里親募集を開始する予定のリオくんでしたが、去勢手術の後、チセさんのおうちから、世話をしてくれたチームの一員のおうちへ移りました。リオくんを4匹目の猫に迎えようと考えてくださったのでした。パパも二人のお兄ちゃんたちも、心からリオくんを歓迎し、かわいがろうとしたのですが・・・・。

リオくん、ママにだけは甘えるのに、男の人が怖くて怖くてたまらず、固まったままだったのです。声をかけただけで、シャ~~、フウ~~!
きっと外にいた時、男の人に怖い思いをさせられたのでしょう。
1週間後、これ以上ストレスを与えては可哀そうだと思ったチセさんは、リオくんを再び引き取ることを決めました。

それは、チセさんにとって、「リオをうちの子にする」と決めたということでした。
リオくんは、心のなかで決めていたのかもしれません。ボクのおうちは、ここ、と。
あの日、ユウコさんからのSOSで、ケージをもって飛んできてくれたチセママ。ボロボロの汚いリオくんをダイニングで預かって、チームのみんな(ユウコさん、ミサさん、ルイさん)に手伝ってもらって、朝も昼も夜も面倒を見てくれたチセママ。「リオはいい子、おりこうさん。早くイケメンになろうね」といつも話しかけては撫でてくれたチセママ。

「リオの家がわが家だったことは、いま思えば、拾った時から決まっていた運命だったのかも」と、チセさんは言います。

20161011-5.jpg

リオくんの大好きなものは、ママのお膝の上と、ちゅ~〇です。
「あっ、リオのやつ、またママからちゅ~〇もらってる!」と、呆れ顔の先住猫の風太くんとナッツちゃん。 (この後、ちゃんと自分たちももらいました)

20161011-6.jpg

先住猫は風太(14歳。公園に捨てられていた)と福音(10歳。全盲の子猫のとき、公園に捨てられていた)とピ―とナッツ姉妹(8歳。公園生まれ)の4匹です。
みんな攻撃性のないおっとりさんなので、リオくんも新入りながらのびのびとしています。たま~にナッツ嬢に気合を入れられているようですが、気にする風もありません。
さあ、おやつタイム。風太くんと福ちゃんがお待ちかね。

20161011-7.jpg

ピー・ナッツ姉妹、早く来ないと、食欲旺盛なリオくんにもう一皿食べられちゃいますよ~

20161011-8.jpg

リオくん、保護時は2・9キロだったのが、今では5・5キロ。
毛が生えそろってうれしいのか、食後の毛づくろいは、人一倍、丁寧にするそうです。

とにかく甘えん坊のリオくん。ママの行くところ、ついて回って、「抱っこ、抱っこ、抱っこ」とせがみます。
抱っこしておろすときは、「いやいやいや」とばかり、しがみつきます。
夜は、ママがベッドに入ると、すぐさま右隣を占領。ゴロゴロゴロと満足して眠ります。

こんなに甘えん坊でビビリの子が、どんな思いで外で暮らしていたのでしょうか。
抱っこされたのは初めての経験なのか。それとも、捨てられる前の遠い記憶なのか。
想像すると、胸が詰まります。
もう一度、8週間前と比べて見ましょう。

20161011-11.jpg

まるで別猫のような変貌を遂げたリオくん。
一匹の路傍の猫にチセさんたちがかけた「愛の魔法」を見せてもらったような気がしました。

写真

道ばた猫日記ライター紹介

佐竹 茉莉子(さたけまりこ)

フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『猫との約束』『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」、辰巳出版WEBサイト「コレカラ」にて「保護犬たちの物語」を連載中。

Instagram

カテゴリ: 道ばた猫日記
  • ツイート
  • いいね!

みにゃさまのコメント

リオ君にどんな記憶があるのでしょうか?男の人が苦手なのは、
動物病院で知り合った方にも、きっと虐待があったのかも知れませんねと言われました…こんな状態で、助けようと思った裕子さん、すぐに駆けつけたチセさん☆
リオ君にも大拍手を送りたいです♪不幸な猫、捨て猫が
早くこの世から無くなりますように…猫を愛するあまり☆結成された、私たちの絆を作ってくれた、沢山の猫たちに感謝します。

by ミサまま 2016-10-11 12:32

え~っ!結局、チセさんのところで暮らすことになったんですね。
ケージを片付けに行った時、リオ君が居なくなって、ひどく淋しそうだったので。結局そういう巡り合わせだったんですね。
それにしても、リオ君、全くの別猫状態で、可愛くなっていたんですね。過酷な境遇から、今は幸せ一杯・・・。良かったです。

