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[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

道ばた猫日記

2016年06月07日

「命をつなぐ」...その③「順送りの愛」

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陽のあたる場所で仲良くお昼寝をしている猫たち。
右のキジトラが「デコ」くん(5歳)。左の茶白が「きなこ」くん(2歳)。
そして、真ん中は・・・白い枕ではありません。白猫の「幸(ゆき)」くん(6歳)が、2匹の枕になってあげています。

3匹共に保護猫。飼い主の佳代子さんは、自宅でトリマーや要介護犬のお泊り預かりなどをしながら、動物病院でも動物看護士として働いています。
5年前、保護されて、この家にやってきたのが、真っ白い子猫でした。
しあわせに、とのねがいから「幸」と名づけられたその子は、今では、風格あるオッドアイの白猫に。

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まもなくやってきたのが、ノラ母さんから生まれたキジ猫。おでこだったので「でこ」と名づけられました。
自分と3カ月しか違わない新入りを、幸お兄ちゃんは、それはそれは可愛がりました。
階段を上がれないでこを、上から心配そうに見守ったり、後ろに回って応援したり。

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そんなでこくんも、いまでは、マスカット色の瞳が綺麗な、フレンドリー猫さんに。

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そして、2年前、きなこがやってきました。
きなこは、埼玉県内の道路の真ん中で、段ボールに生後間もなくのきょうだい4匹で置き去りにされていたところを、「アリスの会」で保護。
会の協力医である、佳代子さんの動物病院に健康チェックでやってきて、佳代子さんちの3匹目となったのでした。

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たちまち、3匹は仲良くなりました。ことに、でこは、きなこにガジガジ耳をかじられて噛む練習台にされても、なすがまま。
抱きかかえて眠ってやります。

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ベランダで、大・中・小のしあわせなひととき。

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きなこくんも、いまでは、こんなにカッコイイ男前の茶白さんに成長。

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大きくなっても、保護猫同士、縁あってこの家で兄 弟となった3匹の仲の良さは変わりません。

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キッチンの片隅に、こんなピンナップ・コーナーがありました。

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子どもたち二人の小さい時の写真。以前に飼っていた猫たちの写真。幸くんたちの写真。
「おかあさん、おべんとばこかってくれてありがとう」と書かれた、娘さんの小さいときのお手紙もあります。
そう、ここには、佳代子さんの大切なものが、ギュッと詰まっているのです。
佳代子さんは言います。
「猫が年老いて旅立っていくのも、ニンゲンに捨てられていのちをつないでもらうのも、やってきた保護猫たちが順送りに愛を注ぐのも、要介護犬のありのままの姿 も、うちの子どもたちは見てきました。いのちをつなぎ、命を見送ることを実際に見て、いろんなことを感じる。それって、とっても大切なことだと思うんです」

そうそう、きなこくんは、埼玉県内で保護されたのですが、このほど桶川市の「ニャンニャン大使」に任命されるそうです。(といっても、イベントなどに引きずり回されるのではなく、動物愛護の象徴としてしあわせになった保護猫の代表で名誉職に)。おめでとう! 保護猫を家に迎えることへの関心が少しでも高まっていきますように。

※お知らせひとつ。お花屋さんで保護されている生後1か月半ほどの3姉妹の里親探しのお手伝いをすることに。
里親探しの場を提供してくださったのは、「猫ねこ 展2016」開催中の松山庭園美術館(千葉県匝瑳市)。
11日土曜日11時~15時くらいまでサロンに仔猫たちがやってきます。
「猫を迎えようかな・・・」と思っていらっしゃる方は、ぜひ会いに来てください。こんなに可愛い姉妹です。
すべての猫が、私たちに愛することや大切なことを教えてくれる「ニャンニャン大使」なのだと思います。

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写真

道ばた猫日記ライター紹介

佐竹 茉莉子(さたけまりこ)

フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『猫との約束』『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」、辰巳出版WEBサイト「コレカラ」にて「保護犬たちの物語」を連載中。

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カテゴリ: 道ばた猫日記
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みにゃさまのコメント

