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[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

道ばた猫日記

2016年08月23日

子猫がやってきた!その④・・・・「やんちゃ王子メメくん」

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田中家訪問5分後に、私の白い籠はメメくんに乗っ取られてしまいました。
中に入っていたものすべて、ひっかき出されて、ごらんの通り。すでにメメくんの陣地です。

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大きな目が印象的なメメくんは4カ月のいたずら盛り。
「もうやんちゃでやんちゃで...」と言いつつ、可愛さを隠しきれない麻衣子さんと、お父さんお母さん。
ついこの前まで、猫はもう飼わないと思っていたのですが...。

田中家では、はじめて飼った「ミーちゃん」という茶トラの雄猫を、22歳で、4年前に見送っていました。
台風の日に裏庭に捨てられていた子猫でしたが、新築だったため、お父さんは飼うことに反対。当時小学校1年生の麻衣子さんとお兄ちゃんとお姉ちゃん、そしてお母さんまでが泣いて頼んで、お父さんに許しを得、、飼い始めたそうです。飼ってみれば、お父さんがいちばんの猫可愛がり。
亡くなる年の10月からオムツとなり、大みそかに老衰で天国へ。たっぷりと愛されたしあわせな一生でした。

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「穏やかで優しい、ほんとうにいい子でした。母も私も、いつまでもミーちゃんが忘れられず、思い出しては涙、涙。テレビでミーちゃんに似てる子が出てると、目で追って、また涙という日々でした」と、麻衣子さん。
今年4月、お父さんが定年になって時間にも余裕ができたことから、「猫を飼おうか」「でも、ミーちゃんと比較することになって新しい猫は可哀そう」といった会話が交わされ、飼うことにふんぎりのつかないまま過ぎていました。

そんなある日。
「見て見て。可愛いよ!」
麻衣子さんが指さしたのは、ミルクボランティア由梨さんのフェイスブック。里親を募集してるよ、と知人から教えてもらったのです。
そこには、6匹の仔猫がもつれあっていました。

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由梨さんのもとへと、その子猫たちに会いに行ったのは、連休前のこと。
他の猫の2倍もありそうな大きな目が印象的だった子をもらうことに。
中野区で生まれたノラの子で、保護先の獣医さんから保育と里親探しを託され、由梨さんのもとへやってきた子でした。
赤ちゃんのときは、こんな。

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麻衣子さんたちが面接に行ったときは、まだひと月もたってない頃。
当時、メメくんは、「モヒカ」と呼ばれていました。皮膚炎治療の注射の副作用のためか、毛が抜けて、頭部がモヒカン刈り状態だったのです。 

  猫というものはみな、ミーちゃんのようにおっとりした生き物だと思っていた田中家でしたが・・・。

6月になってやってきた子猫メメは、ミーちゃんとは全く違うタイプでした。
とにかくそこらじゅう走りまわって遊ぶやんちゃっ子。走り出すと、すばしっこくて捕まりません。スピーカーの中に入り込んでしまい、探し回ったことも。今も、家じゅうが何をしでかすかわからないメメちゃんに振り回される毎日です。
でも、遊び疲れて、コトンと寝落ちするときの愛らしさといったら!

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麻衣子さんがこっそり教えてくれました。
「メメがやってきて、一番変わったのは父なんです。もう、メメにメロメロデレデレなんですよ。あんまり口数の多い方じゃなかったんですが、よくしゃべるようになりました。メメにもしょっちゅう話しかけてます。『メメちゃん、どうした?ん?お腹空いたか』なんて。ご飯係に名乗りを上げて、自分だけいいとこどり。母はトイレ係で、私は遊び係。メメと鬼ごっこしたり、背に載せてハイハイしたりは、若くなきゃできませんから(笑)」

ミーちゃんが亡くなった後、さびしすぎて、でも、新しい猫を迎えるのはつらすぎて、金魚を飼い始めたのだとか。「あんずちゃん」と名づけ、みんなで話しかけているうちに、どんどん大きくなり、今や20センチに。
そのあんずちゃんに、メメちゃんは興味しんしん。
「あんずちゃんは先輩なんだからいたずらしないでね」と言い聞かせてはいるものの、目を離すと水槽をのぞき込んでいるメメちゃんに、みんなで冷や冷やの毎日です。

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麻衣子さんのお兄さんもお姉さんも結婚してご近所暮らし。お子さんは合わせて4人。メメちゃんが大好きで日参してきます。ですから、メメくんは、計11人もの愛情を浴びて育っているのです。王子さまですね。
「ミーちゃんを亡くした時は、ミーちゃん以外の猫なんて絶対に飼わないと思ってました。ミーちゃんとは全然ちがうやんちゃさんだけど、この家の子になってくれてありがとうと、メメには感謝です。外出してもすぐ家に帰りたくなっちゃうんです」と、麻衣子さんは笑います。