by Hirayama 2016-10-11 12:51

「リオくんイケメン化プロジェクト」の結果を楽しみにしていました! 
別猫さんのようにイケメンになって! 本当に愛の魔法です。
でもこの姿が本来のリオくんだったのですよね。
助けてくださってありがとうございました。 
いつか男の人にも優しい人がいるってわかってくれたらいいですね。 うちの子も最初は、ほうきなど長い棒状のものを持つとおびえました。 野良時代に怖い思いをしたんだろうな・・・

by さりゅ 2016-10-11 15:02

リオくん、イケメンさんになりましたね^ ^
上手く伝えられずもどかしいのですが、リオくんの写真の表情がまだ、こわばっている?遠慮している?様に見えますね。早く心を開いて天真爛漫な笑顔が見られます様に。

by みろりん 2016-10-11 15:27

リオくん、すっかりイケメンになって^^
安心できるお家が出きて良かった!

我が家の先代猫は首輪はしていましたが野良生活をしていて
友人の家に保護されました。縁があって我が家に来ることになったのですが
初めての猫さんだったので、段ボールが嫌い、紙袋も嫌い
ガサガサ音が鳴る物が嫌い。と猫らしくない猫さんで
色々驚いたものです。きっとお外で嫌な思いでもしたのだろうと
思って居ましたが、本猫に聞いてみたかったものです。

by チェレスタ 2016-10-11 15:50

一枚目の写真っ、あ!リオ君だ!とすぐわかりました。ずっと気になってましたから。

もう、絶対離れない!といった感じでしがみつくように甘える姿に、彼の過酷なこれまでを想像し、思わず涙。

この姿を想像出来たとしても、あのリオ君を前にしたら、私は手が出せなかったかも。
リオ君に関わった皆様に心からのありがとうと、ささやかでも自分の周囲にいる幸せになってほしい猫たちのために、頑張ることを誓います!

by 桜さくら 2016-10-11 16:20

リオくん、思った通りイケメンでしたね。幸せになって本当に良かったです。それにしても、彼の過去には何があったんでしょうか?虐待されていたのは容易に想像はつきますが、あんな姿になるまで放置して、酷暑の中放り出したとしたら、これはもう立派な犯罪です。娘の病院にも、妊娠中の子を蹴りつけて流産させて、うるさいから黙らせろとゆうとんでもない飼い主が来たそうですが、このような者が生き物を飼うことじたい間違っています。命を預かるとゆう事を自覚して欲しいです。

by ふみちゃん 2016-10-11 16:23

「リオイケメンプロジェクト」がスタートしてから、リオはイケメンまっしぐら! 昼夜を問わず、リオを見守り世話をしたチセさんの愛情にリオがみごとに応えてくれました。リオが保護されて初めて対面したとき、お盆だったこともあり「仏様の猫だ」となぜかそんな思いがよぎりました。同じマンションの猫仲間が少しずつ増えていって絆も深まっていきます♪ 猫のちからって すごい! リオはいま先輩猫のフクと仲良くごはんを食べています。にゃんげんたちとの繋がりを広げていってくれる猫たちに感謝!

by ruineko 2016-10-11 21:21

リオを5番目の猫に迎えました。
リオの幸せを願って送り出したあと、ポッカリと心に穴が開いた自分に気がつきました。
寂しくても我慢をしていましたが、絡まっていた糸がスルスルとほどけた時私の手にリオと糸が繋がっていました。
リオも初めての夜からすんなりと私の横で寝るようになり、他の4匹の猫たちと私のベットを占拠し、私は小さくなって寝ています(笑)。
ケージインの間はネコママ達が来ても甘えていたのですが、フリーになったら意外とビビリでした。
玄関のチャイムが鳴ると姿を隠してしまいます。

この写真も抱いている時は緊張していました。
いつもはノビノビとした表情をしていますので、みろリン様ご安心ください。

皆様に見守っていただき本当に有り難うございました。
これからは4匹の先住猫と一緒にリオと仲良く暮らしていきます!

by チセママ 2016-10-11 22:18

>みさママさん

臨機応変に知恵とハートを寄せ合って、いろんな方法で猫を救っているミサさんたちは、猫だすけの鏡だと思います! 一匹救うたびに絆が強まる・・・すてきですね~

by 道ばた猫 2016-10-11 23:53

>hirayamaさん

ケージを融通してくださったんですね、ありがとうございます!
そうでしたか・・・リオ君を送り出した後のチセさん、ひどく寂しそうだったんですね。めでたしめでたしで、よかった!

