ページ内を移動するためのリンクです。
ここからメインコンテンツです

[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

道ばた猫日記

2015年01月20日

光のなか

寒い日が続きます。
それでも、お日さまのあたる場所でくつろぐ外猫たちや、人の温もりに寄り添って灯りの中に佇む猫たちに出会うと、あったかーい気持ちになります。

nekoblog216_光の中①.jpg

珈琲豆店「yagi-coya」の窓から差し込む光を受けて、好奇心いっぱいのチャイくんの瞳はいつもピカピカです。まだ1歳。
夏の産廃処理場で脱水症状になっ ていたところを救われた仔猫。お店に来る人々にも可愛がられて、光のなかですくすくと成長中です。

nekoblog216_光の中②.jpg

蕎麦処の中庭の縁台で冬日を浴びて、うつらうつらしているのは、かなりのお歳の猫さんのようです。ご近所の飼い猫だったそうですが、飼い主のおばあちゃまが亡くなられて、いまは、この店の中庭で3食日光浴付きのご隠居生活をさせてもらっています。のんびり長生きしてね!

nekoblog216_光の中③.jpg

冬の初めの海辺。猫も海を眺めるのです。
茶白の地元猫と旅人の私。波のきらめきと午後の柔らかい光をひととき共有しました。

nekoblog216_光の中④.jpg

牧場の猫、ネコ助。仔猫の時、ビニール袋に入れられて木の枝に吊 るされて、カラスに狙われていたのを、危機一髪で牧場のかたに保護されました。
いまや逞しき牧場猫。高い木にも一気に駆け上ります。お日さまにより近づこうとしているかのように。

nekoblog216_光の中⑤.jpg


我が家の三毛猫ナツコさん。
もう20歳近くになりましたが、まだまだ目ヂカラは健在。冬はもっぱら光のなかで惰眠をむさぼっています。
仕事の締め切りがあるとき、ナツコになりたくなります。

nekoblog216_光の中⑥.jpg

昨年11月、都内の喫茶店「ポロン亭」に立ち寄ったとき、保護されて里親募集中の白い子猫2匹が店内を飛び回っていました。
その1匹が、ふと窓外に気をとられ、すっと背伸びを。後姿のシルエットが、窓から差し込むやわらかな光の中でとても綺麗だったので、パチリ。
その後、2匹は一緒のおうちにもらわれていったそうです。

nekoblog216_光の中⑦.jpg 

道ばた猫日記「アタシたちの母さん」で紹介した子猫。
この漁村に弟猫と2匹で捨てられ、漁港生まれの若い猫に育てられていました。
遊び疲れて、漁具の上でひと休みする小さないのちを、冬日が慈しむように包み込みます。

私が道ばたで出会った猫の写真を撮り始めて9年。夜の猫の写真ばかり撮っていた時期もありました。
なじみの猫を何匹も何匹も見送って、友人や身内も何人か見送って...ふと気がついたのです。このところ光のなかにいる猫の写真がなぜか多くなっていることに。
なぜ、私は猫の写真を撮り続けているんだろう、と思ったとき、「猫たちは私だったんだ」とも、気づきました。

いのちあるものは、みな光のなかに生きて、光のなかに帰っていく。そんな思いに辿り着いています。(私は無宗教ですけれども)
だって、光のなかにいる猫は、ほんとうに幸せそう。お日さまさえあれば、もう何にも要らないよ!と言わんばかりの表情です。
ああ、生きてるね。みんな一緒のいのちだね。余計なものは要らないね。そんな気持ちになります。

生まれてきたからには、どの猫もどの猫も、光のなかで、周りから慈しまれて生きてほしい。
今、川口市の喫茶店「カフェドアクタ」で開いてもらっている写真展には、そんな思いを込めました。
お日さまの光だけでなく、町の灯、家の灯り、人の温もり・・ ・も「光のなか」としています。

nekoblog216_光の中⑧.jpg

2月21にちまで。
お近くの方は、お立ち寄りいただけたら、嬉しいです。
ネロくんの秘密」でご紹介済みの、子熊のようなネロくんも待っています~

nekoblog216_光の中⑨.jpg


写真

道ばた猫日記ライター紹介

佐竹 茉莉子(さたけまりこ)

フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『猫との約束』『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」、辰巳出版WEBサイト「コレカラ」にて「保護犬たちの物語」を連載中。

Instagram

カテゴリ: 道ばた猫日記
  • ツイート
  • いいね!

