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[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

道ばた猫日記

2014年07月01日

石垣島・夏猫だより

沖縄では、先週、梅雨明け。石垣島に住むマドカさん(以前、『モロッコ猫だより』でご紹介)から、ひと足早いこんな夏便りメールが島猫の写真と共に届きました。

『 はいさい。お元気ですか。

 こちらでは、夏の始まりを告げる季節風、夏至南風(かーちばい)が吹き抜けていきます。肌がじりじりとして、梅雨明けと共に太陽がグンと近づいた感じ。今年は台風が幾つ来るのやら。
 島猫たちは、夏の暑さをしのぐ方法をちゃんと心得ていて、昼間はほとんど姿を見せません。夕方、仕事の帰り道には、サトウキビ畑のあちこちから猫たちがのっそり出てくるのを見かけます。

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 写真2枚は以前撮ったものですが、この浜辺は、コウスケさんと一緒に夜釣りに行く船着き場。人なつこい猫たちがたくさんいて、こんなふうにわらわらっと寄ってきます。みんな船長さんたちや釣り人たちからごはんをもらって可愛がられているんですよ。

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 左の太った猫がつけているのは、紐にぶら下げた5円玉の首輪。船長さんのお気に入り猫みたいです。いいアイデアですね!「俺の猫」って感じかな。釣り好きな職場のおじさんにこの釣り場のことを教えてあげたら、さっそく行ったそうです。「釣れました?」と訊いたら、「あんなに猫のいるとこで釣りなんかできないさー。猫とずっと遊んでた」ですって。最近思うに、職場の工房でも、猫好きの女の人は猫を見つけると「可愛い~~!」って騒いでサッと引き上げるけど、猫好きおじさんは長時間かまってる。そういうときは、そっとしておいてあげます(笑)。

 小梅(保護犬)の散歩にいく海辺の近くでも、猫たちが夕涼みしている風景に出会います。海辺の公園猫には、自転車でごはんを運んでくるおじさんがいます。

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 夜に車で走っていると、次から次へと猫が横切ります。ヤマネコその他も。八重山の山々には、無数の猫科動物が生息していそうです。自給自足でなんとか生きていける環境なのでしょう。だから、捨て犬・捨て猫も多く、我が家もいつの間にか犬猫が増えて行ったんですけどね。

 我が家の押しかけ保護猫男子3匹のうち、のんたろうは、去年、5か月も家出をした末に、戻ってきました。探し回っても見つからなかったのは、どうやらその間、日中はサトウキビ畑の奥で暮らしていたから。夜になるとヘビやカエルを食べに出てきてたみたいです。帰ってきたときは下痢続きで、獣医さんに連れてったら、ヘビやカエルを生で食べたときにしか寄生しない「マンソン」という長ーい寄生虫が出て、びっくり! サトウキビ畑って、台風もしのげるくらい上には葉が茂っていて、中は広く、ノラの子育てにも絶好の別天地なんですよ。そんなわけで、のんたろうはしばらくうちでは「マンソン」って呼ばれてました~

 麦生にのんたろうにしらす。オス猫3匹と言うとさぞ張り合ってタイヘンと思われるかもしれませんが、、これがとっても仲良くて、いつも抱き合っていちゃいちゃしてるんですよ。

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 いちばん先輩のキジトラの麦生(ムギオ)が甘々のやさしい兄貴なんです。おかげで、新入りのしらす(我が家の玄関先で保護した時、細長く弱っちい白猫だったので、しらすと命名)は、お調子に乗って、何でも横取りする「横取り王子」になりました。この前なんて、岩合さんのテレビ番組に釘付け。漁村の子猫がもらった魚をなんとか横取りしようと、手を出したり、テレビの裏に回ってみたり、必死でした。

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この「横取り王子」しらすは、「かまって王子」でもあるんです。かまってやらないと、食器棚の中に入り込んで、グラスやお皿を思いきりガタガタさせます。私がすっ飛んでくるのを知っているから。この嫌がらせは、毎晩です。無視したら、大変。この前はグラスを手で投げとばされました。いただきもののお気に入り猫カップもしらすに割られました・・・。石垣の猫はまったりしてるようで、なかなかしたたか。我が道を行く猫ばかりです。付き合っていて、ほんとうに面白くて飽きません。写真は、高いところから、麦生兄貴にとびかかる寸前のしらす。何をされても、愛おしそうにグル―ミングしてやる麦生です。

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 こんな風に、縁あって我が家にやってきた犬1匹猫3匹は、島での生活を毎日にぎやかに彩ってくれてます。しあわせそうにしているうちの元ノラ(たぶん捨て猫)たちを見ていると、いつも「この子たちのお母さんやきょうだいたちはどこでどうしているのかなあ~」って思います。
 捨て犬・捨て猫があとをたたない石垣島では、保護団体と行政が協働して、「犬や猫を捨てない、殺さない」キャンペーンをして、全島あげての地域猫対策に取り組んでいます。どこのスーパーやコンビニにも「里親募集」の張り紙が。まだまだ道のりは遠いでしょうが、いつの日か日本中のモデルになるような、人と動物たちの共生の島になりますように!ほんとうの意味で人が暮らしやすい土地は、動物たちも暮らしやすい土地ですものね。

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 また、いつでも石垣島に遊びに来てくださいね~   コウスケさんや青い海や島猫たちと一緒に待っています。

マドカ 』


写真

道ばた猫日記ライター紹介

佐竹 茉莉子(さたけまりこ)

フリーランスのライター。路地や漁村歩きが好き。町々で出会った猫たちと寄り添う人たちとの物語を文と写真で発信している。写真は自己流。著書に『猫との約束』『寄りそう猫』『猫だって……。』『里山の子、さっちゃん』など。朝日新聞WEBサイトsippoにて「猫のいる風景」、辰巳出版WEBサイト「コレカラ」にて「保護犬たちの物語」を連載中。