3人共素敵なお宅に保護されてよかったですね~(*^^*) 愛されて育てられたから、次の子達にも優しくできるんですよね‼ 心がじんわりあたたかくなりました(*^▽^*)

by あるとはは 2016-06-07 14:26

今週も素敵なお話をありがとうございます

by ふみちゃん 2016-06-07 21:50

コメントが途中でとぎれてしまい、失礼しました。4月から新たなご縁等と調子のいいことを書いておきながら、大変心苦しいのですが、自宅の新築が急遽決まって、今の状況で子猫を迎えるのが難しくなってしまいました。新居が完成して落ち着いたら今度こそ新たなご縁を探します。

by ふみちゃん 2016-06-07 22:10

佐竹さんの言うとおり。
全ての猫が「にゃんにゃん大使」だと
私も思います。

ほっこりするお話、ありがとうございました。

by よーこ 2016-06-08 00:02

>あるとははさん

男の子のいるおうちに赤ちゃんが生まれるのと同じに、
「おにいちゃん、面倒見てやってね~」っていうのがちゃんと伝わるんでしょうね~

by 道ばた猫 2016-06-08 01:48

>ふみちゃんさん

おうち新築なさるんですね~ しばらく大変でしょうが、楽しみですね!
猫との縁は、ほんとうに思わぬときにやってきますから、焦らず、ゆっくりが一番だと思います。

by 道ばた猫 2016-06-08 01:53

>よーこさん

はい。うちにもニャンニャン大使がごろごろしています(笑)。これまで巡り合った猫たちもみな、みごとな大使たちでした~ 

by 道ばた猫 2016-06-08 01:58

順送り、心にしみる言葉です。

4匹の猫飼いですが、4匹目の新入りを保護した時
一番心配したのが3匹目のお嬢様猫でした。
へその緒がついた状態で保護し、寝食を削って育てた結果
「ワタシが一番!」に育ってしまって。
しかし、新入りの面倒を見たのはその仔でした。
自分の倍ほどでっかくなった弟猫を変わらず可愛がっています。
弟というよりは、子分ですが(笑)。

今日も姉が弟につぶされそうになりながら一緒に寝ています(暑)。

by ぼんぼん 2016-06-10 23:11

佐竹さん、
命をつなぐ、順送りの愛、なんて素晴らしい、泣けて来ます。
猫達には教えられる事ばかりです。
道ばた猫日記を時々、読み返すのですが、何度読んでも、泣ける話ばかりです。特に、警戒心を解かなかった黄色さんが、最後に目に涙をためてサヨナラを言いに来た話…
私が生涯で初めて知り合いになったみー太を見ていただきたくて、フェリシモ猫部のfbにビジター投稿しました。

by 佐藤 眞弓 2016-06-11 13:49

ぼんぼんさん

大きくなった弟分に押しつぶされそうになりながら、くっついて寝てるの図。想像するだけで微笑ましい。毎日眺められるぼんぼんさんは、しあわせをいっぱいもらってますね!

by 道ばた猫 2016-06-12 09:28

>眞弓さん

ミー太くんの写真を投稿してくださってありがとうございます! シャイでやさしい顔のイケメンですね~(もっとやんちゃ顔かと思ってた笑) ミー太くんが見られてうれしい。いつまでも仲よく。

by 道ばた猫 2016-06-12 09:39

佐竹さん
みー太の写真を見ていただき、ありがとうございました。
そして、イケメンと褒めていただき、いつまでも仲良くとメッセージをいただき、本当に嬉しいです。最近は台所の戸口で待ち、ご飯を半分食べてはゴロンと横になり、又食べてと繰り返し、2、3時間休んで行きます。みー太ん!と呼ぶと、シッポが動き目が細くなるんです。
私のfbは、親しい友人や従姉妹や元同僚に限定していましたが、もしもの心配もあって、みー太の事は投稿していませんでした。
でも、みー太のことを私と私の家族以外の誰かに、そしてどーしても佐竹さんには見ていただきたくて、一回限りの投稿をしました。
これからも、道ばた猫日記を楽しみにしています。

by 佐藤 眞弓 2016-06-12 10:18