みにゃさまのコメント

それぞれ境遇や環境が違っていても、どのコも本当に幸せそうで嬉しくなってしまいました。
(ノラ出身の)我が家で飼っているネコも、朝日が昇る前に窓際の定位置に座り、毎日のように朝日を浴びています。その姿は凛々しく、なんだか神々しい感じなのです。
いつも素晴らしい写真と心温まるお話をありがとうございます!

by リリー 2015-01-20 10:29

かわい〜猫ちゃん達を見せて下さって有難うございます。
野良ちゃん達がのんびりしているのを見ると癒やされます。天気の悪い寒い日などは公園の猫達がきになったりして心が痛みます。
我が家の猫2匹も捨て猫だったので...。道ばた猫日記をみると和みます。これからも楽しみにしてます。

by まろすけ 2015-01-20 12:21

「命あるものはみな光の中で生きて光の中に帰って行く」
私も無宗教ですが、とても素敵な表現ですね♡
生まれてきたからには、どの猫さんも光の中で平和に人と共存し天寿全うして欲しいですね♡
気持ち良さそうに目映い太陽を満喫する猫さん♡
言葉ない程に幸せ感が伝わってきます♡
♡温〜かくなるお話ありがと♡

by イクラ 2015-01-20 15:50

光の中、猫ちゃんたちはとてもいいお顔。
うちの猫もひなたぼっこしてる時は、至福の表情・・・。
今回も素敵な心温まるお話とお写真をありがとうございます。

by よーこ 2015-01-20 21:19

リリーさん

猫って光をまとっていると、逆光で神々しいくらい美しいときありますよね~ 朝日が昇る前って、リリーさんちの元ノラさん、ずいぶん早起きなんですね!

by 道ばた猫 2015-01-20 22:50

>まろすけさん

うちも、捨て猫、迷い猫、押しかけ猫…みんなワケアリなので、よそのワケアリもいじらしくってなりません。「どうやって生きてきたの」って聞きたくなるんです(笑)。

by 道ばた猫 2015-01-20 22:55

>イクラさん

猫がのんびりひなたぼっこしてる町は、ほっとしますね~  垣根とか、草むらとか、屋根の上とか、縁側とか。お日様、外猫さんをうんとあたためてあげてくださいな!

by 道ばた猫 2015-01-20 23:04

よーこさん

ひなたぼっこの猫は至福の表情。それを見てる飼い主も至福の表情(笑)
ひなたの匂いをさせて猫が帰ってくると、顔を埋めちゃいます!

by 道ばた猫 2015-01-20 23:07

猫って何でこんなに光を纏ってる姿が似合うんでしょうね?不思議不思議……。
拙宅のにゃんず4匹のうち、たぶん死にかけで母猫に置いていかれちゃった茶白は「おひさま猫」、以前の記事のコメにも書いたことある全盲の子は「生命(いのち)の煌めき」、と呼びたくなることがあります。なんでかはわからないけど、もしかしたら、彼らの生命そのものが、目一杯猫性を楽しんでるのが、こっちにも伝わってくるからなのかなぁ……なんてことをこのコメント付けながら思ってしまいました(笑)

by むぅきち 2015-01-21 00:14

うわわわわ!!! 性を楽しんでどーする!
スミマセン、りっしんべんは外してください……よりによってな誤字(;´д`)トホホ…

by むぅきち 2015-01-21 00:17

>むぅきちさん

あはは、ここは猫の性格を楽しむ、ということで(笑)。
猫って体じゅうにいのちが詰まってるな、と、よく思います! ことに自然のなかにいると。

by 道ばた猫 2015-01-21 08:50

個性いろいろのネコさん達、
それぞれに幸せな今があってホッとさせてもらえるお写真です。
寒い毎日だけれど、ここはなんてあったかそうなんだろう~*

昨日黒猫さんが庭を横切って行きました。
以前我が家を休憩場所にしていたクロちゃんは、しっぽがとても長い綺麗な子だったけれど
今回の子は鉤しっぽさん、目は合わせてくれたけどスタスタと どこかへ・・・
あの子にも、安心できる場所があるといいな(~o~)

by りょう 2015-01-21 08:51

>りょうさん

うちの庭に入りびたりだった猫が、しばらくご無沙汰だなあと思ったら、7~8軒先のおうちの縁側にいたりして。猫って、季節でお気に入りの場所を変えたりしますよね~

by 道ばた猫 2015-01-21 20:56

たくさんある猫ブログ、ねこ写真の中で、道ばた猫さんの写真が他のものとは違う理由が分かった気がします。「猫たちは私だったんだ」。一方的な人間目線からの猫写真とは違い、一緒にいきているもの同士みたいな気持ちが伝わってきます。
写真展、頑張ってくださいね~。

by ちぃこ 2015-01-26 21:11

>ちぃこさん

ありがとうございます!!
自分のできることが少し見えてきたので、これからも、のんびり、自分流に道ばた猫写真を撮り続けて行きます。

by 道ばた猫 2015-01-31 10:48