[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

ご長寿猫を探して、今回私が向かったのは、人気猫ブロガーの加藤恵利子さんのお宅。

恵利子さんの家には、上からキジトラのマロンちゃん（18歳・女の子）、アビシニアンのアビちゃん（16歳・女の子）、アビシニアンのルディちゃん（13歳・女の子）の3匹の猫がいます。

毎日が楽しい女子会ですね。


（ん？あなたは誰？）
ぼーっと、起き抜けのマロンちゃん。口もとの白部分、好みです！

わが家に猫がやって来た。

マンションから一戸建てへの引っ越しを機に、念願の猫生活をはじめようと思っていた恵利子さん。
タイミングよく、いつものぞいていたペットショップで「子猫の里親募集中！」と張り紙されているのが目にとまります。

早速店員さんに話を聞いてみて、恵利子さんは悩んでしまいました。
なぜなら里親募集は3きょうだいの子猫だったから。
3匹全員を引き取ることはできないし、かといって選ぶことも......。

恵利子さんが冗談のつもりで「うちの子になる人！」（ひとじゃないけどw）と声を掛けたら、「ニャー」と元気に返事したのがキジトラ柄のマロンちゃんでした。

このときの季節が秋で、恵利子さんの好きな栗の色に似ていたことから「マロン」と命名。
去年18歳の誕生日を迎えたご長寿猫です。


出窓が人気スポットだと容易に推測できます。晴れた日はここで日光浴。

来るものを拒まずなマロンちゃん

「争いごとを好まず温厚な性格」のマロンちゃん。私が抱いてもまったく嫌がりません。恵利子さん曰く「マロンは来るものを拒まず」だそうです。

マロンちゃんの毛並みは空気を含んでいて、とても柔らかくフワフワ。そして子猫のような、でもすべてを知っているかのような眼差しで、私のカメラのレンズを見つめてくれました。

老猫は、まるで子ども返りしたようで愛おしいです。


「なんだか騒がしいニャー」
子猫の眼差しで大人目線のマロンちゃん。


恵利子さんのことが大好きで、いつもべったりだったマロンちゃんですが、最近はだんなさまの膝の上に乗ることがあるそう。マロンちゃんにどういう心境の変化があったのかはわかりませんが、だんなさまの喜びは容易に想像できます。
猫からすり寄ってこられることは私たち猫飼いにとって至福のときですからね。






遊びもまだまだ現役です！


妹のアビちゃんが遊びに参戦！

次女はマイペース

私が加藤さんのお家に到着したときは、2匹の猫が日当りのいい出窓で眠っていました。

マロンちゃんともう1匹はアビシニアンのアビちゃん（こちらはダイレクトに命名されたようですｗ）。こちらもご長寿猫の16歳です。

カメラのセッティングが終了し、さて撮るぞ！という段階になっても。2匹は出窓から動きません。




「あの、客人来てますよー。」


待つこと数十分。やっと「般若の顔」でお出迎えのアビちゃん。


私があいさつ代わりにアビちゃんを抱きかかえると「降ろしてー！」と訴え始めました（笑）。
マロンちゃんと違ってアビちゃんは抱っこが嫌いみたいです。
マロンちゃんと正反対の、「人前で甘えられない性格」を如実に表しているなぁ......。

アビちゃんは長女のマロンちゃんよりも機敏で、運動能力もまだまだ高い。
おもちゃの獲物をロックオン→狩る→もてあそぶ姿は現役バリバリです（笑）。
これが16歳？というアビちゃんの若々しさに驚かされました。






うちの16歳の猫と比較して、このアビちゃんのスピードにはビックリ！

加藤家の食事メニュー

朝は6時半、夜は16時。間食（おやつ）もあります。
18歳のマロンちゃんはちょこちょこ食べのドライフード派。15歳のとき、歯がきれい！と動物病院で賞賛されたそうです。
キドニーケアや腎臓サポートなどの療養食より、シーバが好き。
2年前に首の悪性腫瘍の大手術を行い、それ以来、朝晩甲状腺の薬を飲んでいます。現在体重3.5kg。

16歳のアビちゃんはミルク、チーズ、ヨーグルトに納豆！？などの発酵食品が好きだそうです。ほかにもジャガイモやコーンも食べる、食に対して好奇心旺盛な猫です。
皮膚トラブルでステロイドを使っていた時期もありましたが、それを乗り越え、いまは健康体。現在の体重3.8kg。

病気を乗り越えて長生きしている2匹の姿が、とても頼もしく見えました。


「きょうは猫ちゃん、居ないんですかー？」
宅急便のお兄さんもチェックする加藤家の出窓。

ルディちゃんが潤滑油

加藤家はマロンちゃん、アビちゃん、それに13歳のルディちゃんの多頭飼育です。

マロンちゃんに対して全幅の信頼を寄せるルディちゃん。そして子猫だったルディちゃんを、まるで母親のように育てたアビちゃん。

それはまるで、女の子だけどお父さんみたいな存在のマロン、お母さんみたいなアビ、子どものルディという、「家庭内猫家族」のようです！

親は子の面倒をみて、子はいつまでも親に頼る。
親同士はときにはすれ違い、ケンカもするけど、子どものことを第一に考える。
そんな疑似親子関係が加藤家の猫たちにおける長生きの秘訣なのかも知れません。
マロンちゃん、アビちゃんがご長寿でいられるキーニャンは、三女のルディちゃんだったのです。

2匹より3匹の方が刺激的でいいのかなぁ。
現在2匹飼いの私は、わが家の猫家族構成について深く考え始めたのでした。


加藤家のキーニャンのルディちゃん。


じつはルディちゃん、目が見えないのです。
生まれつきではなく、2013年ころ、突然に。
それに気づいた2匹の姉たちはそれまで以上にやさしく接しているそうです。
そうか、家族は見えない糸で固く結ばれているのか。




終了ニャー。


「20歳を過ぎないとおばあちゃんって呼ばないわよ！」
と言った恵利子さんの言葉がいまでもココロに残っています。
冬なのに、このお家あったかすぎます。



ケニア・ドイ ファースト写真集『 ぽちゃ猫ワンダー 』（河出書房新社）好評発売中