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やんちゃ王子メメくん。

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そのうち、きっとミーちゃんに負けないくらいの風格ある優雅な猫になることでしょう。

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子猫のうちは、うんとやんちゃしなくちゃね!
あ、メメちゃんてば、私の籠、ガジガジしないで~~。

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お知らせ・・・4週にわたってご紹介した子猫たちは、みなミルクボランティアの由梨さんが愛情込めて育て上げた保護猫たちです。
今発売中の「猫びより9月号」の「私にもできる猫助け」特集では、「可哀想な子猫に出遭った。さあ、どうしますか?」と題した記事で、由梨さんの活動を紹介させていただきました。みんなで猫のためにできることを考える特集です。ぜひ手に取ってみてください。

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道ばた猫日記ライター紹介

佐竹 茉莉子(さたけまりこ)

フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『猫との約束』『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」、辰巳出版WEBサイト「コレカラ」にて「保護犬たちの物語」を連載中。

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カテゴリ: 道ばた猫日記
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みにゃさまのコメント

息子が今年の春から一人暮らしを始め、我が家は中年夫婦だけの生活になりましが、猫のおかげで家の中が灰色にならずにすんでいるんだと思います(^-^;
田中家もメメちゃんのおかげでハビハビハッピーですね~
それにしてもミルクボランティアさんの愛情ある子猫育てには敬服いたします

by にゃにゃ 2016-08-23 12:12

(猫びより)読ませて頂きました。とても考えさせられました。猫が嫌いな人、無関心な人と解り合うことの大変さは本当によくわかります。今、仮住まいしてる家の近所にもいます。無関心な人が。えさやりだけして、子猫が生まれたら(捨てるからいいんだよ)更に(息子が勝手にえさやりしただけだから、自分には関係ない)といい放ちました。避妊するように言うと、そんなの金がかかるだけで、つまらないとも言いました。こんな人がいるんです。怒りより哀しくなりました。世の中の猫がこんな人間と関わらなくてすむことを願いました。ミーちゃんや、めめくんみたいな幸せな子が一匹でも多く増えますように。

by ふみちゃん 2016-08-23 15:12

メメちゃん愛情独り占めですね。家族のみんなも本当に幸せそう。良かったですね。私も猫助けしたのかな・・・。通いネコだったちい子母さんが2匹の子猫を連れてきて、悪戦苦闘のすえ保護しました。ぺったんもあとから来た通いネコです。4匹になりうちの夫の会社の取締役に就任しました。でも まだまだ見かける町内のノラ猫たち・・・心が痛みます。うちに来たら・・・悩みます。回覧板にノラ猫にエサを与えないでくださいというメッセージもありました。確かに迷惑している人達もいること・・・複雑ですね。地域猫達と共存できる世界になることを望みます。

by ぺったんの母 2016-08-24 09:51

>にゃにゃさん

やっぱり家の中に、「もう、なにやってんだか~」「なに考えてんだか」っ、笑わせてくれたりジタバタさせられたりの、予定不調和の生き物がいるというのは、いいですよね~
nyaaくん、二人を頼んだぞ(笑)。

by 道ばた猫 2016-08-24 12:37

>ふみちゃんさん

猫が苦手な人、興味のない人がいる子とは、ある意味仕方のないことですが、
せめて、猫に危害だけは加えないでほしい。
そして、猫が好きな人同士は、手をつないで、猫助けのうねりを作っていきたいですね!

by 道ばた猫 2016-08-24 12:42

>ぺったんのお母さま

4匹の猫助け、ありがとうございます!(わが家も常時保護猫5~6匹いました)
猫助けが社会に浸透するには、困ってる猫にスッと差し伸べる手があって循環していくこと。地域の人間同士が仲良く暮らすこと。その二つが一緒に進んでいかないと叶わないのでしょうね。

by 道ばた猫 2016-08-24 12:48

ミルクボランティアの由莉さん、尊敬します。本当に猫を愛している方ですね。うちには1ヶ月過ぎの子猫がいますが、ミルクを卒業していても大変な時もあります。ですが、本当に可愛くてメロメロです。猫を飼うのは20年ぶりですが、里親になれて幸せです!

by にゃーちゃんママ 2016-08-29 14:46

>にゃーちゃんママさん

20年ぶり!の子猫ちゃん(にゃーちゃんっていうのかな)、どんなに愛しいことでしょう。
大変なこともあるでしょうが、どうぞ末永く、共にお幸せに。

by 道ばた猫 2016-09-01 00:56