by 道ばた猫 2016-10-11 23:58

>さりゅさん

そう、さりゅさんの言う通り、本来の姿なんですよね。変貌というより本来の姿に戻してくれた「愛の魔法」というのが、正解でしたね~ 

by 道ばた猫 2016-10-12 00:02

>みろりんさん

チセママがコメントしてくださってますけれど、リオ君、お客さんが来たら緊張しちゃうんです。ママと一緒の時は、もうごろんごろんの、のびのび坊や(3歳くらいですけど)らしいです。

by 道ばた猫 2016-10-12 00:06

>チェレスタさん

段ボールや紙袋で捨てられると、トラウマで、箱や袋が怖いというねこさん、案外います。初代ネコさん、どんな記憶と重なったんでしょうね。

by 道ばた猫 2016-10-12 00:10

>桜さくらさん

すごい! 一目でリオ君とわかったなんて。リオ君のための涙、ありがとうございます。
そして、ささやかでも頑張ると言ってくださって、とてもうれしいです。

by 道ばた猫 2016-10-12 00:14

>ふみちゃんさん

同じ猫のこの変貌は、逆の場合、愛らしい猫が捨てられて、路頭に迷い、皮膚病にでもかかれば、ひどい面相になるということでもあるわけで・・・そんな逆の変貌は絶対にあってはなりませんね!

by 道ばた猫 2016-10-12 00:18

>ruinekoさん

最初にルイさんがまいた猫助けの種は、ずいぶん町に芽を出しましたね。その種があちこちに飛んで行って、どんどん広がるといいな~

by 道ばた猫 2016-10-12 00:23

>チセママさん

5匹のかわいい子たちに囲まれたチセママさん。
手をかけただけ、いっぱい親孝行を返してくれますよ~
そばにいるだけでも、ね。

by 道ばた猫 2016-10-12 00:27

とても気になっていたリオ君の最新状況のご報告有難うございます。リオ君!!暖かいお家の子になれて本当に良かったね。o(^o^)o 辛い事もあったけど、これからはチセママさんのお家で幸せに暮らせるのだから・・・。リオ君イケメンプロジェクトの皆様の暖かい心に頭が下がる思いです。

by 山猫 2016-10-12 01:30

〉チセママ様
〉佐竹様
お返事ありがとうございます。
我が家は家族に動物アレルギーが出てしまい、泣く泣く愛猫を手放したので(2匹共に元野良でした)ブログを拝見すると、いつも胸を締め付けられます。
皆様の活動で1匹でも不幸な子がいなくなる事で、癒されております。
リオくん、単に緊張していただけなのですね^ ^
チセママ様やご家族、同居猫さん達の愛情で、きっとますますイケメンさんに磨きがかかりますね♡

by みろりん 2016-10-12 05:26

本当に良かった。リオ君見違えるようにイケメンになりましたね。♡♡♡お目がとっても丸くなりました。ぺったんもそうでしたからよ~くわかります。早く悲しい過去を忘れてほしいです。
4匹の先住ニャンコさん達と仲良くできそうですね。良かったです。

by ぺったんの母 2016-10-12 10:22

ゲージ生活 8weeks、リオは文句も言わずホントによく頑張りました。エラかったね~
チセママの愛情をい~っぱい受けて 見るも無残な可哀相な姿から まぁるい顔の見違えるような可愛いネコに変身! イケメン化プロジェクトも ほぼ完成した今、チセママとしっかり繋がった赤い糸で これからますますイイ男に変身していくことでしょう。
拾った私たちとは 残念ながら糸は繋がりませんでしたが、チセママと4ニャンと暮らす 安心してのびのびしているリオに会いに行くほうが ほんわか温かい心地よさを感じています。
リオを気にかけて見守って下さった皆様 ありがとうございました。

by ゆーこ 2016-10-13 01:31

>山猫さん

リオくんのその後で安心してくださいましたか?
リクエストの茶太郎くんのその後も、そのうちお伝えしたいと思っています。お楽しみに!

by 道ばた猫 2016-10-14 10:12

>ぺったんのお母さま

そうそう、可愛がられると、猫の目はどんどんまあるくなっていくんですよね。
リオくんはお顔までまあるくなりました。きっと、そのうち体型も(笑)。

by 道ばた猫 2016-10-14 10:17

>ゆーこさん


ゆーこさん母子に会わなかったら、リオくんの今はありませんでした。ゆーこさんちにあのままいても、きっと少しずつ馴れていったと思うけど、とにかくリオがそばにいるときのチセママのお顔を見ていたら、やっぱりあの二人は赤い糸で結ばれていたのね~

by 道ばた猫 2016-10-14 10:22

涙がでました。
本当に よかった。
蘇生の素晴らしさ
ありがとうございます。見せていただけて
感動しました。

by ちゅうちゅう 2016-10-14 22:22

>ちゅうちゅうさん

適切な治療、愛の魔法、そして、動物が持っている蘇生力。それにしても、はじめにさしのべた手がなかったら・・・。リオくんは強運な子です。

by 道ばた猫 2016-10-16 07:44