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カテゴリ: 道ばた猫日記
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みにゃさまのコメント

石垣島にこんなに猫がいるんですねー。旅行に行ってみたくなりました!
南の島から、猫の暮らしやすい島のモデルケースができたらいいですね。

by しましま 2014-07-01 16:25

みんな丸々してて、本当に可愛いし、幸せそうに見えます!
野良ちゃんでも悲壮感がないのは、石垣島が年中暖かいからですかね?
それでも野良と飼い猫どちらが幸せかというと、ご飯も寝る場所も何の心配もない飼い猫だと思うので・・飼ってくれる方が増えるといいですね・・

by akiko 2014-07-01 18:03

>しましまさん
>akikoさん

 本土の「飼い猫」「ノラ猫」 という分け方には収まりきらない「島猫」の姿ですね~  お気楽でしょうけど、台風のときなんてどうするのかな・・・。

by 道ばた猫 2014-07-01 20:03

 どの猫ちゃんも皆かわいいですね!
石垣島といえば“猫カフェ”のルーツ・台湾のすぐ近く。。。
 防波堤の猫ちゃん達が島のひとたちから可愛がられてるさまが感じられて良かったです。

by クックロネコ 2014-07-01 22:26

最初の写真を見て、思わず顔がほころんでしまいました。まさににゃんこパラダイス!!!
二枚目の写真の左のにゃんこのふくよかさがかわいいですね!!可愛がられている証拠です。
どれも穏やかな時間が感じられるいい写真ばかりですね。ありがとうございます。

by ゆこゆこ 2014-07-02 09:02

>クックロネコさん

 顔が似てるから、ファミリーなんでしょうか。5円玉猫が父さんでボスなのかな。

>ゆこゆこさん

 お日様に大地に仲間にサカナ。足るを知っている彼らは、ノラでも十文に幸せだと思います。

by 道ばた猫 2014-07-02 09:43

マドカさんのメールを読んでいくうちに、えっ!と(=^・^=)マンソン・・・・。昨年、我が家の家族になった黒猫のてんにもマンソンが・・・(笑)2ヵ月そこそこの子猫だったのに、多分親猫からその卵が
入ったのでは・・という病院の先生。最初に出てきた時は本当にビックリ!!体の中からいなくなるには
かなり時間がかかるそうで。でも本人(本猫)にもほぼ害はなく、他の猫達にもうつらないそうで一安心でした。マドカさん、大変ですけど気長に頑張りましょうね。のんたろうくんも家出はほどほどにね!

by りんりん 2014-07-03 09:05

>りんりんさん

 マンソン・・・響きがBホラーっぽいですよね(笑)。きちんと対処すれば問題なし。のんたろうはとっくに一件落着のようですよ~

by 道ばた猫 2014-07-03 22:11

我が家の保護猫2匹も男子だけ(-_-;)
仲良しではないけれど、流血があるような喧嘩もしない。保護に時間差はあったけれど、そこそこうまくやってくれてます。
が!! 生後2ヶ月ぐらいに保護した茶トラ男子(先に保護した子)は、まー甘えん坊。相手が誰であれ、自分を1番にかまわないと大変。猫に対してのイメージを覆されました。
それまでは犬派だったけれど、この茶トラくんとの出会いで、すっかり猫派。
今は犬1猫2ですが、もしかしたら猫は増えるかも??笑

by リトル 2014-07-04 13:16

>リトルさま

 どうも男子のほうがわかりやすく甘えんぼみたいですね~ 女子はひとひねり(笑)。うちの女子は、みんなの前では甘えず、一対一になると、めちゃくちゃ甘えます~

by 道ばた猫 2014-07-04 22:18

岩津さん、はじめまして。実はお尋ねしたいことがあるのですが、昨年12月21日に飼い猫である白ネコの【シロ】が乳がんで他界しました。もともと野良猫として兄弟2匹で我が家にきて12年我が家にいてくれました。昨年10月、11月に2度の大手術で、治療の施すことができず 娘の目の前で亡くなりました。
家族の一員のように12年間過ごしてきたので皆落ち込み、特に娘の落ち込みが強く シロが今しあわ
岩津さんにお尋ねしたいことを以下まとめます。
⚪️シロは我が家にきてくれて幸せだったのでしょうか?
⚪️手術など強制的に行いましたが苦しい思いをさせてしまったのでしょうか
⚪️亡くなった今は幸せなのでしょうか?
⚪️我が家にきてくれたのは前世と繋がりがあるのでしょうか? 生まれ変わり等あるのでしょうか?

by チロちゃん 2016-01-14 18:02

岩津さん、はじめまして。
みなさんの内容を拝見し、是非岩津さんにお尋ねしたいと思い、連絡させて頂きました。昨年12月21日に飼い猫である白ネコの【シロ】が乳がんで他界しました。もともと野良猫として兄弟2匹で我が家にきて12年我が家にいてくれました。昨年10月、11月に2度の大手術の後、治療施せず 自宅の娘の目の前で亡くなりました。
家族の一員のように12年間過ごしてきたので皆落ち込み、特に娘がとても落ち込んでいる状況です。
岩津さんにお尋ねしたいことを以下まとめます。
⚪️シロは我が家にきてくれて幸せだったのでしょうか?
⚪️手術など強制的に行いましたが苦しい思いをさせてしまったのでしょうか
⚪️亡くなった今は幸せなのでしょうか?
⚪️我が家にきてくれたのは前世と繋がりがあるのでしょうか? 生まれ変わり等あるのでしょうか?
教えて頂けると幸いです。よろしくお願いします。

by チロちゃん 2016-01-14 18:07