[猫ブログ] いろいろな連載と、ときどきお知らせ。

　先週からの続きです。幸薄かった母さん猫の遺した４匹の仔猫の残り２匹、長毛と短毛のキジトラ姉妹は、その後、どうなったかというと・・・。

　２匹揃って、城下町佐倉の農家食堂「遊っ蔵（ゆっくら）」（京成線大佐倉駅から歩いて２分。火曜～金曜営業）の看板娘になっていました！



　長毛がスミレちゃん。短毛がカエデちゃん。姉妹はそれぞれ気の向いた時にお店にやってきて、お客様をもてなしています。



「いらっしゃいませ」と、ごろんごろんする、スミレちゃん。ストーブに薪がくべられるこの季節は、店内の暖かい床がお気に入り。



「お味はいかがですか？」と、首をかしげるのは、カエデちゃん。ええ、この農家の若奥さんで料理上手のノリコさんの家庭料理はとってもヘルシーで美味しいですよ！農家の庭先にあるお店のウッディな造りも、いい感じ。何より、美人キジトラ姉妹の接待は猫好きにはたまりませんとも。ついつい長居をしてしまいます。

　姉妹が揃ってここにもらわれたいきさつとは・・・。４匹の仔猫たちを保護したルイさんは、白猫兄弟の行き先が決まった後、、残るキジトラ姉妹も幸せにすべく、里親探しを続けていました。ふと思いついたのは、猫好きが集まる場所に連れて行けば、里親が見つかりやすいかも、ということ。

　そこで、行きつけの農家食堂「遊っ蔵」に２匹を連れて行きました。遊っ蔵さんでは、以前に猫を飼っていたこともあると聞いたので、うまくいけば遊っ蔵さんで・・・という下心もあったそうです（笑）。

　お客さんたちに子猫をお披露目していたところ、うまい具合に小学校から帰ってきたのが、ここの末っ子のショウタくん。５年生だったショウタくんは、２匹の愛らしさに心奪われ、「飼いたい！飼いたい！」とお母さんやおばあちゃんに必死のおねだり。ここぞとばかり、「１週間、２匹を預けるから、どちらか選んで」とルイさん。そして、こう言い添えるのを忘れませんでした。「でも、飼うのなら、きょうだいで飼うと、とても楽よ。二匹で遊んで育つから」と。周りの猫好きたちも「猫を飼ってこそ、一人前！」とか「飼うなら２匹」とか「これでノリコさんとも猫仲間になれるわ。うれしい！」と口々にフォローしたのでした。
「置いて行かれちゃったら、どちらかなんて選べないですよ～。結局、一晩たったら、２匹を飼うことに決めてました」と、ノリコさん。ルイさんの作戦勝ち！



　やってきたばかりの時は、ちょっと見ただけではあまり区別がつかなかったという２匹。スミレとカエデという名は、ショウタくんが植物図鑑と首っ引きの末、つけました。姉妹は、家の中を走り回り、障子をビリビリにして、張替も１度や２度ならず。大きくなった今は、洋猫・和猫の違いがはっきりしてきたものの、２匹ともに狩りが趣味で、スミレちゃんが鳥、カエデちゃんがネズミ専門だそうです。名ハンターだった母さんの血をひいているのかな。

　先日のこと。小さい時に猫にひっかかれたのがトラウマになって、「猫はコワイ」とずっと思っていたという女子大生が来店。目の前でゆったりとくつろぐスミレちゃんに「初めて猫をカワイイと思いました」と言って、撫でていったそうです。



　スミレ・カエデ姉妹は、自分たちを家族に迎え入れてくれた恩人、ショウタくんが学校から帰ってきたら、いそいそと駆け寄ります。ショウタくんに抱っこされたカエデちゃん。「ここがアタシたちのおうちよ！」とちょっぴり誇らしげです。



　天国のシャム母さん、あなたの遺した子どもたちは全員いずれ劣らず、幸せに元気にしていますよ！　安心してくださいね。