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[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

わんにゃん支援活動

2015年10月06日

「アニマルレスキューシステム基金(ARSF)」さまの活動レポート(2014-15後期)

フェリシモ猫グッズの販売額の一部である「フェリシモの猫基金」、フェリシモメリーポイントの「動物たちの保護と飼い主探し支援」、 毎月ひと口100円「フェリシモわんにゃん基金」等でみにゃさまからご支援をいただいている団体さまの活動レポートです。

実施場所:神戸市/福島県

【神戸】ガス処分の完全廃止を確認
2013年度まで運営した「No Moreホームレスアニマルクリニック(灘区)」を拠点に実施した集中的な繁殖予防対策(約8000匹)の成果として、神戸市が動物管理センターでの引き取り総数の大幅減少を理由に、愛護市民の最大の懸案事項だった「炭酸ガス窒息処分法」を2014年度に完全廃止したことが公式に確認されました。

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1.
被災地神戸の路上から大量に救出された仔猫たちがいたのは事実。全国の善意の力によって年間1000匹の処分を逃れても、5年で1000匹のリバウンドが訪れた。初動の遅れは正に命取りだ。
2.
中途半端な対策を打つよりも専門クリニックを一つ開設することで結果は見事に出た。外にいる猫たちの繁殖を止めたいという「不妊手術の潜在的な需要」の掘り起しが連鎖的に生まれた結果だ。
3.
手術がすっかり浸透した灘区では、開業時に138匹だった年間処分数が7年続けて減少し、9匹にまでなった。
二度のフィールド調査では灘区の手術浸透率が75%を超えていることを確認。
4.
本会のクリニック閉院から丸2年が経過した。市内の個人病院で安価に手術が受けられるようになったものの、2015年度の動物管理センターでの引き取り数は横ばいか微減が予測される。
それに伴って安楽死法に切り替わった後も、処分の基準そのものを厳格にするため、本会の強い働きかけで「致死処分承認簿」を新たに導入して頂きました。これは、処分に至るまでの一次・二次選定という「書面記録」を残させることで、ノラ猫であっても個々の案件を公文書開示請求の対象にでき、同市との協議を飛躍的に前進させました。

【福島】2600匹の繁殖予防事業 更なるフィールド追跡調査の継続
福島県に安価で迅速な手術法(マッキー法)を導入するべく、12月に「フクシマスペイクリニック」の獣医師が津波被害の大きかった地区の病院を訪問して技術交流を行いました。これにより、県民が以前の3分の1程度の負担で外猫たちの不妊去勢手術を受けられるようになりました。

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▲南相馬市では放浪犬の存在が以前から確認されていた。原発事故後の初動の遅れ、継続監視と対策の欠如が生み出した結果、このような仔犬が連続的に生まれている。
飼い主が檻の中に不妊手術をしない母犬を残して仮設住宅に避難している。そこに原発事故後ずっと放浪する雄犬がフェンスを乗り越えて交配するため仔犬はいくらでも生まれる。飼い主の男性は猟師。血統を守るため頑なに不妊手術を拒否するため、このようなケースでは交渉は難航することが多い。

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◀獣医師だけが獣医師にメッセージを伝えることができる。一般人が考える以上に獣医師という人間は職人であり、職人が職人に敬意払うからこそ「技術指導」が成り立つ。安く、早く、丁寧に手術することで、助かる命の総数が大きく違ってくることを、遠藤文枝先生が福島で伝えてきた。
原発から20〜30km圏の村々と津波の被害地域の繁殖状況の調査を2月〜8月期まで継続して実施します。これまでクリニック事業の約2600匹の繁殖予防の成果を実感しており、特に410匹を不妊去勢手術した飯舘村では、手術済の証である「耳カット」をしていない猫を見つける方が難しいほどの状況です。

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▲2月末の飯舘村での調査で偶然出会った猫。右耳がVカットされているのを見て皆が胸をなでおろす。この瞬間の気持ちは、被災地に通い続けたボランティアさんに共通する思い。もう増やしたくない。

<ご支援くださっているみなさまへ>
フェリシモ基金様を通じて頂いた皆様の寄付金が、どのような状況の改善に繋がっているのかを今後も発信して参ります。この度の神戸市の大転換は、行政での動物の引き取り拒否によるものではなく、繁殖予防対策の結果引き取り依頼数が大幅に減少したことが最大の理由であることを評価して頂けましたら大変嬉しく思います。


「アニマルレスキューシステム基金(ARSF)」
http://animalrescue-sf.org/
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